2019年10月3日、函南町議会は「軽井沢地区におけるメガソーラー建設計画に対する反対決議」を全員の賛成で可決しました。
そのこと自体は歓迎すべきことです。
しかし、その過程で疑問の残る議事進行がありました。
わずか5分たらずので出来事ですので、まずはその様子を記録した動画をご覧ください。
中野議長
提案理由の説明を終わります。これより質疑に入ります。質疑はありませんか?
質疑なしとみとめます。これを持って質疑を終了します。
これより討論を行います。討論はありませんか?
2番、古村議員。
古村議員
2番、古村です。軽井沢地区におけるメガソーラー建設計画に対する反対決議につきまして、賛成討論を行います。
本年、初めからの町長、副町長、そして行政部門、議会の努力により条例を作成していただき、またこの議会中には2件の請願を検討いただき、本日、軽井沢メガソーラーへの反対決議を議決できることに大変感謝申し上げます。
特に仁科町長は軽井沢メガソーラーに対して不同意を貫き本9月議会でも特にできることは何でもやる、署名もやる、署名は既に2万通近く集まっておりますが、更に署名も強く推進していただき、また、工事も監視する、県の環境アセスを引き伸ばす策もやる、また10月1日には業者に条例の附則に則り届け出を求める約束をいただき、また実際に10月1日に届け出のあったことの新聞報道も確認できました。
しかしながら、10月1日施行のメガソーラー関連条例におきましては、行政部門の法的解釈とわたくしを含む「メガソーラーを考える会」9月21日に・・・。
仁菅議会事務局長
$*#@#・・・。
中野議長
古村議員、古村議員、古村議員
古村議員
はい?
中野議長
あの賛成討論は、決議案に対する賛成の理由、意見を述べる場ですので。
古村議員
わかりました。
中野議長
今の発言は、な、無しにしますので、注意します。
古村議員
9月21日の集会では100人程度と思われたところに200人以上の住民が集まっていただき盛大となりました。
仁菅議会事務局長
@#$*#・・・。
古村議員
我々の法的解釈では、軽井沢のメガソーラーを止めるためには3点あります。
第一に工事着工日が10月1日以降であれば現状の条例のまま全て適用できる。
仁菅議会事務局長
@#$*#・・・。
中野議長
古村議員
古村議員
はい。
中野議長
あの、先ほど注意しましたが、発言が討論の範囲を超えています。
会議規則第54条第2項により発言を禁止します。
古村議員
すみません。会議規則第52条に則り、地方自治法に則り、討論はできると考えております。
討論を続けます。
第2に、条例第9条第1項、第3項により事業者に不同意を伝えることができ、その先にFIT法により業者のIDを止めることができます。
中野議長
古村議員、3回目の注意です。
加藤議員
議長、じゃあ、動議。
中野議長
はい、加藤議員。
加藤議員
あの、議長の制止にも関わらず、自分の持論を述べるために続けるというのは、私は議長運営上、いやあの、議事運営上、誠に遺憾だと思います。
動議の発議をいたします。
中野議長
いまの動議に対して賛成者。
長澤議員
賛成。
(6〜7名の賛成)
中野議長
はい、じゃあ発言を禁止します。動議成立。
加藤議員。
加藤議員
あの、議長。
中野議長
はい、14番・・・。
加藤議員
あの、動議は通していただきましたけど、議会運営委員会を開催を求めます。
中野議長
はい、じゃあ暫時休憩します。
それでは議会運営委員会の皆さまはお集まりください。
議会運営委員会
委員長 加藤常夫(清風会)
副委員長 植松淳史(自由かんなみ)
委員 市川政明(清風会)
委員 土屋学(一心会)
委員 長澤務(清風会)
委員 大庭桃子(日本共産党)
【疑問1】なぜ発言の途中で止めるのか?
動画を見ていただければわかるように、古村議員の発言はまだほんの序盤です。
これから何を発言しようとしているのか、その趣旨はまだ殆どわかりません。
辛うじてわかるのは「条例の法的解釈」に関して何か言おうとし掛けたのかな?と言ったところ。
この程度で止めていては誰も何も言えなくなってしまうでしょう。
函南町議会では事前に提出した台本以外は読んではいけないのでしょうか?
【疑問2】何の「動議」に賛成しているのか?
言うまでもないことですが、そもそも「動議」とは会議中に予定外の議題を出すことです。
それ以上でも以下でもなく、ただ予定外の議題を出すこと。
ここではその議題すら出ていません。ただ「議長、じゃあ、動議」と言っているだけです。
函南町議会では「動議」と言えば、発言を止める合図にでもなているのでしょうか?
もっと奇妙なのは、それに賛成者が少なからずいることでです。何に賛成したのでしょうか?
しかも賛成が過半数を超えたかどうかすら確認できません。
そして「はい、じゃあ発言を禁止します」と、阿吽の呼吸で当然のように会議を進行する議長。これが日常的な函南町議会の風景なのでしょうか?
これを異常な議会だと感じるのは私だけでしょうか?
【疑問3】なぜここまで条例の議論を避けるのか?
軽井沢メガソーラー建設計画に反対する以上、つぎに考えるべきことはどうやってこの計画を止めるかです。
そのためには条例の議論は避けて通れません。少なくとも無関係な話ではないでしょう。
それにも関わらず、ここまで異常なまでに条例の議論を避ける態度に私は大いなる疑問を抱かずにはいられません。
結果的に約1時間もの中断後、議会は再開され古村議員の謝罪と発言の取消がなされました。
その時間があれば十分、古村議員の意見は聞けたでしょう。聞いた上で反対なら反対の意見を言えばいいし、それが本来の討論です。
結局は、町民のわからない密室での話し合いを行い、しかもその結論は記録の残らない発言の取消。
なぜそれを公の場で行いわないのか、否、行えないのか?
これが民主的な議事進行と言えるでしょうか?
議会運営委員会の副委員長である植松議員は自身のブログの中で、この一連の出来事を「トラブル発生」とまるで他人事のように皮肉っています。
それどころか「発言の取消で済ませた程度で、処分もなく意外にあっさり」と、この処分がまるで大したことでないかのように述べています。
住民の意見を代弁した古村議員の発言はそんなに軽いものでしょうか?
繰り返しますが、植松議員は議会運営委員会の副委員長です。その程度の認識で議会を運営しているのでしょうか?
私は住民としてこの発言を容認することはできません。
(文責:吉原英文)