県の行政手続上の瑕疵はあきらか、それ自体が問題
2022年9月26日、静岡県議会において鈴木啓嗣議員(自民改革会議)は、一括質問方式で質問を行い、その5番目の項目として函南メガソーラーに関する質問を行いました。
鈴木啓嗣議員
函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可について伺います。
函南町軽井沢地区における大規模太陽光発電所の建設に伴う県の林地開発許可の検証を求める請願が6月定例会において全会一致で採択されました。
我が会派では請願に先立ち、一連の行政対応を検証するプロジェクトチームを設置し、この問題について独自に検証を行ってきたところであり、町民の皆様の不安解消に向け、全力でこの問題に向き合っております。
森林法に基づく林地開発許可については、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全という4要件を満たすことが求められており、県は全てについて問題ないとの判断を示しています。
一方で、6月定例会における産業委員会での質疑において、当局からの許可当局から許可の際に必要とされる。河川管理者との調整について、事業者による県管理河川の調査が十分されなかったとの答弁がありました。
これは林地開発許可を行う上での要件が満たされているかが明確でないにもかかわらず、県が許可したということであり、大きな問題であると考えます。
知事は7月の定例記者会見において、林地開発について要件を満たしていれば許可せざるを得ないと述べられていますが、河川管理者との調整が十分なされておらず、そもそも要件を満たしているかが不明確な中で許可をしたことは、県の行政手続上、瑕疵があったと言わざるを得ず、その手続自体が問題ではないでしょうか。
そこで、改めて函南太陽光発電事業計画における林地開発行為について許可するべきではなかったにもかかわらず、許可したことについてどのように考えているのか。
また、河川管理者との調整が未了であるという事実を踏まえ、今後どのように対応していくのか、県の見解を伺います。
県当局「現時点では許可の取り消しには至らない」
櫻井農林水産担当部長
函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可についてお答えいたします。
林地開発許可におきましては、水害を防止するための洪水調整地の設計に当たり、審査基準に基づき、事業者は河川管理者と調整を行う必要があります。
本案件に関して、県森林部局は事業者が作成した県河川管理者との協議簿の確認をもって調整が整ったと判断し、法令等に基づき許可したものであります。
しかしながら、許可後、事業者と県河川管理者との間で協議内容の認識に相違があったことが判明したため、県として再度調整が必要であると判断をいたしました。
また、修正区域等の誤りがあることも判明したため、事業者は申請書類の訂正を申し出ており、改めて県河川管理者との調整を進めております。
現在、事業者からは計画内容に関する訂正書類が順次提出されておりますので、審査基準等にのっとり慎重に審査を行うとともに、事業者に対しては計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで、開発行為に着手しないよう指導を徹底しております。
なお、本案件につきましては、事業者が不正な手段により許可を受けようとしての意図は認められないと考えております。
また、工事が着手前であって、事業者が訂正の意向を示しており、申請書類を訂正し事業計画を見直すことで水害を防止できるものと考えております。
(場内ざわつき)
よって、現時点では許可の取り消しには至らないと認識をしております。
県といたしましては、本事業計画につきまして、引き続き法令等にのっとり、適切に対応してまいります。
徹底した議論をしていく
鈴木啓嗣議員
函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可について要望を申し上げます。
これは質問でも申し上げましたとおり、今回の林地開発許可これにつきましては、その許可に必要な要件が満たされているかどうか。これが明確でない。こういった状態にもかかわらず、許可をされている。
こういったことが問題であって、県の許可手続。これに瑕疵があったということは明らかであると考えております。
そして林地開発許可これに当たりましては、県の河川管理者である交通基盤部。
ここに確認をすれば、事業者との調整状況。これはわかるはずです。
その確認を怠って許可をして、その上でそれを追認するために改めて河川協議を行って事業者に申請書類を提出させる。
こういった県の対応、これは適切とは言えないのではないでしょうか。
(会場から、そうだ、そのとおりだ)
また、御答弁にありました。事業者が作成した協議簿。これにおきましても、協議内容の認識に相違点があるなど、事業者側の申請書類これも杜撰であったと考えられます。
こうした状況から今回の事案。これは県の許認可事務全体への信頼を揺るがしかねない大変ゆゆしき問題であると言わざるを得ません。
(会場から、そうだ)
我が会派としましても、これまで明らかになっております。さまざまな問題点。
これをしっかりと踏まえまして、常任委員会において徹底した議論をしていきたいと考えております。
当局におかれましても、県の体裁。こういったものにとらわれることなく、ぜひ公平な立場で対応を再検討いただくよう強く要望を申し上げます。