ふじのくに県民クラブ「熱函PT」中間報告

函南町メガソーラーの問題に取り組む、ふじのくに県民クラブの熱函プロジェクトのリーダーである廣田直美議員からの報告です。

熱函PTは、函南太陽光発電事業と熱海土石流について、調査研究し、県政に反映するべく立ち上げました。

函南太陽光発電についての活動は、地域の皆さまのご協力を得て、ZOOM会議と現地視察を実施しました。同時進行で、「(仮称)函南太陽光発電事業計画の林地開発行為の許可について県議会の検証を求める請願書」が全会一致で採択されたことにより、産業委員会での集中審査を実施することになったため、本集中審査に注力し、問題を明らかにし、その問題解決に向け、努力する方針としました。

この集中審査で、明らかになった大きな問題点を取り上げます。

1.町河川管理者との河川協議について

町河川管理者は、放流先である普通河川赤沢川、普通河川名賀田川(丹那沢)の河川協議は整ってなく、管理者として同意していないとしています。これに対して県は、町の事業者の協議記録が提出されていて、図面等で事業者と町が協議した結果が報告されている。森林部局の担当者が直接、町の担当者に確認した事実がある。公文書として、町への意見照会において、河川協議について触れられていない記録がある。令和元年6月町議会で、技術基準を満たす排水計画となっていると答弁されている、このようなことから、町と事業者で協議されたと判断した。

*納得できる答弁ではありません。しかし、正しい判断の元、町との協議は整っていると認識しているとの答弁を繰り返し、議論は平行線です。

2.県河川管理者との河川協議ついて

事業者は、県河川管理者と「林地開発許可申請に係る河川管理者との調整」について、協議、調整したと認識していました。
一方、県河川管理者の沼津土木事務所は、事業者から委託を受けた設計事業者が、土木事務所の窓口に相談に来た際に、町管理区間の資料を提示されたため、河川占用協議と捉え、「放流先が、町管理区域内であり、県管理河川ではないため、河川法第24条の河川占用許可及び第26条の工作物の新築等の許可の協議は不要である。」と回答していたのです。
県森林保全課は、事業者が作成した協議簿の内容を確認した際、沼津土木事務所の担当者から、「丹那沢については、砂防指定地に手を付けなければ問題ない。」「柿沢川については、役場の指導により調整池を設置し、排水量を絞って放流するのであれば、今以上に流量が増えるわけではないので問題ない。」と言われたため、林地開発許可申請に係る柿沢川の河川狭窄部の選定は不要と判断していました。
これらから、県河川管理者として、調整が整ったとは言い難い状態を認めています。

*問題点です。県河川管理者との調整は、許可において重要な要件です。その要件が満たされていません。

3.集水区域の誤りについて

令和元年7月8日、林地開発許可がされました。令和2年10月から11月に開催された住民説明会において、どちらが正しいのか確認して報告するように指導した結果、令和3年3月19日、事業者から報告がり、「集水区域の誤り」が確認されました。
これに対して、県は「概要を見る限り訂正できると考えている。しかし、この状態で事業を開始すると影響があるので、事業者が訂正を完了とし、県が林地開発審査基準に適合していることを確認するまで、開発行為に着手しないように指導する。」としています。

*問題点です。許可において重要な要件である林地開発審査基準に適合しているとは確認できていない状態であるということです。

*森林法における許可の4要件に関する需要な審査基準です。その審査基準に適合しているかを判断することを訂正とするのは理解できません。問題点と指摘している事項は、許可事項の変更の一つである、調整池等の防災計画を変更するときに該当し、変更許可申請が必要であると考えています。

4.許可の取り消し又は停止について

県河川管理者との河川協議は許可要件にも関わらず満たされていない。集水区域は、許可要件にも関わらず、許可基準に適合しているとは確認できていない状態であることは、許可の効力を維持した状態は適切でないことから、許可の取り消し又は停止する判断を求めましたが、県は訂正処理とし、「林野庁に確認したところ、一般論でいうと、許可取り消しは非常に重い不利益処分になること、申請書類に重大な瑕疵があるかどうか慎重に判断する必要があるとのことだった。相当悪質な場合は取り消しが可能かもしれないが、通常は行政指導で誤りを訂正していくのが全国的なケースとのこと。県は訂正を速やかに行うように行政指導を行い、事業者も指導に従い訂正の準備をしているため、この指導で進めるということは妥当だと考える。としています。

*許可の重要要件が満たされいない事実と、許可基準に適合しているかを確認できない状態にもかかわらず、行政指導とする判断に納得できません。

以上から、今までの事業者の対応や、県が行政指導で対応していくとの集中審査での答弁に納得できないことから、12月議会にて、改め、質問します。

林地開発許可以外も含めて、県ができることがあると考えています。皆さまの思いに答えられるように努力し続けます。