林地開発許可の手続きに不信感
2022年7月25日、函南町役場会議室にて仁科町長は静岡県自民改革会議のプロジェクトチームと面談し、函南メガソーラーの林地開発許可時の県の審査に問題があったことを説明しました。
“林地開発許可には、河川流量への影響などを河川管理者の自治体と確認する「河川協議」が必要だが、業者が提出した林地開発許可の申請時の書類に町との協議が済んでいると記されていたことなどを理由に、県は審査を通した。仁科町長は「(ブルー社とは)窓口で質疑応答しただけ。それで済んだことにされているのは理解できない」と述べた。” 中日新聞(2022年7月26日版より)
要件を満たしていない、手続き上の重大な瑕疵
翌日の静岡県知事の定例会見で、記者に函南メガソーラーに対する対応を問われた川勝知事は「(計画に)到底賛成できないが、要件を満たしていれば許可をせざるを得ない。法律に違反することはできないので、非常に苦しい中で許可した」と説明しました。
しかし、この川勝知事の説明には2つの疑問点があります。
【疑問1】なぜ許可時に非常に苦しむ必要があったのか?
この林地開発許可時には特に大きな反対運動はおきていませんでした。なぜなら地元住民がこの計画を知ったのはこの許可が下りる直前だったから。
要件を満たしている計画に、なぜそれほどまで「到底賛成でなかった」のか?なぜ「非常に苦しむ」必要があったのか?
そもそも知事が悩むかでもなく、その当時はその他の案件同様に普通に局長決裁で許可していたはずです。
【疑問2】なぜ直ぐに県当局が取り消しに動かないのか?
記者が聞いているのは許可時点の話では無く、これからどうするのかということ。
確かに許可時点で河川協議簿の虚偽が見抜けなかったのは落ち度と言えば落ち度。しかしながら、事業者が計画的に行ったその行為を見抜けなかったのは、やむを得ないことだと理解できます。
ところが知事は続けて「県議会が動いてもらったことで、(事業者に)勝手なことができないようにしていく方向に踏み出すことができればいい」と、まるで他人事のような見解を述べています。
行政が一度許可したものを取り消すことは難しいとはいえ、申請者側に明らかな瑕疵があり、しかもそれが悪質なものであれば取り消されて当然のこと。そうでなければ、これからもデタラメな申請が横行していくことになるでしょう。