連載(10)条例が遡及の問題などなく適用可能な理由

なぜこの条例は町長次第なのというご質問は良くあります。
その理由は条例に規定されているからです。

他の市町では「工事に着手する事業に適用する」
この条例施行の日の以降に着工する事業に適用する。

伊豆の国市では「工事に着手している事業に適用しない」
だから現に着工しているときに条例が施行しても適用しません。
逆に言えば現に着手していなければ適用しますという条例です。

書き方は違いますが、どこの市町も言っていることは同じです。
工事着手をもって捉えているのです。

林地開発というのは開発行為を言いますから、この工事着手の起点が大事です。
ですから、函南町の条例も適用できますが、他の市町の条例と決定的に違うのは町長に裁量権を与えているところなんです。

「町長はできる」にしている。だから適用しなかったらこの条例はただの絵に描いた餅なんです。それで終わってしまったら軽井沢のメガソーラーは確実にできます。
だから私たちはこの条例の適用を一生懸命訴えているのですが、町長は迷っています。

その理由の一番大きなものは「遡及適用が難しい」
でも、それって何が難しいの?

「遡及」という言葉は耳慣れないので皆さん分かりにくいと思います。
要は、さかのぼって適用しませんということです。

法律は施行と同時にその効力を発揮するが、原則として将来に向かって適用され、過去の出来事には適用されません。

それでは、町の条例は町長の言うとおり遡及の問題がある?と思いますよね。
でもこの条例は過去の出来事には適用していません。

過去の出来事ではないということをご説明いたします。

7月8日に林地開発許可が出ました。10月1日に条例が施行されます。
この条例は林地開発許可に対しては効力を発揮しません。
ただし、林地開発とは森林伐採、造成工事のことをいいます。

この条例がターゲットにしているのは、発電施設の設置、発電事業です。
条例が施行の段階ではこの事業は始まっていません。
だから適用できるのです。

森林法の森林開発行為とは、ショベルカーなどで森林を伐採したり造成工事したりすること。
災害の恐れがないか審査した上で県は許可するのです。この審査の中にソーラーパネル等、発電施設の設置は入ってません。法的に明らかに森林法の森林開発行為に含まれません。

ブルーキャピタル社は、一昨年の11月から手を出してきた。そして計画も伊東などでも問題になって各市町がどんどん条例を作ってきた。
しかし、函南町は条例を作らなかった。
それで、なぜかその理由は先ほど渡辺さんがご説明されましたように県のガイドラインが出来るのを待っていたと言う。

この県のガイドラインはただのサンプル程度のものです。
県の担当者にも直接聞きましたが、法的根拠にはならないものです。

ここに経産省の資源エネルギー庁が出している事業計画策定ガイドラインというものがあります。これは、FIT法の条文から紐付けされた法令になります。

事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)

同じガイドラインという名前ですが天と地ほどの違いがあります。
このガイドラインは予てから出させています。だから周辺市町は県のガイドラインなどに拘らずに条例を作りました。

 

(つづく)

(1)集落の水路を排水路として使う危険な計画
(2)常套句は「地元の同意は必要ありません」
(3)町の事前協議の結果は「不同意」
(4)「条例適用は難しい」なぜ?
(5)不自然に条例から消えた文言「着工の60日前」
(6)遅れた事業計画、遅らせた条例制定
(7)「民家があったら大惨事」霧島市の教訓
(8)5年前の会社がもう存在しない
(9)条例とFIT法でメガソーラーは止められる
(10)条例が遡及の問題などなく適用可能な理由

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