2023年2月1日、仁科町長と加藤議長らは県庁を訪問し、事業者が撤退の判断をするに至る契機として熱海市伊豆山での土石流災害を挙げており、これは森林法の許可要件を満たしていないことを認めているものとして県に対し林地開発許可の取り消しを求める要望書を提出しました。
(3月9日の函南町議会で古村高議員の質問に対しての答弁より)
函南町議会 令和5年3月定例会
3月9日、古村高議員「3.軽井沢メガソーラーに関する最新状況」の質疑部分
建設経済部長
古村議員のご質問の「3.軽井沢メガソーラーに関する最新状況」についてお答えいたします。
今年に入ってからの事業者の動きと町の対応につきまして、令和5年1月10日に株式会社トーエネック代表取締役社長が年の挨拶のため来庁し、その際事業についての考え方を説明したいと話がございました。
1月20日に株式会社トーエネック代表取締役社長が来庁し、熱海市伊豆山での土石流災害を受け、現在の事業環境を踏まえると事業の実現は困難であると考えている説明がございました。
1月24日に株式会社トーエネックは、軽井沢地区における事業計画について、現時点で事業実施の見通しが立っておらず、事業環境が計画策定時より厳しくなっていることを踏まえ、事業性を評価した結果、事業が困難と判断し、事業からの撤退と関係事業者にも撤退に向けた交渉を行っており、函南町での事業実現が困難であるとの理解を得られるよう交渉していくと発表いたしました。
この株式会社トーエネックの事業撤退の発表を受けまして、町長は「この事業は町として当初から不同意の事業であり、町民、町議会、県議会が一体となり、反対している事業である。町民の生活環境、自然環境に大きな影響を及ぼすとともに、災害発生のリスクを増大させ町民の生命財産を脅かす事業であることから、確実に撤退するとともに当事業地において同様の開発が行われないよう、株式会社トーエネック、株式会社ブルーキャピタルマネージメントの両事業者に対し、当該認定IDおよび林地開発許可を取り下げるよう要望する」とコメントを発表いたしました。
1月25日に町は株式会社トーエネックに対し認定されている設備IDの取り下げと、株式会社ブルーキャピタルマネージメントに事業を撤退するよう交渉し、社会的道義的責任を果たすよう要望書を提出いたしました。
また、株式会社ブルーキャピタルマネジメントに対しまして、林地開発許可及び環境影響評価の手続きを取り下げた上で、事業を撤回するよう要望書を提出いたしました。
2月1日に町長は議長、副議長と共に県庁を訪問し、株式会社トーエネックが事業からの撤退を発表したことを受け、事業の実現性、信頼性を欠き、事業者が撤退の判断をするに至る契機として熱海市伊豆山での土石流災害を挙げており、これは森林法の許可要件を満たしていないことを認めているものとして、県に対し林地開発許可の取り消しを求める要望書を提出いたしました。
次に県議会での状況ですが、令和5年2月定例会の代表質問において、林地開発許可申請書類の修正に係る県の審査状況と変更計画に対する審査方針についての説明がありました。
県は事業計画の変更について森林法第68条第2項に規定する森林法の施行に関する重要要件に該当するものと考え、変更計画の内容について森林審議会に諮問を行った上で、審査基準への適合を判断する方針として審査を進めていくと回答しております。
また、認定IDの取り消しに関する町の動きといたしまして、令和5年1月11日に町は一般送配電事業者に対し、軽井沢地区における大規模太陽光発電事業の系統連携工事着工申込書が提出された場合は、県議会において林地開発許可の取り消しを求める請願が令和4年12月21日に全会一致で採択されていること。調整池から町管理河川までの土地所有者の同意が確認できない状況にあること。町と河川協議が行われていないことにより、林地開発許可取得に疑義が生じている状況であるため、令和4年9月13日の依頼に引き続き慎重な判断をされるよう再依頼いたしました。
1月30日には、町は一般送配電事業者に対し、株式会社トーエネックの事業撤退により事業を取り巻く環境に大きな変化が生じたことから、軽井沢地区における大規模太陽光発電事業の系統連携工事着工申込書が提出された場合は受理しないよう改めて依頼をいたしました。
以上が、事業者の動きと県議会の状況及び町の対応でございます。
今後につきましては、株式会社トーエネックによる株式会社ブルーキャピタルマネージメントに対しての交渉の行方を注視していくとともに、議会、町民と一体となって可能な限りの対応に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
古村議員
大変詳しい説明ありがとうございます。
町や県議会は厳しく対応し、基本的にトーエネックの撤退発表はあったが、傘下のブルーキャピタルの撤退に繋げるためには林発取消が必須であることが確認できました。
2月1日付の町長や町議会議長が県知事宛てに出された要望書にもあるように、命の水を守るというリニア問題と同様に、命の山を守ることのために林発許可を取り消すことをぜひお願いしたいと思います。
現在、県の森林審議会でさらに詳しく審議され、年度末までに何か新たな動きがあるかもしれませんが、そこを期待しておきたいと思います。
では、次に移ります。
再質問11ですが、12月議会でも述べてきましたが、ブルーキャピタルの東電に対する系統連携工事着手届け出がこの3月31日までに提出されればですね。
これは令和7年3月31日から2年後ですね。運開期限が伸びますが、運開期限というのは運転開始期限であり、当然その1年以上前に工事着手しなければいけません。その要件にですね。工事着手の要件には、やはり環境アセスの方法書を提出しましたが、残りの準備書評価書の公告、縦覧、終了となっております。
ですから、これから約1年間の間に工事着手させないためには、環境アセスを終わらないことが必須です。
前回の方法書のときには1400通もの住民意見を反映した事業事が作った意見概要書だけを町や外部委託先の環境アセスメントセンターが参照して町長意見を作成されましたが、これだけでは不十分です。
つまり、事業者が住民意見をまとめたわけですから、そこには意見の抜けや歪曲があります。私の意見も入っていませんでした。
ここで提案ですが、半日でいいので意見概要書、ブルーキャピタルブルが作った意見概要書の前に住民と外部委託先、600万ぐらいの費用が予算化されてますから、そこに対して参加して意見を交換する場をつくっていただきたいと思います。
それをすることによってですね。町行政と外部委託先は従来以上に厳しく正確に住民意見を把握し、町長意見をまとめていただき、その後県の担当、課審査会委員とも厳しく打ち合わせ、県知事意見が出て、結果として工事着手を遅らせ令和7年3月31日までに事業者の運開期限が3年後終わるのようにすれば、同4年4月1日に自動的に認定IDを失効することを確認したいと思います。
認定IDが失効すれば、他の事業者が軽井沢メガが継承されても心配がなくなると思います。
ちょっと時間がありませんので、先に行きます。
手元に2月9日付の最新の認定失効制度の資料が資源エネルギー庁の資料がありますが、これによりますと2022年度、つまりこの間、3月31日までに総計6万2122件。合計6万6310メガワット。軽井沢メガが30メガですから、その200倍相当が失効見込みになってます。
この3月31日までに、日本全国でこれだけのIDが失効見込みになっています。
この認定ID失効制度がいかに重要であるかを示していると思います。
基本的に役に立たぬ過去のIDを取り消した後に、しっかりとした企業のしっかりとした新しい太陽光発電をつくるために新しいID、問題のない太陽光発電をつくるために、他の企業のIDをとらせることが目的であると思います。
以上で質問を終わりたいと思います。