軽井沢メガソーラーの隣地開発許可取り消しに関する函南町からの要望書に静岡県は無回答。
設備IDは、来年3月31日までに運転が開始されなければ失効の可能性あり。
(2024年9月4日、函南町議会より)
三原牧子議員
では、通告に基づきまして質問をさせていただきます。
1.軽井沢メガソーラー問題について
軽井沢メガソーラー問題は、事業者の一つであるトーエネック社が事業から撤退を表明して以降、全く動きが見えない状態であり、ID失効問題もはっきりしません。
どうなっているのかという住民の不安の声が上がっています。
つきましては、建設計画の現状を明らかにしていただきたいと思います。
それでは、質問いたします。
(1)現地での新たな動きはないのでしょうか?
例えば、環境影響評価のための調査活動は?
(2)トーエネック社が事業から撤退した後の状況をどう認識していますか?
(3)トーエネック社とブルーキャピタル社の裁判の現状はどうなっていますか?
(4)設備IDの失効問題はどうなっていますか?
2023年3月31日までに運転開始または系統連携工事の着工申し込みをしなければ失効しているはずですが、工事着工の申し込みはありましたか?
(5)新たな盛土規制法が令和5年5月26日から施行されているが、この法律に基づく県知事の新しい規制区域の指定などの動向はどうなっていますか?
(6)函南町として建設断念のための新たな行動計画はありますか?
建設経済部長
三原議員のご質問1の(1)についてお答えいたします。
現時点におきましては、事業者による軽井沢地区の事業地での新たな動きは確認できておりません。
また、林地開発審査基準に基づく河川管理者である町の確認や同意についての手続も行われておらず、林地開発許可に係る修正等の県への手続にも進展がないことを県に確認しているところです。
県にも進展があった場合には、情報共有を依頼しており、引き続きこの手続等の動向に注視してまいります。
また、環境影響評価につきましては、事業者による静岡県環境影響評価条例に基づく手続が継続されていることから、環境影響評価準備書の提出に向けた大気環境、水環境、生態系などの調査、予測及び評価を行う作業の進み具合は不明ではありますが、町としましては、環境影響評価準備書がいつ提出されても内容の確認等ができるよう、県、近隣自治体、町内関係各課と情報共有、情報交換を密にしながら対応していきたいと考えております。
続きまして、ご質問1の(2)についてお答えいたします。
株式会社トーエネックは、令和5年1月24日に軽井沢地区における太陽光発電事業について、事業実施の見通しが立っておらず、事業環境が計画策定時より厳しくなっていることを踏まえ、事業性を評価した結果、事業が困難と判断し、撤退を表明しているところですが、関係事業者である株式会社ブルーキャピタルマネージメントに関する撤退の動きというものは確認できておりません。
現時点におきましては、関係事業者であった株式会社トーエネックが事業から撤退し、既払い金返還請求に係る裁判にもなっていることから、株式会社ブルーキャピタルマネジメントにとりましては、事業を進めるための諸条件が厳しい状況となっているものと認識しており、膠着状態にあると考えております。
続きまして、ご質問1の(3)についてお答えいたします。
株式会社トーエネックは、令和5年4月28日に株式会社ブルーキャピタルマネージメントを提訴したことについては把握しているところですが、その後の進展につきましては、民間事業者同士の裁判であり、当庁は裁判の当事者ではないことから、その進捗についての情報は手に入りにくい状況にあります。
町としましても、この裁判の行方は重要なものであると認識しておりますので、引き続き裁判の状況を注視していきたいと考えております。
続きまして、ご質問1の(4)についてお答えいたします。
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に基づく設備IDについては、資源エネルギー庁のホームページを活用し、定期的に確認を行っておりますが、現時点では失効されていないことを確認しております。
なお、ご質問の系統連系工事着工の申し込みがなされたかについては、当庁に対して申し込むものではありませんので、町では把握しておりません。
また、設備IDの失効制度の中には、系統連係工事着工の申し込みが提出された場合であっても令和7年3月31日までに運転が開始されていない場合において、設備IDが失効する可能性もありますが、個別のIDがどの時点で失効となるかの情報については、町で入手することは困難ですので、引き続き資源エネルギー庁が公表する情報を注視していきたいと考えております。
続きまして、ご質問1の(5)についてお答えいたします。
新しい規制区域の指定につきましては、県が指定の検討を進めているところであり、政令指定都市を除く各市町の区域指定の案を作成するための基礎調査業務を実施しております。
先月、県に対して規制区域の指定に関する進捗状況を確認したところ、関係市町の意見を踏まえながら、規制区域の候補区域の設定を行っている状況であるとのことでした。
今後、県から関係市町へ基礎調査の結果の通知及び公表があり、令和7年度に県が公示、周知等を行う予定と伺っておりますが、町としましては、町内に数か所の不適切な盛土が存在していることから、できる限り法律による規制により不適切な盛り土が抑制されるように、規制区域の指定に当たっては、県に対し町の意見が反映されるよう働きかけていきたいと考えております。
続きまして、ご質問1の(6)についてお答えいたします。
本事業地において、大規模太陽光発電事業の林地開発許可がされている以上、設備IDの失効、また事業主体等に関係なく、大規模太陽光施設の建設は可能な状況にあります。
町では、これまで県に対し、林地開発許可の取り消しを含めた再審査の要望をしてまいりましたが、地域住民の生命財産を守り、安心して暮らせるよう、引き続き県に対して林地開発許可の取り消しを要望していくとともに、株式会社トーエネックと株式会社グループキャピタルマネジメントとの間での裁判の状況を注視しながら、これまでどおり不同意の姿勢を貫いてまいります。
以上です。
三原牧子議員
では再質問をさせていただきます。
まず、軽井沢メガソーラーの問題についてですけれども、その(1)環境影響の評価について、評価条例に基づく手続が継続されているということを今伺ったんですけれども、その根拠はどういうことでしょうか。
環境衛生課長
今回の環境影響評価につきましては、静岡県環境影響評価条例第29条に基づきまして、事業の廃止等をした場合、あるいはできなくなった場合等は知事に通知をしなければいけないこととなっております。
先ほど建設経済部長が答弁をいたしましたとおり、静岡県と定期的に本事業の進捗状況を確認している中で、事業廃止の情報等がないため、環境影響評価条例が継続されていると判断をしております。
以上です。
伊豆市と情報交換
三原牧子議員
はい、了解いたしました。
では、今、近隣自治体との情報共有とか、それから交換を密にして対応していきたいということもおっしゃっていたんですけれども、実際に定期的にミーティングなんかは行っておられるんでしょうか?
環境衛生課長
近隣自治体、これは同じような大規模太陽光発電事業の計画がある自治体として、伊豆市でございますが、それと静岡県につきましては、電話ではございますが、定期的に月に一回程度の情報交換を行っております。
以上です。
事業者が変更されても町は不同意
三原牧子議員
はい、了解いたしました。
では、次の質問ですけれども、(2)について。
株式会社ブルーキャピタルが単独で事業を進めるのが困難というふうにありますけれども、この会社のことですから、他の企業と手を結ぶこともあるのではないかと思うんですけども、そういう可能性についてはどう思われますでしょうか。
都市計画課長
ご質問の内容につきましては、事業者間における裁判の結果に左右されるものでも考えられますので、推測の域を出ないんですけれども、議員おっしゃるような可能性も考えられるところでございます。
仮に事業者が変更されたとしましても、事業自体に変更がないため、町といたしましては、今後もこの事業に対する不同意の姿勢に変わりはございません。
以上でございます。
三原牧子議員
はい、了解いたしました。
あと、次の質問ですけれども、先ほどおっしゃられた民間事業者同士の裁判とはいえですね、やはりこの争いの場所がこの函南町の場所にあるということで、この裁判のことに関して情報を入手ができないというのが本当にちょっとよくわからないんですけれども、ほかに何か詳しく手に入れる方法というものはないものでしょうか。
都市計画課長
このご質問につきましては、先ほど建設経済部長が答弁しましたとおりですね。裁判の行方に関しては、町といたしましても重要なものであるという認識は持っておるところでございますけれども、その裁判の状況につきましては、引き続き注視していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
三原牧子議員
引き続き注視をよろしくお願いいたします。
次の設備IDの失効問題ですけれども、私が理解していたのは3月31日、去年で終わるというふうに思っていたんですけれども、これが令和7年3月31日までに運転が開始されなければIDの失効の可能性があるということで、一応まだ生きているということは確認いたしました。
でも、このIDの失効の可能性があるっていうだけで、この失効イコール中止ということにはならないものなんでしょうか。
都市計画課長
この設備IDにつきましては、一定期間、固定価格での買取を担保するものでございまして、林地開発が既に許可されております。
FIT固定買取価格ですけれども、FITによらない売電も考えられますことから、設備IDの失効が直ちに事業の中止に直結するというものではないというふうに考えております。
以上でございます。
三原牧子議員
はい、わかりました。
では、次の問題の盛土規制法についてですけれども。
新たな盛土規制法による規制区域の指定についてなんですけれども、現在、県が検討を進めているということを今考えましたけれども、これいつできるのでしょうか。
都市計画課長
先ほど建設経済部長の方から答弁させていただきましたけれども、先月ですね、県になりますけれども、電話で確認をしましたところですね。今現在、規制区域の案を作成中ということでございまして、町に対しては調査の結果通知及び公表がいつになるのかということにつきましては、現時点で具体的な日程を伝えられる段階ではないですということでお答えをいただいております。
で、またですね、規制につきましては不適切なものがある当町の状況も考慮をしていただきながら、町の意見が反映されるよう県へ働きかけていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
三原牧子議員
今まだ検討を進めている状況ということで、作成中ということを伺いましたけれども、やっぱりね、町内に10カ所もあるこの不適切な盛土というところもありますので、ここのところの台風とか、そういうもので大雨、土砂崩れ、本当に側の住民は生きた心地もしないと思うんですよね。
こういう被害を考えますと、やはりここは一刻も早く県に動いてもらいたい。その規制を強めてもらいたいと思いますので、強く言っていただきたいなと。ちょっといつできるかわからないということではなくて、細かにチェックを入れていただきたいなと思います。
函南町からの要望書に静岡県は無回答
三原牧子議員
次の質問に参ります。先ほどおっしゃいました林地開発許可の取り消しを毎年要望しているというふうに伺ったんですけれども、これは県の先ほどもちょっと伺いましたけど、対応の感触というものはいかがでしょうか。
都市計画課長
林地開発許可の取り消しの要望につきましては、文書でのやりとりを継続しておるところでございます。今年度につきましても、令和6年4月8日に要望書を県の方に提出しておりますけれども、現時点で県からの回答はまだ得られていない状況でございます。
で、これまでの経過の中ではですね、県から前向きな回答がございませんけれども、引き続き県に対する働きかけを継続していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
三原牧子議員
結構スローですよね、動きがね。
何かとても大きな問題だと思うんですけども、特にこの盛土の問題に関しては本当に切迫した問題だと思いますので、なかなか答えが返ってこないというのは伺いましたけれども、ちょっと強く言っていただきたいなと思います。
軽井沢のメガソーラー問題につきましては、もちろん町民も、それからこの町、そして函南町の議会、そして県議会もみんなで反対しているという同じスタンスであると確信しております。
そして、先ほども答弁で、やっぱり裁判の状況を注視しながら、不同意の姿勢を貫くという、この町からの力強い答弁もいただきましたので、やはりここのところは一緒に同じことを思っているわけですから、一体となって頑張っていきたいと思いますので、町の方も頑張ってください。
よろしくお願いいたします。以上です。