
函南メガソーラーに関する県当局と川勝知事の嘘と詭弁を解説します。
2022年12月9日、静岡県議会にて廣田直美議員(ふじのくに県民クラブ)の一般質問に以下のように答弁しました。
桜井農林水産担当部長の答弁
櫻井農林水産担当部長
桜井部長「(仮称)函南太陽光発電事業についてお答えいたします。
県では本林地開発許可に際して、住民の皆様の災害に対する懸念や不安を真摯に受け止め、住民の皆様に寄り添って対応するため、土砂流出の防止対策に万全を期すことや、説明会の開催などを通じて、地域住民等の皆様の理解を得ることができるよう努めることを許可条件に付すとともに、事業者に対してこれを確実に遵守するよう厳正に指導しております。
まず、1点目のご質問の河川管理者との調整につきましては、事業者から集水区域の誤り等の報告があったことから※1、改めて県及び町の河川管理者と調整を行うよう※2指導しており、現在調整に向けた資料作成等が進められております」
※1【解説】「事業者から集水区域の誤り等の報告があったことから」の嘘 森林保全課には早くから地域住民が図面を示して流域面積の誤りを指摘し、令和2年12月23日(水)午後6時から地元の丹那農村改善センターで開催された住民説明会の席でブルーキャピタル社にも指摘しています。静岡県森林保全課は「事業者からの申し出」と説明していますが、集水面積の誤りを審査時に行政側が見落としたことを説明していません。
※2【解説】「改めて県及び町の河川管理者と調整を行うよう」の嘘 そもそも河川管理者とは法令に定める河川協議は行っていません。 県「沼津土木事務所」では、事業者が窓口に来て事業の全貌を説明せず、極一部の町河川に関係する資料により説明したことから、県沼津土木は「県の河川協議は不要」と回答したものです。 事業者が沼津土木に事業の全貌を説明しなかったことは、事業者の作為的な行動があった(同事業者は山梨県では、完璧な河川協議を行っています)可能性が高いです。また、それを引き起こしたのは森林保全課の連絡・調整不足が原因です。 また、町との河川協議については、申請書類には協議が行われた形跡がありません。
桜井部長「調整に当たりましては、今年度手続を明確化するために策定した運用通知に基づき、事業者が河川管理者から書面で同意を得るよう厳正に指導してまいります※3」
※3【解説】「書面で同意を得るよう厳正に指導してまいります」の詭弁 他の都道府県では当たり前のことが、これまで静岡県では河川管理者の同意を証明する文書をもとめることはせず、事業者からの協議内容の報告書のみで河川協議の完了を判断していました。 また、河川協議を林地開発許可申請の事前協議として位置付けたフロー図を定めてありながら、河川協議をしていない申請書類を受け付けました。
桜井部長「2点目の訂正内容への対応につきましては、現在事業者から関係書類が順次提出されておりますので、訂正内容の審査基準等への適合性について、厳正かつ慎重な審査を行い、法令等に基づく手続を徹底してまいります※4」
※4【解説】「訂正内容の審査基準等への適合性について、厳正かつ慎重な審査を行い、法令等に基づく手続を徹底してまいります」の詭弁 審査基準等に適合していたと判断したから許可したのであって、許可した後に、厳正かつ慎重な審査とは? 何故、最初から「厳正かつ慎重な審査」をしなかったのか? その原因について説明がありません。 また、「法令等に基づく手続を徹底してまいります」に関しては当たり前のことを言っているだけです。
桜井部長「3点目の許可の取り消しにつきましては、事業者が不正な手段により許可を受けようとした意図は認められないと認識をしております。※5
加えて工事は着手前であって、事業者は訂正の意向を示しており、事業計画を見直すものと考えております」
※5【解説】「事業者が不正な手段により許可を受けようとした意図は認められないと認識をしております」の嘘 事業者の悪質性を住民側は何度も説明しています。 ・事業者は住民説明会を開催していないにも拘わらず、住民説明会を行った様子を含め記載しました。 ※ 県も事業者も予てより単純ミスで済まそうとする発言をしているが、ミスで文章は書けません。 ・事業者は、県や町に提出した事業計画書に事業者側にとって都合のよい虚偽の記載をしています。 ※ 河川協議簿も当事者である函南町が「河川協議はしていない」とはっきり答えているにも拘わらず、県は事業者と同じく河川協議は行っていたと認識している? その根拠は、林地開発の審査完了後に求めた町長意見に記載が無かったからなど、県は確証なく単なる推測で説明しているに過ぎません。 あまりにも事業者に寄り添った対応に住民は不信感を抱いています。
櫻井部長「また、事業者に対しては、計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで、開発行為に着手しないよう指導を徹底しており※6、事業者はこれに従う意向を明確に示しております」
※6【解説】「計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで、開発行為に着手しないよう指導を徹底しており」の詭弁 適合することを確認したらどうするつもりか? 修正すれば全ての虚偽が許されるというのか?
櫻井部長「県といたしましては、現時点で許可の取り消しには至らないと認識をしておりますが、住民の皆様の不安や懸念を重く受けとめ、引き続き法令や審査基準等に基づき、事業者を厳正に指導してまいります」
川勝知事の答弁
川勝平太知事
川勝知事「函南町のメガソーラーについての再質問ありがとうございます。
私はあの現場に出かけておりまして、関係者や識者の方からご説明を受け、またその現場で住民の方のさまざまなご意見を拝聴し、また県知事室に関係者がお越しになって、要望に直接承り。また、今回の請願とよくよく承知しております。
したがって、今日の廣田議員の質問は、函南町、これにかかわる住民全員のご懸念であり、そしてまた事業者に対する不信であり、また函南町全体を思う気持ちを代弁しているものというふうに拝聴いたしました※7」
※7【解説】「・・・というふうに拝聴いたしました」の詭弁 リニア問題とは大違いのまるで他人事。 自分自身が批判されていることにも気づかず「気持ちはわかるから、まぁ許してやろう」とでも思っているのだろうか?
川勝知事「一つは、この河川管理の問題。一つは集水地域の問題。また、もう一つは条例との関連ございまして、私はその気持ちと一体です。
一方で、法令の遵守はしなければならないと。
林野庁のご見解を示しますと※8、林野庁の見解ですが「一般論で言えば取り消しは非常に重い不利益処分になるので、申請書類に重大な瑕疵があるか否かなど、慎重に判断する必要があると、いきなり取り消しを行うかというと、通常は行政指導や監督処分を行い、事業者の対応が悪質な場合には取り消すという手順を踏むのである」とこうありまして、先ほど桜井部長の方からお答えいたしましたように、我々ができる最大限のことをしておりますが、私の権限でできる最大限の努力をこれまでも得るようににしてまいりました※9」
※8【解説】「林野庁のご見解を示しますと」の詭弁 林野庁の誰にいつ誰が聞いたのか? 住民は森林法「林地開発許可」を所管する林野庁治山課の課長とは2年にわたり函南メガソーラー問題について協議しています。
当該課長は、函南の件は全て承知しています。
静岡県さえ取消しの意思を表明し林野庁に相談して頂ければ、林野庁として取消しに協力する考えです。 しかし、静岡県からは取消しに向けた相談が無く「何故なのか不思議に思っています」とのことです。 川勝知事らは、一般論で議員や県民を騙そうとしていますが、川勝知事らは具体論で説明責任を果たすべきです。(まさに、筋の通らない答弁です。) (注意:林野庁の見解は「重大な瑕疵がある」
詳しくはこちら )
※9【解説】「私の権限でできる最大限の努力をこれまでも得るようににしてまいりました」の嘘 何をもって最大限なのか? 具体性に欠ける川勝知事の抽象的な答弁は、何事も具体的に取り組んでこなかった証拠です。 法的に林地開発許可の取消しができる訳ですから。
川勝知事「何としてでもですね。 地域住民の要望といいますか。この見解が晴れて実を結ぶようにしたいというふうに強く思っております。※10
今のところは、桜井部長のご答弁が最大限できることだということで※11、何とぞご理解を賜りたいというふうに思っております。
以上であります」
※10【解説】「強く思っております」の嘘 本当に強く思っているなら、行政の最高責任者として山梨県知事の様に「事業者からの裁判も受けて立つ」その姿勢が、何故、無いのか?
※11【解説】「桜井部長のご答弁が最大限できることだということで」の嘘 県民を騙す言い訳でしかありません。 裁判となれば、杜撰な県政が暴かれることになり、それを恐れ保身のため許可取り消しを拒んでいるだけと推察します。
ひろた直美議員「函南太陽光発電事業について」