事業の内容が分からなければ、何を予測評価をすべきかわからない
日本気象協会(松田)
はい、それに付きましては住民の皆様からのご意見、意見書のご提出をいただいたそのご意見について尊重すると共に、その意見を基にまた、有識者による環境影響評価審査会の方が開かれますので、そこで更に有識者の先生たちにですね、ご指摘のあった内容については調査項目等を増やしてくということになるかと考えております。
住民A
だから、どういう調査項目をどう増やすのかということについて、それが正に方法書の中身ですから、方法書を作り直して、再度、こういう縦覧手続きを取ってください。
日本気象協会(松田)
方法書につきましては、一度作ったものですのでそれに対して有識者の先生からご意見をいただくと、その頂いた意見に関しては真摯に対応してまいりたいという風に考えております。
住民A
一番最初に事業の内容が分からないと質問したのは、事業の内容が分からないからどういう予測評価をすべきかなってわからないんですよ。そんなもので意見書を求めて何の意味があるんですか?だからそういうのを改訂した上で、なおかつ住民の方達が心配している項目についてちゃんと評価項目として予測評価して、こういう予測評価をするという計画を作ってその上で、それが正に方法書ですから意見を求めるというのが当然のことでしょう。それをやってくださいと申し上げているだけです。
日本気象協会(松田)
はい、今、頂いた意見はとても貴重なものだと考えております。この意見を尊重しながら更に有識者を受けた上で、そこで指摘された内容について真摯に対応していきたいという風に考えております。
調査範囲は最大3キロ

住民A
範囲の話は?
日本気象協会(松田)
範囲に関しましては、水害に関して範囲を広くというお話でございましたが、水害に関しましては・・・。
住民A
いや水害じゃないですよ。濁りについて3キロでって言うから、沼津港の辺り、駿河湾まで影響出てるでしょうと。河川下まで全部やるのが当たり前やるのが当たり前でしょうという風に申し上げたんですよ。
日本気象協会(松田)
濁り水に関しましては本事業による影響というものが最もよく分かる対象事業実施区域から出た河川のすぐの場所で調査をいたします。そこで大きな濁りがあれば問題だということにもなりますし、更にその下の方でずっと駿河湾までと仰られますけども、それはもういろんな河川が合流してしまいますのでこの事業の影響かどうかよく分からなくなってしまいます。ですので、他の川と合流する前のこの事業による影響を評価すると、この事業による影響を把握するというために事業実施区域の一番近いところの濁りをまずは調査するというようなことを考えております。
住民A
まず調査するのは構わないですけど、その影響がどこまで及んでいるのかというのは、ずっと下流までやらないと、追っかけないと分からないですよね?どこまで影響が及ぶかというのを調べるのがアセスだから、それこそ例えば来光川に合流するところまで行ったら影響が無くなりましたって言うなそれはそれでひとつの答えですよね。
だけど調査しなかったらわからないですよね。
日本気象協会(松田)
下流の方に水が流れて行くにいたしましても必ず出たすぐのところは通ります。その出たすぐのところを調査すると。そうすればこの事業というのが100パーセント把握できるということになります。
住民A
それがどこまで影響が及ぶか、それをどうやって調べるんですか?その3キロしか調べないと言っているのに。
3キロの範囲内でその濁水が残っていたらどうするんですか?
日本気象協会(松田)
3キロの範囲内で極めて強い濁水となっている場合には、そのような濁水にならないような環境保全処置を事業者の方で取るというような対応策を実施してまいります。
住民A
ということは3キロを超えて濁り水が発生したら、それは事業者が責任を取るとそういうことですか?
日本気象協会(松田)
3キロを越えてといいますか、他の河川と合流する前のこの本事業から出てくる濁水を調査をすることで本事業の影響というのが100パーセント把握できます。
住民A
同じことを答えないでいいです。
さっきも言ったように調査の範囲はどこまで行ったら影響が無くなるかを調べるんだから影響があるところだけを調べても意味ないでしょう?
日本気象協会(松田)
いえ、そこから出てくるものに対して強い濁りがあると
住民A
強い弱いのそういう客観の話じゃなくて、それでその強い濁りがあってそれがどこまで行ったらなくなるかっていうのは無くなるところまで調べなかったら、強くなくなるところまで調べなかったら分からないじゃないですか。なんでそれで3キロに拘るんですか?
日本気象協会(松田)
強い濁りが遠くへ行って拡散して無くなるということを調査していくというよりは、その3キロの範囲内で強い濁りが出ているような場合にはその濁りが出ないようにその元のほうで環境保全策をして元々強い濁りの出ない水を流すような施設を設計していくということになります。
それで更に下流の方になりますと他の川もどんどん合流してまいりますので、他の川からの濁りも全部混じってまいりますから、どこの影響かどこの原因かというのがわからなくなりますので、あえてもうその事業から出てくる濁りがどれくらいかというのを調査するために出たすぐのところでまずは状況を把握すると、それが今回の調査の目的となります。

対策は実行可能な範囲内で?
住民A
だから、何回も同じ話をしてもしょうがないんだけど、その影響がもし3キロより先に影響が出ることがあったら、それは全部事業者が責任を取るの?無いようにするというのはそういうことですよ。
日本気象協会(松田)
3キロの範囲内というキロではないですけども、その上流に今回の太陽光発電設備にをける濁りが増えたということに関してはそれを増やさないような発電所を造るように計画の方を変えていくと。
住民A
じゃあ、最悪の場合、止めるとも含めてということでいいですね?
日本気象協会(松田)
それに関しては私の方からはアレですけども。
住民A
だからこの評価の手法が問題になるんですよ。
日本気象協会(松田)
その環境の保全対策というのはいろんなものが取れますので、更に当然コストは掛かるかもしれませんがそういう対策を取っていくということも考えられるかと思います。
住民A
だから「実行可能な範囲で」という、結果的には3キロを越える濁り水がもちろん発生しますけどもそれはそれでしょうが無いっていう説明をするつもりですか?
日本気象協会(松田)
濁りといいますかSS(浮遊物質量)という物質を数値で現されるものとなりますので、それが基準を超えているような場合にはそれ以下にしていくと、そういうような施設を造って行くようにしてもらうというようなかたちになるかと考えています。
命に関わる問題は評価基準を変えなけらばならない
住民A
この予測の評価の手法についての見解は?
日本気象協会(松田)
評価の手法?
住民A
「実行可能な範囲内で、できる限り回避・低減されていること」例えばさっきから申し上げている例えば浸水被害にしても土壌崩壊、がけ崩れにしても、そういうのがもし起こったら困るわけだからそんな計画であれば止めるべきですから、単に実行可能な範囲でできる限りやりますじゃ済まないでしょう?そういう人の命や健康に関わる項目は。
だから評価の手法はものによって、全てとは私も言いませんけど、重要な項目についてはこのスタンスではだめですよね。そこはちゃんと変えていただかないと。
方法書について、先ほどから申し上げているように作り直していただいて、そこに項目によっては「影響が回避されないようであれば事業の中止をします」ということをちゃんと書いて、もう一度やってください。
(会場拍手)
日本気象協会(松田)
実行可能な範囲内というものについて、ひとつだけお願いいたします。
「実行可能な範囲内で」という表現でございますが、これは一般的に環境アセスの世界で確かに多用されていてよくわかりづらい言葉ではございますが、あくまで現実離れしたものではなく、今の技術の範囲内でできるものを考えた上でのというように考えております。
住民A
じゃあ、事業を止めるということできますよね、技術的にね。
(つづく)