今、メガソーラーで何が起こっているのか?(前半)

メガソーラー問題は一部の地域だけの問題ではありません。
いま全国に広がるメガソーラーの問題をやさしく解説。
(奈良県山添村馬尻山で開催された講演より)

(冒頭の約1分間は省略)

では、よろしくお願いします。
今、メガソーラーで何が起こっているか?太陽光発電は本当にエコか?ということでお話させていただきます。
実は私ね、もちろん原発反対でしてですね、風力発電とか太陽光発電は推進するべきものだと考えてました。
十数年前実は(しんいん?)風車だとか(しんいん?)ソーラーとかが流行りまして熱心に勧めてくれる九州から毎週の様にやってきましてやれと言うんですね。
そんないいものなのかと、真剣に検討しまいた。実は会社の設立まで考えたんですけども、真剣に検討いたしますと「ダメだこりゃ」という結論に至りました。そのへんのお話をさせていただければと思います。

それからですね。
そのへんの検討をずっとしましてとうとう本に書いちゃいました。
よろしければお買い求めください。

自然エネルギーの罠

■再エネ推進で結果的にCO2排出量が増える、グリーンパラドックス

まず、再エネ推進の目的ですけども、これは地球温暖化の防止のためです。
そのためにはCO2排出の削減が必要です。そのためには火力発電の削減が必要です。
ということで火力発電の代わりになるものを優遇して火力なみに安くして主力にしようと言うことで風力、太陽光、地熱なんかを推進しているわけですね。

それで電気料金ですけども、だいたいこんな感じでして、基本料金と電力料金これは使用量によって変わってまいります。
それと再生可能エネルギー発電促進賦課金というのがあります。
これがその再エネの電気代でして、実は電力会社は再エネにはひとつもお金を払ってないです。
太陽光発電とか風力発電からは高い目に電気を買って、それはそのまま私たち消費者に割り算されて加算されています。それが再エネ賦課金です。

こういう感じで再エネ賦課金というのがありまして、真ん中ぐらいにありますね。
ただこの再エネ賦課金、電気を大量に使う工場は免除されているんです。国際競争力の強化のためという名目なんですけども、調べてみますとなんと農協の加工場まで免除されているです。
ですから、私たち普通の市民が再エネ賦課金を分担して払っています。
電力会社は一切負担していない。
平均的な家庭ではだいたい年間1万円を超えてまいりました。

スペインではこれやりすぎまして、2013年に廃止になりました。国が財政危機に陥ってしまったんですね。
ドイツでは、やっぱり上がりすぎたんですけども日本よりはだいぶ安いです。
キロワット8.3円。日本では19円から40円です。
ドイツでもこれ上げすぎまして、主な会社がハンガリーとかポーランドとか周辺の電気代の安い国に引っ越してしまいました。
その引っ越された国の方では慌てまして原発を作ったり、石炭火力発電所を作ったりしています。
ですから、ドイツでは良くなったけども周辺諸国では悪くなった。
「グリーンパラドックス」と言われております。

実はこの電気料金の基本料金には原発の費用も含まれています。
これは若狭湾の美浜原発ですけども、現在ほとんど稼働しておりません。
ただ使用済み核燃料と、使用する予定だった核燃料が保管されていまして、そこはそれこそ10万年以上冷やし続けてないとだめなんでその冷やす費用がかなりいります。
それを私たちの電気料金が分担して払っているんです。
さらに福島原発の処理費用も上乗せしようということを政府は検討中です。

■必要なときに電気が作れない太陽光発電

で、太陽光発電ですね。これは沢山ある一例なんですけども、基本的に快晴の日の11時から13時まで、よく発電します。
それ以外の時間は発電はするんですけどもあまりしていません。それはそうですね。

実は電気というのは物質ではなくて現象でして、このようにしています。
消費量と発電量をほぼ同時同量、厳密には5〜3パーセント以内に維持しないと大停電を起こしてしまします。

ですからこのように私たちが朝起きて会社とか工場が動き出しますと発電を増やして、昼休みにはちょっと減らしまして、午後にはまた発電量を増やして工場や商店が閉まりますと減らしていきます。
ところが太陽光は11時から1時ぐらいまでで昼休みに発電量を減らしてくれませんので、ほぼ役に立たないと言えます。

■20年で確実に終了するメガソーラー事業

でメガソーラー事業。これ各地で非常に盛んですけども、これに関して注意すべきことがいくつかあります。

まず、公共事業ではなく、民間事業です。
ですから地域振興策、あるいは貢献を企業は言いますけども、実はそれは企業しだいでして、企業にはそんなことをする義務はないです。
で、20年で確実に終了します。つまりもう高い電気料金で買ってくれなくなるんですね。
ですから借地の場合、20年後、確実に地主に返ってまいります。

で、村とか市は固定資産税が入るという期待があるようですけども、実は固定資産税、再エネの発電所の場合には数年は減額なんです。ほぼ払わなくいいんです。
その後の分もですね、増えた分は地方交付税交付金で減らされます。それを払っていない自治体は単に利益になるんですけども、三重県でいいますと朝日町とか川越町とかふたつぐらいです。山添村は地方交付税交付金、絶対受けていると思います。

事業税も入ると言われてますけど、それは事業所ができた場合なんです。休憩所ぐらいではダメです。事業所でないとダメです。
結局、山添村にとってはプラスマイナスゼロか、まぁちょっと増えるかなというぐらいになると思います。

■経産省の「認証」に強制力は無い

よく事業者は「経産省の許可を得た」と言います。ここもそのようです。
しかし、「許可」では無いんです、単なる「認証」なんです。
実は計画が規格にあっているかどうかの確認をしただけです。
規格に合っていない確認で申請に出すなんてまず無いです。ほぼめくら判と言ってもいいです。

この認証にはですね、地元同意とか環境影響はまったく関係ないです。
単に機械的に認証が下ります。
ですから、まったく他人の土地に計画を立てて経産省に申請しても、これは下りるんです。規格どおりなら。
ところが業者は許可を得て、何か強制力があるかのような錯覚をどうも狙っている業者もあります。
ということで国、県、村、地方等も経産省の認証を得たからと言って協力する義務も何も無いんです。

環境影響評価というのもあります。
先ほどの原発とも同じでですね、これも一方通行の単なる手続きなんです。
環境省は許可を出したわけではないです。それに強制力も無いです。
これは順に手続きを踏めばいいだけなんですね。

国、県、村、住民は意見は求められますけども基本的には助言をするだけでして、その意見を採用するかどうかは事業者しだいなんです。
業者は許可を得て強制力があるかのような錯覚を狙っていろいろ言います。
これに対しても住民は協力する義務などは一切無いです。

■地主のメリット・デメリット

メガソーラーが来た場合の地主のメリットですね。
借地料は入るはず、実はこれ「かもしれない」です。貰えない例が急増しています。
実はこれ契約しだいでして、利益が出たら払うということになりますと、20年経っても出なかったとされる場合も結構あるようです。
あと、メンテナンスの仕事が貰える、これも「かもしれない」なんです。
大抵はその系列会社からの孫請けで草刈りぐらいなんですけども、それすらもくれない場合もあるようです。

デメリット。
この事業を中止したり中断したり終了した場合には保証が無いことが多いです。
土砂崩れなんかがあってもそのまま中断して返される場合も結構増えてます。
土地を売ってしまった場合は、今度はどこに転売されるか。最大で20年で終わりですから、その先どうなるかという問題が出てきます。

その後、産廃とか除染残土の捨て場になる危険性もあります。
福島第一原発の除染残土ですね。あれは国は無害だと認めてしまいましたので、もうどこに埋められても文句は言えないわけです。
その埋める先もまだ決まっていないですね。

■出資金1円の合同会社

この事業をする会社が「合同会社 山・添」というそうです。
この「特別目的会社」「合同会社」とは何かと言いますと、実は事業者と投資家には圧倒的に有利な会社の仕組みです。
設立と解散が簡単で、融資と債権を集めやすいです。
そして倒産した場合には出資金のみの責任で良いです。
つまり、出資金だけ負担してサヨナラしてもいいんです。

出資金が1円という例。これは実は南山城村なんですけども、ファーストソーラージャパンです。
ですから、事業に失敗したって1円払って逃げていいんです。で、この「1円とは何事か」と地元に怒られて、1万円に増やしましたけども、やはり1万円なんですね。

デメリット。これ地主とか地元には圧倒的に不利です。
倒産したり事故があった場合には簡単に撤退ができます。
で、撤退費用の供託などの対策指導をされても義務ではないので拒否しています。
南山城村の業者も三重県に撤退費用の供託を求められましたけども拒否しております。

こういった会社はどうやって資金調達するかといいますと、実はソーラーというのは担保価値ゼロとされています。20年で終わってしまいますからね。
ですから、銀行から借りるということは無くて、証券会社などを通じて多くの投資家から集めます。
つまりハイリスク・ハイリターンなんです。
証券会社を通じなくて集める場合もありまして、例えば外資系の会社ですと現場を見ずに日本の再エネだと言うだけで投資する会社が結構あるようです。

地主が村本総合開発という会社だそうですけども、なぜかこの「山・添」には入っていないんですね。
地主だから普通は入ると思うんですねどね。
それどころかその土地を「山・添」に売ろうとして清算人が置いてます。
つまり、村本建設の子会社の村本総合開発という地主は土地を売って精算しようとしているわけです。
よくわかりません。

■再エネは「エコ」ではなく「投機」

実は再エネというのは、再エネより投機という状況になっています。
これはテレビとかインターネットとかによく出てくるんですけども。土地や屋根のある人はお貸しください。土地も屋根も無い人はお金を貸してください。確実に儲けさせてあげます、というビジネスなんです。

特に遊休地はありませんかという電話が盛んに掛かってくるかと思います。
うちにもけっこう掛かってきます。
その実態ですけども、これは実は物件を持ち続けるよりも転売する方が儲かるという状況にあります。
かつてのゴルフ場会員権ですね。
というのは維持管理って結構大変なんですね。ということで事業者の新設と倒産が非常に多い現状があります。
バブル経済の時の土地転がしですね。ゴルフ場会員権商法に似た状態です。
それで村本総合開発も潰れたんですねどね。

それで既にこのバブルも弾けているという分析も日経新聞とかにもよく出てきます。
どの業者も「ブルーオーシャン」つまり、未開の大海原だと思ってメガソーラー事業に参入しました。
ところがみんなそう思って参入したので実態は「レットオーシャン」血で血を洗うようになっております。
そもそも再エネを優遇した目的は、技術革新で費用を安くして主力になるということだったんですけども、投機に終わっちゃって完全に失敗しております。

太陽光バブル崩壊、倒産も過去最高となっています。
日経新聞の分析によりますと「元々、経営不振だった工務店などが安易に手を出してうまく行かなかった例が多い」と言うことであります。
結局、安易な参入と安値競争の果に倒産が増えているという実態になっています。

■再エネ投資は儲かるか?

これは再エネ投資の会社の話でして、投資の不動産と太陽光発電を比べますと太陽光発電の方が圧倒的に儲かると書いてあるんですけども、儲かる理由をずっと詳しく読んでいきますと「不動産投資の投機の方がええわな」と普通は思うと思います。
特に天候に左右される。保険、草刈り、パワコンの故障など。これ実はかなり深刻な問題です。
そもそも他に担保価値が無い。非常に投資としてはリスクが大きすぎると思います。

太陽光発電を増やせば原発が減らせるという人がいます。
本当にそうでしょうか?というお話をしたいと思います。

現在、太陽光発電の発電量は原発の42基分と言われています。
実際、それぐらいの数があるんですね。
じゃあ原発42基がいらなくなったかというと、やっぱりダメなんです。
快晴のしかも昼間しか発電してくれませんから。
ということで太陽光発電で原発は減らせないんです。
というのは夏至前後の快晴の日の11時から13時までなんです。
夏至前後というのは日本ではだいたい梅雨時です。
まず快晴にはならないです。

ということで、太陽光や風力などの再エネを増やすためには安定した原発が不可欠である。
太陽光、風力が増える分には原発再稼働の妨げにはならない。ですから原発はもっと作ってほしいという論調が日経新聞とか産経新聞にはよく出てまいります。

■電気は安定供給が重要

実はこういう事を言うのは電気の必要性についての経済界と私たち一般人の誤解なんですね。
経済界は安定した電気が必要と言われているんです。ところが私たち一般人は量さえあればいいんじゃないかと思っているですね。
安定していないと何が起こるかといいますと、例えば四日市火力の事故なんですけども0.04秒の停電ではなく電圧低下が起こっただけで30の工場に影響が出て100億円の損害が出たという事故が実際に起きております。これ電圧がちょっと下がっただけなんですね。

ということで、太陽光が増えすぎて電気の質が悪くなって再エネ賦課金で電気代が上昇していると「どうしてくれるんだ」と経済界は言っているわけです。
ですから太陽光が増えるほど原発が必要になると。
実際、九州電力管内では増えすぎまして、一般家庭の電気のチラツキが問題になっています。
九州電力は「チラツキが気になるようでしたら電気を消しておいてください」と言っているんですけどもそれでは何の解決にもならないなと思います。
地熱とか中小水力であれば電力の安定供給は可能です。

■太陽光でCO2排出量を減らせるのか?

太陽光でCO2排出量を減らせるのかといいますと、実はこれ、ある連休の日の九州電力の発電ですけどもオレンジ色が太陽光です。
この日は休みの日ですので、夕方がピークなんですね。ところが太陽光は夕方には発電してくれない。当然、余るんです。余った分は揚水発電所というとことに回しています。

で、2時過ぎますと、太陽は急に陰ってきますので、火力発電所を急加速する必要があります。
それと10時過ぎて太陽光が発電しだしますと出力を落とします。その間を、いつ陰るかわからないから、火力発電所は蒸気を逃しながら待機しています。それは電力を減らしていないんですね。
ということで化石燃料の余分な消費ということになります。
アメリカやドイツでもこれが問題となっています。

揚水発電所。これはダムを2つ作って余った電気で夜中に下のダムの水を上に上げておいて、昼間電気が必要なときに上のダムの水を下のダムに落として発電するという装置です。
これ実は原発のための装置でして、なぜかと言いますと、原発でも出力調整はできるんですけども、やると原子炉の寿命が縮むのでやらないんですね。ですから電気は余るんです。
ですから原発とこの揚水発電所というのはセットになっています。

今、殆どこの揚水発電所は動いていないんです。九州電力だけはメガソーラーが増えすぎたので動いています。
ところが効率が30パーセントというむちゃくちゃ効率の悪い蓄電池に過ぎないです。

■31パーセントが休止中の火力発電所

そもそも実は現状で電気は不足していません。
これは中部電力の火力発電所のリストなんですけども、なぜか新潟県にも1つ持っています。
数えてみますと31パーセントが休止中です。なぜかと言いますと、今年で終わりなんですけども総括原価方式といいまして「発電所の建設費は全て電気料金に上乗せしてよろしい」という制度がありましたので、はっきり言って火力発電所を作りすぎたんです。関西電力も一緒です。

休止中の火力発電所がそうとうあります。
それにも関わらず原発も動かすと。余りまくりです。

これが三重県尾鷲の三田火力発電所ですけど今年で廃止です。原発1基分の発電量があるんですけどね。
理由は電気が売れないから。需要激減です。
人口が減少して電気の使用量が増えるわけないですよね。
水需要も一緒でして人口が減っているのに水需要もふけるわけがない。

今後とも電力需要は減っていきます。上の水色が電力需要です。
人口が減りますと工場も商店も減ります。
それで節電技術の進歩がものすごいんですね。
右の下のグラフはある冷蔵庫の10年前との比較なんですけども使用電力量が3分の1ぐらいになっています。だから冷蔵庫、洗濯機は買い換えないと損です。

ところが、発送電分離が来年からはじまりますので各電力会社が発電所をしかもよせばいいのに石炭火力をいっぱい駆け込みで作ったんですよ。
そこにメガソーラーも風力も作ったと。発電所は余りまくっています。どうするのかと、いうのが今後のかなり重要な課題となっています。

人口減少。これは今さら産んでも今後80年は絶対続きます。
産まなければもっと続くんですけども、まぁそんなこと言ってもしょうがないですね。

■危険な蓄電池

太陽光とか風力が不安定であれば、蓄電池に溜めておけばいいんじゃないのとうい話があります。
これが最も大容量ではないかと言われています、NAS電池という蓄電池なんです。
これは中でナトリウムと硫黄が300度から350度の温度で溶けています。
ですから、そこの温度で保っておく電気が使えないのです。
この温度ですから時々火災を起こします。
水を掛けたら爆発しますので、砂を掛けるしかないです。ですから砂山が常備されています。

それで風力発電とかメガソーラーに蓄電池を併設しない理由。
私がまだ太陽光とか風力に希望を持っていた時代にある火力発電所の技術者にお話を聞きました。
結論だけ言いますと「蓄電池と風力発電を併せて作るとだいたい6億円になります。ただ2000キロワット程度の電気なら火力発電なら私がスイッチを少しひねるだけで出せるんです。そんなムダなことを誰がしますか?」と。ごもっともなんです。

じゃあメガソーラーで水素作ったらいいんじゃないのという話もあります。
ただしこれは燃料電気というものが広く普及したらという話です。
圧縮水素って圧縮しにくいんです。超低温、超高圧でないと圧縮できないので、そのためのエネルギーってものすごくいるんですね。
これは名古屋の水素ステーションなんですけども、隔壁の厚さが50センチあります。
そして水素ですので、爆発してはいけなというので屋根がありません。
消火用のタンクローリー2台分の水が後ろに溜めてあります。先週行ったら鍵が掛かってましたけどね。
結局この水素電気自動車ってあんまり動いてないらしいです。
一時期、結構、自治体が買ったんですねどね。
ドイツではもうほとんど使っていないようです。

■災害時には使えない再エネ発電

ということで先日の北海道大停電の時ですね。風力もメガソーラーも停電で使えませんでした。
というのは風力発電所というのは、電気の力で強制的に風上に向けていないと発電できないんですね。
そもそもめったに吹かないぐらいの風が強くないとまともに発電できない。

メガソーラー、これは発電はできます。
ただパワーコンディショナーという装置で交流に変えないと送電できない。
そのパワーコンディショナーは普通の電気で動くんです。
停電するとどちらも動かないですね。

大型蓄電池は先ほど言いましたように、やっぱり電気がないと動かないです。
だから停電すると全部ダメなんです。

原発が動いていたら助かったんじゃないのという話もありますけども、実は原発も電気が無いと動かないです。あれ非常に沢山の電気を使う施設です。
というわけで、地球温暖化の防止になるかというと、ならないですね。
たまになる日と時間帯は無くはないけど全体としてはCO2排出力を増やしていると言わざるを得ない。太陽光と風力では基本的にならないですね。
地熱と中小水力ならできると思います。
バイオマスは使い方次第だと思います。

■有毒物質を含む太陽光パネル

近年、太陽光発電が増えましたけども、結構変なものもあります。
これ水田利用。下で水田をすると言うんですけども結局日陰ですので水田は育たずに他のシキミとか植えたんですけど育たずに。
草刈りが大変だとうことで羊を飼ったこともあったんですけでも、やっぱりうまく行かずに、今はもう看板も外して単なる更地になっています。
なぜか前に竹やぶがあるもんで太陽光発電を作っちゃったというところもあります。

それから水上というものありますけども。
塩分、波、錆、水垢、これどうするんだろう?こういう非常に困った問題もありますが、クリアできてないです。

これね、南山城村のファーストソーラージャパン。先ほどの出資金1円の会社ですけども、
カドニュウムテルル(カドミウムとテルル)どちらも超有毒物質です。
これは効率は非常に悪いんですけども、アメリカでも使えなくなって余りまくっているんですね。これを大量に使うという計画になっています。

メンテナンスは結構大変なんです。
結局、窓ガラスと一緒ですので拭かないとダメです。
これは拭く前と拭いた後の写真でPRの写真なんですけどね、非常に大変なんです。
当初はメンテナンスフリーと言われていたんですけども実は非常に効率が落ちるんですね。
で、汚れは極めて落ちにくい。高圧洗浄が必要になります。
ただその高圧洗浄に水道水を使うとすぐ拭かないとシリカスケールというのが付いて、よけい汚れるんです。ですから蒸留水を使う必要があるそうです。
ですから蒸留水で1件あたり200万円でやってあげましょうという業者の宣伝が盛んにあります。
メンテナンスフリーと言ってたはずなんですけどね。

これは太陽光パネル掃除ロボットです。
200万円以上します。斜めになっている太陽光パネルから落っこちないようにかなりの工夫をしたロボットだそうです。
で、電話で聞きました。「ところでこれって鳥の糞とか塩とか落とせますか?泥がこびり付いたら落とせますか?」と聞いたら「それは無理です」「じゃあ、何が落とせるですか?」「ホコリです」
じゃあ、これ200万円のハタキか?という話です。

■落ち葉で自然発火

当然、硬いものが当たったら割れるんです。
ゴルフボールが当たったら割れるし、カラスが石を落としたらやっぱり割れるんです。
こういう事故が頻繁に起こってます。

それで大量の除草剤が撒かれる場合もあります。
こういう風に草刈り機ですと、この下に電線といっぱいあって真ん中がなかなか刈れないですね。
ほっておきますと発電効率が悪くなってきますし、火を噴く場合もあります。
実は太陽光パネルと言いますのは、落ち葉とか鳥の糞が付いたまま長い間ほっておきますと、そこが局所的抵抗になって火を噴きます。自然発火します。
それが大規模に起こることがあります。

山倉ダム。千葉県です。
水上にあるのになぜ火災が起こったのかと言いますと、折り重なって抵抗けんができて。
基本的に光が当たると発電しますので、火を噴くんです。一旦発電を始めますと、水があると電気分解して水素作りますので余計燃えるんですね。

これは爆発事故です。
実はこれ造成したあとに伐採した木とか落ち葉を置いておいたらそこで腐ってメタンガスが発生して、それがこのパワーコンディショナーという装置に溜まって大爆発を起こした。

で、消火方法。
実は大変でしてですね。基本的に霧状にして注水する。
棒状って言って、普通に水を掛ける場合は6メートル以上離れること。
6メートル経ったら先の方は霧状になっているだろうといいますか。

(以下、後半につづく)

武田恵世氏プロフィール
1957年三重県伊賀市生まれ。大阪歯科大学卒業、歯学博士。大阪大学附属病院、天理病院をへて、三重県伊賀市上野桑町で歯科医院を開業。日本生態学会、日本鳥学会会員、伊賀市環境保全市民会議レッドデータブック作成委員会委員長、環境省希少動植物種保存推進員、三重県公共事業環境検討協議会委員、介護認定審査会委員、三重県レッドデータブック作成委員会委員など

 

今、メガソーラーで何が起こっているのか?(後半)

 

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