2023年2月17日、静岡県議会に於いて中田次城議員(自民改革会議)は、函南メガソーラーに対する県の今後の対応について質問しました。
中田次城議員
次に函南太陽光発電事業計画にかかわる林地開発許可についてお伺いをいたします。
我が会派は函南町の住民団体から提出されました「(仮称)函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可の検証を求める請願」を受け、県議会本会議における質疑や産業委員会の集中調査等により問題点を明らかにしてまいりました。
その結果、本事業の林地開発の許可申請時点においても、現時点においても県が定めた審査基準を満たしていることが確認できないという審査上の瑕疵があるとの結論に至り、林地開発許可の取り消しを求める請願が本会議において全会一致で採択されたところであります。
また、先月24日には発電事業者から「本事業計画からの撤退を決議した。現在、関係事業者とも撤退に向けた交渉を行っている」とのプレスリリースが行われるなど、新たな動きも出ていますが、昨年12月定例会における我が会派の代表質問に対し「許可後事業者から集水区域の誤り等の報告があったことから、事業者に対しては計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで工事に着手しないよう指導を徹底している。事業者が提訴の意向を示しており、事業計画を見直すものと考えている」との答弁がされております。
県が頑なに林地開発許可の取り消しは行わず、変更手続で対応する方針を示したことには誠に残念ではありますが、仮に取り消しを行わないとすれば、林地開発許可の取り消しを求める請願の趣旨や県森林審議会後に申請内容の修正が生じていることを踏まえ、変更計画について県森林審議会等で審議するなど、新規許可と同様に慎重に品質審査する必要があると考えております。
このような状況を踏まえて、林地開発許可申請書類の修正に係る県の審査状況と変更計画に対する審査方針について県の見解をお伺いいたします。
櫻井農林水産担当部長
(仮称)函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可についてお答えいたします。
本事業計画につきましては、県は地域住民の皆様の災害に対する不安や懸念を真摯に受けとめ、土砂流出の防止対策に万全を期すことなどの条件を付して許可を行っており、事業者に対してはこの遵守を厳正に指導しております。
申請書類の修正に係る審査につきましては、まずは事業者が集水区域や河川流下能力の調査を行い、開発行為による影響を最も強く受ける河川の狭窄部の選定等について、河川管理者の同意を得る必要があります。
その上で事業者が修正した計画内容等について、県が森林法の許可基準、審査基準に適合するかを審査することとなります。
現在、事業者は狭窄部の選定作業を行っておりますが、現時点では県による計画内容等の審査には至っていない状況にあります。
引き続き事業者に対して計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで開発行為に着手しないよう指導を徹底してまいります。
事業計画に対する審査方針につきましては、地域住民の皆様から林地開発許可の取り消しを求める請願が提出され、本会議において採択されている状況を踏まえますと本事業計画の変更については、森林法第68条第2項に規定する森林法の施行に関する重要事項に該当するものと考えております。
このため、今後は法令等に基づき、変更計画の内容について森林審議会に諮問を行った上で、審査基準への適合を判断する方針として審査を進めてまいります。
県といたしましては、地域住民の皆様の不安や懸念、請願を重く受けとめ、引き続き法令等に基づき厳正かつ慎重に対応してまいります。