集中審査会議録(1)

函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査

これは静岡県が公開する委員会会議録を基に当サイトが独自の編集を加えたものです。
オリジナルの会議録は静岡県公式ホームページをご覧ください。

静岡県公式ホームページ委員会会議録

令和4年9月定例会産業委員会(2022/10/06)

木内委員長

ただいまから委員会を再開いたします。
ここで、議事運営についてお願いいたします。
集中調査の質問時間について、調査を尽くす必要があるため委員1人当たりの質問時間を特に設けないこと、また自分の質問順番でなくても関連した内容で質問可能とすることと決定されました。
なお、質問委員と答弁者は項目を整理して要領よく簡潔明瞭に発言するようお願いいたします。
また、発言は全員がよく聞き取れるように大きな声ではっきりと分かりやすく願います。
質問を開始する冒頭には、必ず御自分の質問方式を告げるようにお願いいたします。
次に、函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査の説明者につきましては、お手元に配付しました座席表のとおりでありますので御了承願います。
また、説明者が発言する場合には挙手をして職名及び氏名を告げ、私の指名を受けてから発言願います。
傍聴人の方に申し上げます。
傍聴書の裏面の記載事項をよく守って、静粛に傍聴されるようお願いいたします。

これより函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査を行います。
初めに、当局から説明があります。

増田経済産業部長

今回の函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査につきましては、委員長から御指示のありました林地開発許可のフロー図、関係法令の資料など3冊のファイルを準備させていただきました。御審査のほど、よろしくお願いします。

木内委員長

以上で説明は終わりました。
これから質問に入ります。
では、発言願います。

森林法の4要件
災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全

野崎委員

分割質問方式で質問させていただきます。
今回の集中調査は、6月定例会に提出されました函南太陽光発電事業計画の林地開発行為の許可について県議会での検証を求める請願に基づいて開催されるものであります。
その請願の中では、当該計画をめぐっては森林法の4要件に照らし問題ないとする県の見解に対する疑問、許可手続に関する地元住民及び函南町との協議において県の見解と地元住民及び函南町の見解が相入れない状況にあり、当該計画の林地開発行為が適切な判断と手続の下に許可されたのかという疑義が払拭されないと感じている。つきましては県議会の開かれた場で当該計画における林地開発許可の判断及び手続に対し検証を行い、様々な疑問を公の場で明らかにしていただきたいと切にお願いする次第ですという内容でございます。
これに基づいて質問させていただきます。

まず、追加資料の1番です。
開発行為許可に関する事務取扱いについての4ページ目になりますが、いわゆる森林法に基づく4要件が記載されております。4要件のアは土砂の流出または崩壊、その他災害を発生するおそれがあること。イは水害を発生させるおそれがあること。ウは水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること。そしてエとして当該森林周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあることとあります。この4要件のおそれがなければ、許可してもよいことになり、これに該当すれば許可をしてはいけないという解釈でよろしいのか、まず伺いたいと思います。

大川井森林保全課長

森林法第10条第1項につきましては、5番委員が質問されました4要件に支障がなければ、許可しなければならないと定められております。

野崎委員

4要件に当てはまらなければ許可しなければないとので、4要件に当てはまった場合は許可しちゃいけないという解釈でよろしいですかと聞いているんです。

大川井森林保全課長

5番委員がおっしゃるとおりでございます。

森林法は開発をする方向でつくられた法律なのか?

野崎委員

では伺いますが、今年の7月26日、知事の定例記者会見だったと思いますけども記者の方が、町民の多くはこの林地開発許可の取消しを望んでいるんですが取消しの可能性はまずあるんでしょうかという質問を知事にしております。すると知事は、これは法律にのっとって要件を満たしていれば許可せざるを得ないという非常に苦しいところであります、林地を開発する方向で作られた法令ですからねと言ってるんです。林地開発をする方向でつくられた法律だという認識は正しいんでしょうか。

浅井森林・林業局長

林地開発許可制度の考え方についてお答えいたします。
林地開発許可制度は、森林が現に有している公益的機能――水を育む力であるとか土砂を防ぐ力といった森林の有している公益的機能を確保することを目的に創設したものであります。
一方で、この許可制度ができた背景には、国土の利用が進む中で、今申し上げたような森林の公益的機能が民間の経済行為の中で損なわれるおそれがあるので森林を適正に利用していただくという前提の下に制度が設けられています。逆説的に言えば、そういった公益的機能が確保される開発であれば、開発をしていただくということで知事は、そのようなことを申し上げたと認識しております。

野崎委員

認識にちょっとこだわりたいんです。
知事は開発をする方向でつくられた法律という認識で言ってるんです。多分知事にレクチャーをしているのは皆さんだと思うんです。皆さんが実際の手続をやっていくんであって、もう1回確認しますけれども、開発をする方向でつくられた法令であるとの認識はないということでいいですか。

浅井森林・林業局長

森林の利用といった場合、不適正なものがあると思うんですが、適正に利用していただくといった意味で制度を設けておりますので、適正な利用を促す、民間にお願いする制度になっております。

野崎委員

ちょっと聞き方を変えます。
この文章は、平成14年に通知が来ているかと思うんですが、その1年ほど前に違法な開発行為等への対応への徹底ということで平成13年9月11日付、13林整地第1197号の通知では林業基本法が森林林業基本法へ改正されるとともに森林法の改正も行われ、これまでの木材生産を主体とした政策を抜本的に見直し森林の多様な機能の持続的な発揮を図る政策へ転換をされたところであり、森林の有する公益的機能を保全するように、要開発行為を適正化する林地開発許可制度の重要性はますます高まっていると通知しているんです。
つまり、これに基づいて保全とか、いろんなものに政策転換を図りながら、林地開発は許可しても厳しくしっかりと点検しながらしなさいと言っていると思うんですが、その点についての認識はよろしいですか。

浅井森林・林業局長

開発をする中で、やっぱり森林の公益的機能との両立を図っていかなければいけないということで、そういった項目がうたわれていると認識しております。

野崎委員

それではこの4要件であったり、手続上問題があった検証作業の中で発覚し見つかった場合、どうされるのか見解を伺います。

浅井森林・林業局長

この4項目は非常に重要な項目だと私も認識しております。開発行為をやる中で、どうしても4項目の支障が取り除けないというような状況がもしあるならば、今申し上げた適正利用が達成できないものについても検討する必要があるとは考えております。そういった条件付で考えております。

野崎委員

もう1個伺います。取り除けないと今御答弁されましたけど、取り除けないのが申請時に分かっていたとしたら許可すべきではないという理解でよろしいですか。

浅井森林・林業局長

申請の段階で4項目の支障が開発計画では取り除けないのであれば、県としては許可する判断はできないと考えています。

参考記事
川勝知事「本当に瑕疵があったのか、おのずと明らかになるだろう」


証明できない災害が起こらない根拠

野崎委員

それでは、中身に入ってまいりたいと思います。
申請までの経過の中で、この4要件に不備があったとするならば許可すべきではないと答弁を頂きましたので、それによってお話をさせていただきたいと思います。

それでは、この項目に基づいてAの資料の4040ページから、函南町から県に様々な要望が出されている文章が連なってありますけれども、一番最初の項目で言う土砂の流出または崩壊、その他災害を発生させるおそれがないこと。この要件に当てはまらないという判断で許可をされたと思うんですが、函南町からどういうことが述べられているかというと4040ページの項目2です。

本事業は、昭和5年11月26日に北伊豆地震を引き起こした丹那断層群の直上に埋立て盛土及び調整池を計画するものであり、同様の地震が発生した場合の被害は計り知れません。また平成10年8月30日の豪雨災害では2名の方が亡くなる人的被害も発生し、最近では令和元年10月12日の令和元年東日本台風第19号でも昭和33年の狩野川台風時に匹敵する記録的な大雨となり、これらの災害から当町や狩野川中流域の伊豆の国市では床上浸水等の被害が発生し、災害救助法の適用を受け激甚災害に指定されました。

ここに書いてありますけれども、当局の認識ではこの地域は災害が起こりにくい。現状でもこういった災害が起きる。その上にさらに開発をしたらもっと大きな災害が起きるではないかということを予想できないのか予想できたのか。できない、災害が起こらないというなら、その証明をしていただきたいと思います。

大川井森林保全課長

ただいま5番委員から御説明がありました4040ページから4041ページの災害につきましては、こういったことがあったことは分かるのですが、今後これと同様のものが起こるかどうかについては、はっきりと申し上げることはできないと思います。

開発してもしなくても防げない災害なら開発してもいい?

野崎委員

起こるとは申し上げられないのは分かりますけれども、そのおそれはないと判断できた理由を教えてください。

大川井森林保全課長

ただいま5番委員がおっしゃられているのは、開発を行った場合ということでよろしいでしょうか。

野崎委員

今、開発が行われていない状況でこういう災害が過去に起きているんです。開発をすれば、さらに災害が起こりやすくなると思うんです。
しかしながら県の考え方としては、過去にこういう災害があっても、この地域には災害は起こりません、当てはまりません、おそれはありませんという見解になったわけでしょう。でしたら、そのおそれはないという見解について、どういうことからそれが証明されるのかお答え頂きたいと思います。

大川井森林保全課長

今後のことについては、必ずしも災害が起こらない、現状の森林で起こらないと保障することはできませんけれども、この開発について、林地開発の考え方としましては、開発地の森林の現に有する水害の防止機能から見て、同等の機能を有する林地開発の洪水調整池ですとか代替する施設を造ることによって現に有する森林の機能を保持する考え方でございます。

野崎委員

申請時には、この災害を防ぐ手だてが全て整っていたと判断して、この1番には当てはまらないという考え方に至ったんでしょうか。確認いたします。

大川井森林保全課長

申請時の書類を確認しまして、そのときはこの災害防止の機能は、その開発の計画で担保できるので許可いたしました。

野崎委員

もう一度伺いますけれども、現状何にもしていないときにこれだけの災害が起きていて、開発したらもっと大きな災害が起こるという予想はできず、それを防ぐ様々な防止の計画が盛り込まれ、しっかりと行われることが担保されると見込んで許可を出したのか確認します。

浅井森林・林業局長

先日の台風第15号もそうですが、非常に異常な降雨が降った際には我々も予想できないような大きな崩落等が発生すると、改めて自然災害の強さを認識したところです。
一方で、先ほど申し上げたように林地開発許可制度で対象としているのは、森林が現に有している、水が一遍に出てくるのを抑える機能や、表面の土砂が流れるのを根株などで抑えるといった森林の公益的機能の中で、自然災害の中で果たす役割の部分は、全てを森林が守れるわけではないですから、その森林が、今現に守っているその力、それを開発で失われたものを、今、大川井森林保全課長が言ったような、例えば水害防止のためのダムとか、土砂が流れるのを抑える擁壁のようなものを開発者さんに造っていただいてその森林の持っていた抑える力を元に戻す。
開発前と同じ状態まで代替していただくことを審査の中で確認しまして、この開発については、開発したことで公益機能を損なうことがないと確認する考え方で、制度と審査をしているところです。

野崎委員

同じことの繰り返しになりそうなので確認しておきます。まず1点は、今、何もやらなくても災害が起きたことに関して、今もそこの地域は災害の起こるおそれが現状でもないし、開発行為をしても起こらない、防げるという認識であるのかについて確認しておきます。

浅井森林・林業局長

現在のこの災害――強い雨とか、台風の状況下では、この地が、特定の地域でなくても県下全域で何らかの災害のリスクはないとは言えない状況だと考えております。

野崎委員

ここはないのかと聞いているんです。ここはないって言い切れるのか。追々、またいろんな資料が出てくると思いますけども、まずここでないと言い切るのか、もしかしたらあったかもしれないと思っているのか、どっちなのかを確認したいので、もう一度御答弁頂きたいです。

浅井森林・林業局長

開発行為ではなくて、自然災害ではこの開発地、対象地においても一定の災害リスクはあると認識しています。

災害の恐れがあると認識した上でなぜ許可したのか?

中田委員

今の5番委員の質問に関連して聞きますが、許可の審査をしている段階で、今5番委員が指摘されたような事実関係を当局は認識していたのかどうなのかについて、御答弁頂ければと思います。

浅井森林・林業局長

審査のときの認識ですけれども、県内あちこちでこういった林地開発許可の審査をするに当たりまして、ここがほかに比べて飛び抜けて特別自然災害の比率が高いという認識でいたかということは、正直、確定的なことは申し上げられません。

中田委員

今、5番委員が函南町の意見を朗読された。これは許可後になりますが、函南町の御意見がこういう事実をつまびらかにした。ほかの地域はどうだっていい。許可権者として同じように認識していたかどうかを聞きたいんです。

浅井森林・林業局長

住民の方の声ですとか、町からの要望書の中にも、先ほど5番委員から御紹介がありました台風時の氾濫といった記載があって、我々も文書で見ていますので、そういった地域であることは認識しております。

野崎委員

恐れがあるって認識してるわけです。でも何で許可が出ちゃったのかなと思いますけれども、おそれがあるという認識はあったということでいいのか、もう一度お願いします。

浅井森林・林業局長

自然災害によるおそれは、当然ゼロということはないもんですから、そのおそれはあるのかないのか、そういった認識があったのかないのかといえば、当然、一般論ですけれどもどの地域も完璧ということはないので、おそれは認識していましたが、開発に伴ってそういった森林の機能が損なわれて災害のおそれが出るという――開発に伴った災害のおそれは認識しておりません。

野崎委員

また、多分似たような事柄も後々出てくると思います。でも今の答弁は、すごい大雨が降っちゃったけど、どこでも起こるかもしれないから、そこまでは面倒見きれませんみたいにも聞こえたんです。
何のために危機管理部門があったり、河川のしゅんせつをやったり護岸整備をやったりするのか、全て災害を防ぐためにやっているわけです。
そんなものはどこだって起こっちゃうかもしれないという答弁は非常に不適切と思いますので意見を言っておきます。

事業地は水源保護地域

野崎委員

次に、水害もありますので水の涵養についてお伺いしたいと思います。
これについては函南町の要望ですけれども、説明資料Aの4042ページの上から3行目になりますが、本事業区域の下流に位置する丹那トンネル及び新丹那トンネルの地下湧水は函南町営水道事業の水源として使用しており、本事業の実施区域は函南町水道水源保護条例の水源保護地域にも指定されており、生活に必要な飲料水の水量等に影響を及ぼす可能性があります。

また事業地の下流域における丹那には、丹那盆地が広がり、事業地を含めた流域から流れた水は一級河川柿沢川から農業用水としてくみ上げ地域の稲作に利用しております。森林の保水力の低下により水源の確保について少なからず影響を及ぼしかねませんという記述があります。

まず、この水の涵養について、こういった地域であるという特性を認識しておられたのかおられないのか伺います。

大川井森林保全課長

森林法では、水の確保に著しい支障を及ぼす場合を除き許可しなければならないとされております。審査では、事業区域内及び隣接地に取水施設やかんがい施設がないことを確認し、水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがある場合に該当するとは言えないと判断いたしました。

野崎委員

リニアの場合と随分違う判断だと思います。
その支障がないという根拠を聞かせていただきたいと思います。

大川井森林保全課長

先ほど来、5番委員から質問があります、令和3年の6月1日の函南町の文書にはこのように書かれているんですが、許可当時我々も函南町に確認しておりまして、その結果許可したということでございます。

野崎委員

その確認した文書はどこにあるのか教えてください。

大川井森林保全課長

許可に当たりましては函南町への意見照会をしておりまして、その時点ではこのような水の確保に関する意見はありませんでしたので許可いたしました。

野崎委員

それを示すものを教えてください。

木内委員長

時間がかかっても結構ですので、ページ番号を指定してお示しください。

大川井森林保全課長

説明資料Aの4027ページを御覧ください。
これは、令和元年6月4日に函南町役場で函南町長の意見書の確認をした記録でございます。このときの確認では、林地開発許可の森林法の4要件に関する意見はございませんでした。よって、水の確保の部分についても、特に意見はなかったと認識しています。

野崎委員

町の意見にはそういうのがなかったと、何回もいろんな文書で出てきますけれども、4要件に関してそのおそれがあるかと言っているんです、通知も。おそれがあるのかちゃんと確認できているんですかと言っているんです。
確認したのかしていないのか。町長の意見がなかったというだけで、確認したのかしていないのか教えてください。確認したならば、確認したことを示す根拠を教えていただきたいと思います。それは資料の何番なのか分かりませんが教えていただきたいと思います。

エビデンスは事業者の作成した資料

浅井森林・林業局長

4項目のうち水の確保の関係についてお答えします。説明資料Aの1211ページになります。これは1199ページから始まるものですが、静岡県林地開発許可審査基準及び一般的事項という我々が林地開発許可を出すに当たってのよりどころにしているものでございます。
1211ページを御覧頂きますと第3水の確保とありまして、代替口――先ほどから5番委員が言われています森林が有する水源の涵養機能が開発することによって損なわれたとするならば、それは何か代替しなければいけないという項目です。ほかに適地がない等によりやむを得ず飲用水、かんがい用水等の水源として依存している森林を開発行為の対象とする場合にはとまず条件付きになってきます。この場合に周辺の水利用の実態等から見て水量を確保するために基本的にはその措置をすることという記載になってございます。
ここをもちまして、私どもは、先ほど大川井森林保全課長が説明した町長宛の意見照会によってそこを確認いたしましたが、そのときにはそういった回答がないことと、町にも水利用の実態を直接確認しております。周辺において水利用をされているかどうかはなかなか我々県は客観的に把握できるものではないものですから、取水されているかどうか確認しまして、水源として依存、支障がないということを確認したところでございます。

野崎委員

ここに書いてあるのは分かるんです。そういったおそれがないのかちゃんと確認してるのかって聞いてるんです。
確認したとすれば、確認したときの証拠として示せるものがあったら教えていただきたい。確認したのかしていないのか。
ただ、町が言わないからないと思っていましたでいいのか。そういう判断なのかどっちなのか分かりませんけど、確認したのかしないのか教えていただきたい。

浅井森林・林業局長

1211ページにありますとおり、水利用の実態などから見てということがございますので、実態について確認する方法としては最寄りの地元の役場から情報を聞いて確認するのが一番妥当な証拠だと判断しております。

木内委員長

今の5番委員の質問は、その確認をしたというエビデンスに当たるものはどうですかということですので、それがあるのかないのかどこなのかをお答えください。

浅井森林・林業局長

判断の手法としては水利用の実態等を確認することになっていますので、確認のエビデンスとしては役場からの通知によって行っております。

木内委員長

それがどこなのかを聞いているんですが、それをお答えください。

大川井森林保全課長

説明資料Aの4099ページを御覧ください。
これは林地開発調書になります。この4099ページの一番上の欄に水源涵養機能に直接依存する水需要の状況がございまして、当該事業区域内に直接水源を依存する区域はないということで申請されているということです。

野崎委員

誰が出しているんですか。事業者じゃないですか。
事業者が問題ないと言っているのをうのみに信じちゃうんですか。私が聞いているのは町にちゃんと確認したかなんです。していないならしていない、したならちゃんとしたものを教えてくれと言っているのに、何で事業者がありませんと言っているのを信じるのか。事業者の言ったことは全部正しいんですか。ないならない、確認しませんでしたとはっきり言ってくださいよ。

浅井森林・林業局長

そこについては、もう一度こちらで説明できるものを示させていただきます。

野崎委員

全般的に言わせていただくと、私らも説明資料を見させてもらいました。事業者が出している資料が根拠だというところにたまげちゃいました。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

今説明しました林地開発調書は、職員が確認した結果を載せている調書ですので、事業者が作成したものではございません。審査した結果の調書になります。

野崎委員

申請者がブルーキャピタルで、その内容について県当局としてもちゃんと審査したということですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

県の職員が確認をした結果を載せている調書になります。

野崎委員

これが証拠だと分かりました。

西原委員

今、話が堂々巡りなんですけれども、5番委員が話をしているのは、町とちゃんと確認が取れた証拠は何だということです。当局がおっしゃったのはこれは調書を取ったよ、職員が作ったものだということで話が全然かみ合っていないんです。
ここに書くに当たっての、直接水源を依存する区域はないと書いた職員が何を根拠にここをこう書いたか聞いているので、これは職員が作ったものですというのは答弁でも何でもないんです。その証拠を示すのに少し時間をくださいということでいいんですか、分かりました。

木内委員長

では、ちょっと整理します。
調書等に書いてある当該事業区域内に直接水源を依存する区域はない、及び函南町との間で、当該地域が水の確保に著しい支障を及ぼすことがないと判断した根拠資料については現在提供されているものにはない。その根拠資料について提出を求めるということで整理しますので、よろしくお願いいたします。

環境影響評価と矛盾する林地開発許可

野崎委員

これは後々、何回も言い訳のような回答が出ておりますけども、その1か月後になりますけれども、また函南町から意見が出ているんです。
説明資料A4044ページの真ん中ぐらいですけれども、知事意見では、県環境影響評価技術指針を再確認し、調査、予想、評価を実施する項目を選定し項目ごと適切な範囲、方法にて調査を実施すること、地域特性や事業特性から調査等が必要と考えられる項目についてはその他として選定し調査等を実施すること、大規模な森林伐採造成は雨水の流出量の増加や土砂の流出等により住民の生活環境、自然環境に大きな影響を及ぼすおそれがあることや当町の浸水被害や土砂災害等の被害の状況を踏まえ、県環境影響評価技術指針に規定する土地の安定性、地下水の変化、河川の変化及び土壌土砂の流出、堆積について実施地区の地域性、特性を反映した調査を求めているんです。
これについて、函南町がこういう要望を出したときに、それは環境影響評価に対する意見だから関係ないという。
でもこの地域に対してこういう認識を知事は持っているということで間違いないのですか。伺います。

浅井森林・林業局長

説明資料A4044ページの県環境影響評価の関係についてお答えします。
これは環境影響評価に対する県知事名での意見になりますが、林地開発による、そういった開発に対するこの地域のおそれということで意見が付されていますが、林地開発においては、許可条件として具体的にそういった4項目に該当する事項があるかで審査をしています。
そこ一般的な可能性の話と、現実に、実証としてそういう影響があるというのを切り離して審査しておりますので、これをもって、冒頭お話のありました4項目について、開発に伴っておそれが生じるとは捉えておりません。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

説明資料A4050ページを御覧ください。
今、環境影響評価の関係で函南町の御意見がありました。それに対しては生活環境課が環境影響評価を担当しておりまして、4050ページの3番のところで返事を返しております。
7月の要望書についてということで、仮称函南太陽光発電事業計画環境影響評価報告書に関する知事意見においては、大規模な森林伐採や土地の改変を伴う造成工事に関し、雨水の浸透量や土壌の保水力の変化は事業実施区域を水源とし地域で利用されている河川や地下水の水量に影響を及ぼすおそれや、事業区域の地表面において雨水による浸食が発生し土砂が流出するおそれがあるということを指摘しております。
このことについて、念のため県環境影響評価条例を所管する県生活環境課に記述した意図について確認したところ、次の回答がありました。
事業の実施に伴う生活環境や自然環境への影響を回避または低減するため、県環境影響評価技術指針に規定する河川の変化、地下水の変化、土壌、土砂の流出、堆積等の項目について調査、予測及び評価を行うことを求めたものです、森林法上の4要件についての評価や意見を述べたものではありませんということで、環境アセスメントと森林法と、それぞれ法令が異なって求められている差は出ているかと考えております。

野崎委員

もう1回聞きますけど、この知事の意見はどこの地域のことを言っているんですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

これは説明資料A4046ページ、先ほどの函南メガソーラーに対する環境影響評価に関する意見の回答になります。

野崎委員

環境影響評価の回答ではおそれがあるというけども、それは環境影響評価の回答であって、林地開発許可の事務方としては、これは環境影響評価に対する意見なので自分たちが許可したことには全く関係ないという意見なんでしょうか。確認です。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

災害から守ること、災害を起こさないことは本当に必要なことですが、林地開発の許可の審査基準の中で判断すべきところもあると考えております。

野崎委員

森林開発許可の判断基準と、知事がおそれがあると言っているのは、どこの地域の何が違うんですか。評価に対する意見は分かりました。でも、おそれがあるって言ってるじゃないですか。それについてもう少し明確に、環境に対する意見はこういう評価基準でやるのでこういう意見になるんだけど、森林開発許可に関しては違うからその見解と全く違う見解になるんですという根拠を示してください。

浅井森林・林業局長

環境影響評価のほうは、今後の開発に伴う環境に対するインパクトというか及ぼす影響の可能性を示唆した中で、そういったものを十分に調査すべきというところから出ていると認識しています。
一方で、林地開発許可は、具体的に計画図面等を、事業者から提出を頂いておりまして、それに基づいて様々、土砂が流れないような計算ですとか、水が安定に流れるような計算をして、この林地開発行為が、災害を及ぼすおそれがないことを客観的な数字ですとか、データで判断して、そのおそれがないことを、我々サイドとしては確定したということでございます。

野崎委員

資料見ていくとどんどんいろんなことが出てきますのでここまでにしておきますけれども、ただ環境影響評価は敏感だもんでこう書いちゃうけれども、林地開発許可の部署からいうとそんなことはないって思っているという解釈でよろしいんですか。

浅井森林・林業局長

我々のほうで開発に伴う災害のおそれがない計画であるというのは、頂いた申請図書の中で決められた県の基準に合致していると確認したので、その立場でこの林地開発の計画は災害のおそれはないと判断したところでございます。
環境影響評価については、そこの守備範囲の部分は一致しているかどうかは私承知しかねますので、環境影響評価の法律の中での判断は別にあると考えています。

参考記事
県知事意見「調整池の基礎となる地盤が沈下し施設が破損するおそれがある」

事業者「安全は林地開発許可で担保されています」

野崎委員

また後々出てきますけども、環境影響評価の住民説明会何回もやっているわけじゃないですか、今。そこでも意見が噴出しちゃっているわけです。その説明をちゃんとしなさいねという県の指導じゃないですか。
指導に行った事業者が、説明していると紛糾しちゃっているんです。最後、何て言っているかといったら、林地開発許可で担保されていますというんです。許可されているんで、皆さんの御不安はこの許可で担保されてますと。何によって担保されているかと、許可によって担保されているとしかい言っていないんです。

恐らく、県もいろんなことが紛糾してるから、もうちょっとこんなことも調べなさい、これについてはどうなんだと後出しで全部指導しているじゃないですか。後々また分かりますけれども、そういうことなんです。だからちゃんとしゃべったほうがいいと思います。

追加資料の6ページの第4に、森林法第10条の2第6項関係事項ということで、都道府県知事は法第10条の2第1項を許可しようとするときは、都道府県森林審議会及び関係市町村の意見を聞かなければならないこととされたが、これは開発行為を伴う当該森林の有する公益的機能の低下がどのような影響を及ぼすのか、技術的、専門的判断を適正に行うとともに、地域住民の意向を十分に反映した適正な判断を行うためであると書いてあります。

資料Aの1285ページに平成31年3月13日開催の森林審議会の議事録があります。この議事録の中で、まず事務局が一番下になりますけど、事務局の松野班長が説明しているんですが、事業者からは、地元区長と今後、協定を締結するに当たり、協議することに合意したって、これまた後で大問題になる言葉なんですが、した合意書が提出されておりますが、地区内に反対していることから、地区の総意として同意を得ることができていない状況でありますと言っているんです。

1288ページ行きますと、ここは阿曽主査なんですが、下のほう、ここは黒ボク土でふだんは浸透性がいいと思いますが今日歩いた林道はかなりぐちゃぐちゃでした、これ攪乱により透水性が悪くなって表流水が集中して流れる可能性が高いと思います。短時間での造成になるので下流部への土砂の流出、濁水について懸念していますと、事務局が自ら懸念していると言っているんです、自ら。

さっきの環境影響評価もそうですけれども、これでも、何のおそれもないという判断を下すのはどういうことなのかよく分からないんですけども、説明を頂きたいと思います。

大川井森林保全課長

ただいま御質問がありました1288ページですけれども、大変申しわけございません。今、5番委員から説明があった阿曽主査の下の、ここは黒ボク土でというところの左側の枠が空いているんですけれども、ここは審議会の委員の先生がお話ししたところで阿曽主査が説明したところではございません。

環境影響評価の結果が出るまえに許可を出したのは、先に林地開発許可の申請があったから?!

野崎委員

いずれにしても、審議会の委員の方が心配していると言っているわけです。
その後になりますが、事務局の次のページになりますけども、環境影響評価の結果が反映された申請書で御審議頂くのが本来ですが、申請書は事前に提出されており審査は終了しました。事業者側には環境影響評価の結果を反映した申請書類の提出を要請しましたが受入れられず、法律上個別の判断をせざるを得ません、事業計画に大きな変更があればまた森林審議会に諮る予定ですということで、次のページ行きますと、吉﨑議長が最後に、1号議案田方郡函南町内の太陽光発電施設の林地開発許可については森林法第10条の2、第2項の各号に該当しないと認められるということで答申をしたいと思いますということでまとめているんです。

まず、この環境影響評価の結果が反映された申請書で審議頂くのは本来なんだけど、環境影響評価の結果が反映されていない申請書で許可したのはなぜなんですか。この審議会にも意見を諮ったのはなぜなんですか。

浅井森林・林業局長

森林法の林地開発許可と、環境影響評価の2つの手続が並行しているわけでありますけれども、環境影響評価の手続の中で大きな事業計画、例えば何か環境への影響で変更を要するものが環境影響評価の判断の中であった場合は、それについては改めて林地開発の基準に合致しているかどうかを審査をするということで、審議会の委員の方にはそのような回答をしています。
この時点では、まだ環境影響評価のほうが進んでいないということで、現行の計画としてあるもので、林地開発許可の基準に照らし合わせて審査をしたところです。

野崎委員

本来であればと書いてあるじゃないですか。本来じゃない手法を取ったのはなぜなんですかと聞いているんです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

林地開発の許可申請を行うに当たって、まず環境影響評価をしていろんな影響とかを踏まえて計画を立てていただいて、それで林地開発の申請をしていただければ計画がもう固まった形で審査できるんですが、環境影響評価が後回しになるとその環境影響評価の結果を踏まえてもう一度計画を見直さなくちゃいけないことが起こる可能性があります。
ただ、他事考慮――ほかの法律が許可になっていないから森林法の許可はできないといったことはできませんので、環境影響評価の結果で計画内容が見直された場合については、林地開発の審査をせざるを得ないということで、それもやむを得ないという判断の中で審議をいたしました

野崎委員

何でそんなに急がなければいけないのかが分からないです。環境影響評価の環境評価の意見では、おそれがあるということは対応しなさいと言ってるじゃないですか。
今言われたのは、環境影響評価でまた引っかかるから計画の練り直しをする。そしたら、もう1回審議をやらねばって、そのほうがよっぽど手間じゃないですか。何でそんなに急いだんですかと聞いているんです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

林地開発許可申請書がもう出されているので、他事考慮によって、それを止めるにはいかないという判断をしております。

野崎委員

林地開発許可は、先ほども言ったようにいろんなことがちゃんと担保できているか確認した上で許可しなさいと言っているじゃないですか。確認ができていないものに許可が出ちゃったってどういうことなのか。今の説明じゃ意味が分かりません。もう一度、お願いします。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

なぜ許可をしたかですが、申請書は事業者がまず調査した結果で作成されております。
先ほど言ったように、環境影響評価で新しい事実が分かればその計画の見直しはしなくてはいけないんですが、今分かっている具体的な事実の中で判断をして申請書が上げられている中で判断をせざるを得ないと、それはさきに同じことを申しますが、他事考慮はできないと。
ただし、適正に環境影響評価がしっかりとして、それに基づく事業計画の変更は適正に行われないと支障が出ますので、林地開発の許可を出すに当たりましては、資料のAファイルの4130ページにありますが、その4130ページと4131ページが林地開発の許可通知になります。4131ページの1の(10)が、許可に際して付した条件になります。

木内委員長

答弁者に申し上げます。
5番委員の質問は、申請書が出されたので環境影響評価に先立って許可を出さなければいけないという答弁者の答弁に対して、それにはいかなる事情があるのかという質問でありました。その質問に答弁してください。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

林地開発許可申請書が出されて、審査の期間が定められている中で判断をしなければいけない。もう1つは、他事を考慮して許可を延ばすことはできませんので、判断をしております。

木内委員長

答弁としては、審査期間が定められているからということでよろしいですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

はい。

野崎委員

よく分からないんですけど、出てきたものは何だかちゃんと分かんないけども受けなきゃならないんですか。
受けたものに関して、技術的だとかいろんな意見にちゃんと照らし合わせて、基準に照合しているかで確認するために審議会とか、いろんなことをやるわけじゃないですか。そこがよく分かんないです。受け取る前に書類として、申請書として不備がありますよって普通どんなものだってやるじゃないですか。
例えば建築の仕事だってそうです。建築の確認申請書出したら、ここに不備があるから直してきてくださいって、直った時点で受領あるいは受付になるわけじゃないですか。何で函南のこれは出されたら受け取らなきゃいけなかったのかそれも分からないし、そこをもう少し説明してください。

浅井森林・林業局長

許可申請書については、要件を満たした、記載すべき事項が全て記載されていれば、それは受理をせざるを得ません。そして、その受理したものを基準に照らして合致していればそれは許可をする形になっています。
その中で、開発行為に当たっては森林法だけではなくて環境影響評価であったり、様々な法令の規制がかかっていますので、その中で環境影響評価のほうを通さないと林地開発許可をしてはならないもんですから、我々としては申請書が出てきたものについて適正な審査をして許可の手続を行ったということでございます。

阿部委員

ちょっと話を整理すると、他事考慮はよく分かります。環境影響評価で新事実が分かれば、それに基づいて変更させるつもりだったと。そのために4125ページの林地開発許可条件で様々な注文をつけたと言いたいのかどうなのか確認したいです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

9番委員が言われたとおり、まずは申請書の事前の審査がなかったかという話もありましたが、それは行った上で補正が完了したので許可申請書を受け取りました。
ただし、環境影響評価が後になっていることに対しては、それをもって不許可にするとか、申請書を受け付けない、しないことは他事考慮でできませんので、今言われたように
4125ページの1の(10)で環境影響評価の結果で計画が変わる場合には、変更の手続を必ず行うようにという許可条件も付した形で申請書は処理をしております。

西原委員

1289ページの、先ほど5番委員がおっしゃった事務局の答弁の前の文章に、審議会委員の方が本来であれば環境影響評価が終わってから個別法の審議に移る順番になりますが、今回は森林法の審理が先行しています、環境影響評価の適用が3月1日からなので、森林法は森林法で環境影響評価の適用はまた別途という解釈でいいですかと、委員の方がやはり本来と違うことを指摘されているんです。
先ほど当局のお話ですと、申請書類の回答期間があったとのことですけれども、本来であれば環境影響評価をして申請を出してくるのに本来と違う行為をして出してきた。ここに何か背景があるんですか。許可を急ぐ理由があったんですかというのは、一番最初の質問だったと思うのです。御答弁をお願いします。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

本来ですと、先ほどもちょっと御説明しましたが、環境影響評価が終わった後にそれぞれの個別法の対応をする、環境影響評価も踏まえて計画が固まった後に審議するほうがいいと思いますが、少なくとも県として急いだ理由はありません。事業者が急いだ理由は把握できておりません。

許可さえ取ってしまえば事業者が有利

西原委員

その事業者が急いだところが何なのか。先に許可だけ取っておいて、その後環境環境影響評価をやって、そこで大きな変化が出たらまた審議会にかける。事業者は許可を先に取りたかったということではないですか。
そういう背景が私たちには見えるんですけれども、当局としてどのように捉えていますか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

林地開発許可申請書を出す事業者さんは、基本的に全部早く許可を出してもらいたいところはあるんですが、うちのほうで急いで許可を出す理由もありませんのでそこは把握し切れておりません。

西原委員

続けての質問ですけれども、事業者にとってまず最初に開発許可を取る、これは事業者側にとったらどんなメリットがあるか伺っておきます。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

一般的なお話になるかもしれませんが、こういった計画をつくって事業着手までにいろんな経費とかもかかりますので、早く事業が行われて収入を得られればメリットあるのかとい感じております。

西原委員

条件を出して許可を出したということで、その中には当然、環境影響評価も含まれていて、許可だけ先に取って、環境影響評価をちゃんとやらないと駄目ですよと条件がついているんですか。
当局にとっても二度手間だと思うんです。まずは申請を出してきて、環境影響評価をやって問題があったらまた審議会へ出してということよりも、両方そろって許可申請するのが本来って書いてありますから。にもかかわらず、全て後回しにして許可だけ取っていると私たちには映るんですが先ほど収入だとか、当然事業着手はまだできないですか。そこにおいて考えられるメリットは分かりますでしょうか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

事業者のところはよく分かりません。

西原委員

想像の範囲ですけれども、許可を取ったことの1つの権利が事業者に与えられることによって、対外的にもいろんな意味でメリットがあるのかなと私は思っています。
そしたら、事業者のやり方でこちらは結果的には振り回されて、後からいろんな事実が出てきて当局も修正していけばいいですっていうこのやり方に非常に違和感を感じます。

鈴木(澄)委員

県の立場でお話されていて、法を遵守してやっていることなんですが、今の話を聞いていると県では決められない結局事業者に有利になってしまう仕組みがあると感じたんです。
つまり許可を先に取ってしまうことは環境アセスメントが後追いで修正は後から加えれば、許可さえ取ってしまえば前に進められる仕組みになってしまっているのかなと。
だとすると環境影響評価は後からやって、ルール上県がどうしようもない形でその変更点を受け入れる。先ほど申請書が出ていれば期限も決められていて、その中で許可を出す審査を、許可せざるを得ないとおっしゃっているけれども、それは全部県が背負わなきゃいけないことですか。もっと仕組みとして環境環境影響評価メントの関係、森林法の関係の手続に問題があると考えることはできないんでしょうか。

いつも何か環境アセスメントってちゃんと理解されていない気がするんです。
だとするとそういう仕組みを元から変えていかないと結局はそういうルールが分かっている事業者が先に申請をして許可だけ取って後からやればいいというふうな。
私たちにとってみると、災害が発生するんじゃないかっていう心配が全部出されて同じ次元で議論されて、審議されて許可が下りるのが理想なんですけども、それは県の判断だけでできるのかどうか。法の仕組みも含めて課題があるかどうか確認したいと思います。

大川井森林保全課長

環境影響評価と林地開発許可制度の関係ですけれども、先ほど来言われているように、環境影響評価を取って林地開発許可を取る、また同時が一番望ましいとは思いますが、それが特に法律要件になっていることではございません。

鈴木(澄)委員

それは、法に基づくルール上の話としてそうなっているからやむを得ないとの捉え方でよろしいですか。
管轄外という話もありましたけれども、少なくとも森林法を管轄していて、もう1つの環境影響評価の法の関係が別の部署であったとしてもそれは双方に関係しているわけですから、皆さんが自分たちの部署だけでものを考えていて、ほかの問題と絡めたときに私たちは法律関係なしに本来あるべき姿として議論しているわけです。
そこの問題がはっきり分からない以上はどうしても見えない議論がやっぱりこういう形で出ざるを得ないと思っているんです。だとすれば、はっきりその仕組み、ルールとしてこれがどうなのかとの意見も県として持っていてもいいと思うんですが、そこをお聞きしたいと思います。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

森林法と環境影響評価の法的な根本的な課題について答えを持ち合わせておりませんので、申し訳ございませんがお答えを控えさせていただきたいと思います。

鈴木(澄)委員

そうしますと、結局は環境アセスメントの問題がクリアにならない。そういう話の中で、ここで議論するのは、ここにいる森林法だけの話で済む話でしょうか。
要は皆さんが投げかけているのは、一番気になっているところの答えがちゃんと出ないから、その一つ一つの事象を捉えた中ではっきり答弁していただいているのは半分しかないと私は思っているんです。そこの部分については、所管ではなくてもその在り方についてしっかり皆さんが思いを持っていないと市町あるいは私たちも含めて県民の皆さんから疑問を投げられたときに答えられないところがあるから、前に進まないんじゃないでしょうか。そこはどうでしょうか。

木内委員長

3番委員に申し上げます。
本集中調査は、当該許可の適正性、事務執行に県と町の双方に不備がないかという点の集中調査になりますので、また所管事務調査の場でやっていただければと思います。

鈴木(澄)委員

分かりました。
少なくとも、今までのやりとりとここに書かれているものの中で出てきている話なので、集中調査でそこを外すことについては今の委員長の意見に対して私は異論を持って、取りあえず引きます。

望ましくないが、やむなく許可

森委員

3番委員のお話を聞いていて皆さんにお尋ねするのは、浅井森林・林業局長がいいのか清水経済産業部理事がいいのか、まず認可と許可の違いが分かっていますか。
認可は、皆さん方がいろんな判断をして認可するから、行政申請を前へ進めるか、断るか、皆さんに判断が任せられているのは行政の認可です。行政の許可は、今お話のように一定の条件が整っていれば許可していかなきゃいけない。この件からいって、今それぞれのお話を聞いていると、先に森林開発の許可を下ろしちゃった。後から業者の皆さんに環境影響評価をやってくれ。ここに大きな行政判断のミスがある。
許可申請の相談が来たら、皆さん得意のこれはこういう手続を踏まなければ、行政手続を踏まなければ駄目ですよ。まず最初に、これは環境影響評価の手続を踏んでくださいよ。しかる後に、この森林開発許可申請は受け付けますよ。そして決められた日数の範囲で許可をするとか不許可にするとか、ここの順序を間違えているんだろう。これで行政指導に疑義があったんじゃないかと思いますけれども、どのように理解をしているのか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

順序に誤りがあったんじゃないかということで、基本的に環境影響評価をやった後に許可申請が望ましいんですが、そういった指導をすることが他事考慮によって法的に違反になるという判断がありましたので、やむなくこういった形で許可しております。

阿部委員

今、2番委員がおっしゃったように、さっき1番委員が核心に近いところをおっしゃったんですが、様々な書類を読む中で、この事業者は、私の主観から言うと非常に悪質だと思っています。
例えば、先ほどの松野班長の説明の中で、環境影響評価の結果を反映した申請書類の提出をお願いしたら受け入れられずと何回もやっているんだけど向こうが出さなかったという核心を分かりやすくすぱっと答えられたほうが、多分議論は進むと思います。そこをつまびらかにしていって誰が悪かったのかと。
やっぱり県に瑕疵があった部分は瑕疵があったというふうに、一つずつ整理をしていかないと話が進まないと思うので、そういう形での答弁または議論ができればいいと思っていますのでお願いしておきます。

木内委員長

意見ということでよろしいですか。

虚偽も後から「修正」すれば許されるのか?

大石(哲)委員

この前も聞いていますが、許可が下りてから今日までもう4年近くたっています。
この許可された案件は今どういう状況にあるのか、宙ぶらりんなのか。
5番委員がいろいろ不備を指摘していますが、不備を指摘することによってこの許可が覆ることがあり得るのか。このような行政の結論に対して不服を申し立てるというのに行政不服審査法があるんですが、これはもう3月なんです。今4年たっている。
ここに、今までこの業者にいろいろ修正依頼とか資料を出せと言って出てきていないというのが1年近くあるというのが4205ページにあります。
修正区域等を訂正した資料を出すように言っていますが、まだ完了していない云々、開発許可申請書を訂正したい旨がある。だけど、まだ1年たっても完了していないということは、新たにこの申請書類が出たら、今の許可がチャラになってもう1回審査をするということではないはずなんです。今この許可案件はどういう状況にあるんですか。

大川井森林保全課長

ただいま8番委員から御質問がありました4205ページに書かれております今どういう状況になっているのかということですけれども、事業者は、これまで集水区域の誤りであるとか河川の管理者との調整が不十分だったことが分かったので資料の修正をしているところでございます。

大石(哲)委員

この許可の案件の今の状況です。この許可を受けた会社も、いろんな指摘がされているように不安定な状態では事業の着手もできないし借入れもできない、いろいろ動けない。だから行政不服審査法があって、何かあれば利害関係者がその間に異議を申し立てなさいという制度が設けられていると思うんです。
ですから今でも県もこの許可を受けた事業者も不安定な状態でいるのは正常じゃないと。こういう請願が出てきて過去のいきさつを問いただすのはいいけども、これによって許可が覆ることはないと私は思うんですがどうでしょう。

大川井森林保全課長

私たち県の立場としましては、事業者が申請書類の修正を今行っている状態では許可の取消しに至ることにはならないと考えております。

木内委員長

ここでしばらく休憩とします。
再開は15時55分とします。

( 休 憩 )

木内委員長

休憩前に引き続き委員会を再開します。
質問を続けます。
では、発言願います。

偽りの「合意書」問題

野崎委員

先ほど来の話をまとめると、事業者が環境影響評価を前に受けるのを嫌って申請して、静岡県では許可が下りるだろうと考えていたような気がしております。
手続等書類の審査に、Aの1301ページにある、森林審議会にかけられた調書には林地開発に対する関係者の意見――函南町長については意見聴取中、地元区(軽井沢地区)合意書取得済みと書いてありますけれども、これはどういう合意なんでしょうか。

木内委員長

1301ページ調書の合意書取得済みの合意内容について、それを示す資料についてお示しください。

浅井森林・林業局長

資料のBのファイル3441ページを御覧ください。
こちらが、軽井沢地区と事業者の間で取り交わされた合意書になります。この3行目にありますとおり、今後協定書を締結するに当たって下記の事項を協議することを合意しますとなっております。
記の1番を見ていただきますと、円滑に事業を進める上で双方の要望ですとか地域への配慮といったことを協議事項とする、あるいは遵守していくことを決定することを合意しましたとなっています。
事業を円滑に進めていくために地域の意見なども尊重してやっていきますということを、ここで基本事項として確認した内容です。

野崎委員

ここでいう調書に残さなきゃいけない合意はこういう合意でいいんですか。
事業を進めることに対してオーケーしたという合意書が普通つけられてくるのが当然じゃないかなと思いますが、今説明で言ったように、3441ページの合意は今後話をしていくことに合意をしたっていうだけで事業に対する合意ではないわけです。

県が求めている合意は、こういう合意でいいんですか。地元住民の理解だとかいろんなものというのは、今後説明していきますんでという合意を取ったら、県でいう地元理解が得られたという合意と判断するということでよろしいですか、伺います。

浅井森林・林業局長

先ほど森林審議会のくだりでも少し出てまいりましたが、県としては事業者と地元軽井沢地区の間で、事業の実施そのものに対する同意がされたとは判断しておりません。

Aのファイルの1285ページを御覧ください。
これは、先ほど出てきました森林審議会の議事録でございますけれども、この中でも県が発言しているとおり、1285ページの一番下のブロック、事務局(松野班長)の7行目からですが、合意書が提出されておりますが、区の総意として同意を得ることができていない状況ですと、審議会にも県から説明しております。
林地開発許可に当たっては、地元地区との合意とか同意は森林法の、先ほど来出ています4項目の要件には当たっていないので審査基準の中で満たさなければならない、それがないと許可できないものにはなっておりません。

しかしながら、非常に地元でも心配をされている事業で住民の皆様も不安に思われているのはごもっともだということで許可をするに当たりましては、Aファイルの4131ページの1枚前の4130ページが、林地開発許可を出したときの文書で、その後ろに林地開発許可条件を付しております。
この中で、2番の(1)ですけれども、住民の懸念や不安を真摯に受け止めて、事業計画や事業の進捗に要した説明会を開催するなど、周辺や下流域の住民との理解が得られるよう努めることと許可条件を付して、その遵守を指導しているところでございます。

野崎委員

森林法では求めていないといいますけども、開発行為の許可制に関する事務の取扱いでも、追加資料の7番の第1の一般的事項の(2)に、開発行為に係る森林につき開発行為の施行の妨げとなる権利を有するものの相当数の同意を申請者が得ていることが明らかであることと書いてあるんですが、この同意を得ていることが明らかになっていないわけです。
それに対しては、どういう見解持たれているのか説明を頂きたいと思います。

大川井森林保全課長

ここで言っている権利を有するものの相当数の同意は、土地の権原を持っている方、所有者の方の同意を指しております。

野崎委員

追加資料の6番ですけれども、この森林審議会は、意見を聴かなければならないのは住民の意向を十分に反映した適正な判断を行うためと書いてあるんです。
住民の意向を十分に反映された申請書というか調書になっていないのにも関わらず、ちょっと説明して同意が出たことになっている。
合意書取得済みと書いてあれば合意できていると思うのも委員の心理だと思います。
また森林法に関わるいろんな状況はクリアしているというけど、クリアしていると言えるんですか、見解を求めます。

浅井森林・林業局長

県の林地開発許可については、林地開発許可の基準に照らし合わせてその許可を判断しております。その基準については、Aファイルの4131ページを御覧ください。
ここに林地開発許可条件が書かれておりますが、このページが2つのブロックに分かれております。1番のブロックについては、この開発行為を行わない場合には許可を取消すことが、いわゆる許可条件として付しているものになります。

それから、2番、行政指導として以下の条件を付すので、開発行為を行うに当たってはこれを遵守することということで、こちらについては一般的な指導として書かれているものになっています。ですので、この住民理解のところについては一般的な事項としてより事業の適正な執行に向けた指導をしているところでございます。

野崎委員

私が聞いているのは、条件をつけたかどうかじゃなくて、ここで調書として出される書類としてこういう書き方、内容が正しいのかと聞いているんです。
正しいならば何をもって正しいというんですか。
合意書取得済みって正しいんですか、これをもう1回聞きます。

木内委員長

5番委員の質問は、調書に合意書取得済みと記載することが事務執行上適切であったかどうかという趣旨だと思いますが、いかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

先ほど大川井森林保全課長からも少し答弁いたしましたが、地権者に対しては、当然権原を持つものに対しての同意は必要で、それを確認するために設けている項目です。今御質問があったのは周辺の住民、地域の住民の方との合意形成かと思いますので分けて考えております。

野崎委員

ここは、調書で林地開発に対する関係者の意見って書いてあるんです。意見って書いてあるところで求めている合意書はどういう合意ができている合意書を求めているのかと聞いているんです。
この場合の合意書は、話合いを今後していきますと合意している。それが正しいのか、正しいんだったらどこに書いてあるのか。これから話合いをしていくということに同意してないわけですよ。正しいなら根拠を示していただきたい。

浅井森林・林業局長

今、御質問頂いたことについては、整理をした上で後ほどお答えしたいと思いますので、お時間を頂きたいと思います。

木内委員長

確認します。
周辺の意見として合意書取得済みと調書に記載し、森林審議会の委員に配付したことについて、それが事務執行上適切であったかどうかという5番委員の質問について、後ほど整理して回答するということでいいですね。はい、かしこまりました。

100分の1しか搬出先が決まっていない残土問題

野崎委員

その調書の次のページ、1302ページにいろんな審査項目が書いてあるんですけれども、結果を全部適としています。適合しているということだと思うんですが、この中で切土、次に盛土とありますけれども、残土は事業区域外へ搬出すると書いてあるんですね。この搬出方法は適切なんですか。適切だったら量や場所がどういうふうに適切なのか証拠を示していただきたいと思います。

木内委員長

1302ページ、審査項目の盛土適に関する残土は事業区域外へ搬出するという備考ですね。その搬出方法、搬出先等について適と判断した根拠について御答弁願います。

大川井森林保全課長

ここで適としている理由ですけれども、搬出する残土につきましては1199ページ、静岡県の林地開発許可審査基準及び一般的事項、第2章第1の2の土工量の(3)搬出土を生じる場合には搬出先を明記するとともに、搬出先における処理計画が分かる資料を添付すること、また県土採取等条例等の他法令の許認可が必要な場合には許認可書の写しまたは申請書の写しを添付することとなっております。

この函南のメガソーラーの許可につきましては、許可申請の中ではBファイルの3030ページからが該当書類になりますが、こちらの土地の埋立て等許可決定通知書が申請書についておりまして1,000立米を三島市へ運ぶ計画となっております。

搬出される残土は、関係法令に基づきましてそれぞれ適法な処分が指導されるのが原則であります。運用の中で、事業が長期にわたる場合は、林地開発許可前に全ての残土処分先を確保することを求めないこともございます。

ただし、残土の適正な処分に対する社会的要請が高まる中で、残土の適法な処分先が確保されていない状況で施設整備のみが先行されるのではないかと地域住民の方々の不安が高まっていることから、県は事業者に対してこうした懸念がある背景を十分認識し慎重な対応をお願いするため、本事業の工事の着手前に全ての残土について適法な処分先を確保することを指導してございます。

野崎委員

今言ったこと全くおかしいですよ。適としたということは、全ての残土が処分先も決まって処分方法も間違いないことが明らかなのが適ではないのですか。
大体1,000立米の三島市への受入れが済んでいるんですか。残土の適法な処分先が確保されていないのが後から分かって、こういう指導をしているんじゃないですか。
まず適というのは適切に搬出先も量も処理の仕方もしっかりしているから適とするのか、そこがはっきりしていなくても適とするのかどちらなのか教えてください。

大川井森林保全課長

開発期間が長期にわたる林地開発につきましては、一度に全ての残土処分場、搬出先を決めるのがなかなか難しい場合もございまして、そこにつきましては運用の中で適法の処分先を確保して、しっかり残土処分場が決まったら知らせるようにと指導してございます。

西原委員

そういう考え方でいいというのはどこか法律なり何なりに書いてあるんですか。その手引的なもの、関係法令等があるのでしたら伺っておきたいんですけれども。

大川井森林保全課長

これは特に明記されているところはございません。我々の運用の中でそのように指導してございます。

西原委員

そこが担当部局の運用で済む話なのか。
例えば今、当然リニアも残土の問題が出てきていますけれども、それも運用でいけるのか。やはり運用で処理するべき問題ではなくて、今回この許可を申請してきた書類がどうであったかをしっかりと審査するのが当局だと思うんですけれどもね。
開発期間が長いからまだいいですよというのが運用であるとしたら、それは少しおかしいと思うので、誰の権限で、どのような文書の下で判断しているのかをもう一度確認しておきたいと思います。

浅井森林・林業局長

当時は、この全量の残土の行き場を確保しなければ許可しないという基準がなかったものですから、この1,000立方メートルの行き先を確認したところで事業者も明確にこういった長期にわたる中で残土場を一律に確保していく考え方であることを我々として判断して適といたしました。
当然のことながら、皆様が心配されているように、不法な盛土等があって災害が起こっているという状況の中で適正に残土を処理するのは当たり前の話で、関係法令は置く場所によって様々な規制がありますので、事業者に対しては法令に従って残土処理をするのは大前提ですので、森林法でそこまで規定するという考え方は今のところございません。

野崎委員

聞いているのは、ここでいう適は正しいのかということです。
だったら附帯事項で、今は1,000立米しか確保できていないけれども、そういう指導もするので今のところは許可しますと書くのか分からないけど、この適はどういう意味を持っているんですか。全量ではないけれども、1立米でも引き受けてくれるところがあれば適と書いちゃうのか、またそれが正しいのかどうなのか。

この各調書だってある程度ルールが決まっていると思うんですよ。そこに盛土の処分の仕方が書いてあるんだから、決まっていないから運用で後で判断なんていうのはどうかしているんじゃないかと思う。

この適についてもう1回聞きます。何を正しいとしているのか、この書き方。これを見たら残土は処理できると思いますよ。

浅井森林・林業局長

全量の処理場を指定してはございませんが、ここにあるとおり三島市の処理場に搬出と書いてあって、その裏づけとなる受入れの確認書も、先ほど御覧頂きましたけれども、そのような形で適正なところを確保する考え方がございましたので総合的に適と判断いたしました。

野崎委員

驚きました。1立米でも確保できていれば適という。全国に静岡はこういう基準でやっていますと言い切れるわけですね。もう1回確認します。

浅井森林・林業局長

全体の事業で出る土量に対するこの1,000立方メートルが、大きいのか小さいのかという話でありますが、1,000立方というとなかなか一度に出る土量ではないもんですから、当面1回目の処分地として1,000立方メートル分確保してあるということはその後も、仮にこの1,000立方メートルがいっぱいになれば処分場もこのような考え方で確保していただけると我々としては認識しております。

中田委員

全体の量は10万立米じゃないんですか。全体の量を教えてください。

浅井森林・林業局長

資料Aファイルの4085ページを御覧ください。こちらの一番上のブロックが、切土といって山から切り出してくる土砂の量です。
こちらに記載されてあるのが審査したときの項目名で、一番上のブロックが切土――山を削って出てくる土砂の量です。それからそのもう1つ下のブロックが盛土で、その事業地内の地面から上に盛る量になります。これで見ますと切土量は18万立方で、盛土量が6万8000で、ざっくりと18万引く7万という引き算で11万ぐらいは、この計画ですと右側にありますとおり残土は事業区域外排出です。

中田委員

11万土が搬出されるわけだ。そのうちの1,000ということは、100分の1のものの確保ができたから後のことはおいおいでいいという判断がどうしてできるのかなと思います。せめて最初の段階で3分の1、もう少ししたら3分の2とかね。100分の1でしょう。どうしてこういう判断をしたんですか。

浅井森林・林業局長

残土処分場の性質上、確保しても事業が始まってから次の事業者が同じ場所へ置いていって残土場がいっぱいになってしまうともうそこは使えなくなるので、またほかの処分場へというのは正確な判断と認識しております。ですので、最初の工事で出る残土の部分を確保していると認識しています。

中田委員

これはもう認識の違いになるんですが、誰が聞いたって100分の1の1,000が確保できたから適とはなかなか書けないですね。僕が担当者だったらなかなか適とは書けない。適と書きたければ、きちんとしたものを出しなさいよと、私だったらしますがね。これはもう判断と見解の違いですが御指摘させていただきます。

森林審議会でどう説明したのか?

西原委員

今問題にしている資料は、審議会に提出した資料ですよね。審議会の皆さんは、この資料を基に、その残土の処分が適という文字をもって、適切だと受け止めると思うんですけれども、先ほどの地元地区の合意も同じです。この資料を基に、審議会の委員の皆さんの審議にかなり影響があるはずなんですが、本当に適でいいのか。当局側の記入に対して私たちは違和感を感じているんですけれどもどう思いますか。これが審議会の資料として提出されることが正しいのかどうか、再度伺いたいと思います。

質問を変えます。
すみません、分かりにくいですね。きちんとした正しい資料を出さない限り審議委員の皆さんが判断できないですよね。100分の1の残土の処分のことだけ書いてあった、これに対して適と指摘してある。これで本当に、審議委員の皆さんがこの資料を基に審議できるかどうかを確認したいと思います。

浅井森林・林業局長

審議会の委員の方には、当然具体的な数字ですとか客観的な図面も見ていただいた中で議論をしていただいております。そういう中で、今の割り算をされた方がいらっしゃるかどうか分かりませんけれども、数字も見ていただいた中で御判断頂けたのかなと思います。

野崎委員

要するに、この資料を見て審議会の委員は判断するわけですよ。この資料の説明として適としてあるけれども、実は100分の1の量しか搬出が確保できていないけれどもあとは後々確保させますのでと説明して、それでも委員の人たちがいいと思うか。もし委員の人がその事実を知っていたらよしとするのか分からない。
ですので、その説明もしてあったのかなかったのかを含めて、もし説明していなかったとすれば、審議会の委員の方に来ていただいて、こういった事実があるんだけれどもそれを知っていたらオーケーしましたかというのを我々も聞きたいんですよね。

我々はこの許可の手続が正確に行われていたのかを今検証しているんですから、間違った情報で間違った判断を審議会委員にさせて、それは俺たちの裁量でいいなんていうちょっと冗談みたいな話は、担当者はそれでいいのかと思いますけれども、審議会委員にはそういう説明をしてあったのかしていなかったのか、お答えください。

浅井森林・林業局長

申し訳ありません。当時の審議会のときにどのような資料を用いて先ほどの残土の説明をしたか否かが私どもにはすぐお答えできないので、改めて回答させていただくということでよろしいでしょうか。

木内委員長

答弁者に申し上げます。
森林審議会に提出した資料一式ということで資料請求をして、森林審議会に提出された資料一式及び議事録が資料として我々に提供されているものですから、これが全てであると承知していますがいかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

提出した資料としてはこれが全てであることは間違いありません。説明の仕方とか、どのように触れたかについて、触れたか触れていないのかについても即答できませんので改めてお答えしたいと思います。

西原委員

そのお答えを伺う前にですけれども、先ほどの御答弁の中に、資料は渡してあるからこれで見たはずだみたいな話で、審議会の委員の皆様に責任があると言ったように私は受け止めたんですね。
審議会の方にこの資料出してあるんだから、それで審議委員が判断したと思いますってこの答弁の前におっしゃったんです。それは審議委員に対して責任があるよと言っていらっしゃるということでいいですか、確認だけさせてください。

浅井森林・林業局長

私の意図としては、審議会の委員の皆様には具体的な数字とか添付図面等で説明をしている、客観的な資料をお見せしているとお伝えしたくて話したものですから、渡してあるから全部説明したんだというつもりで発言したわけではございません。そういった意味はありません。どのように説明したかについては、改めて確認してお答えしたいと思います。

参考記事
同意書や残土処理に齟齬が発覚、許可の一時停止を求める


西原委員

もう1点ですけれども、先ほど残土受入承諾書としてBファイルの3031ページのことで御紹介頂いたんですけれども、一番冒頭のところにアルファベットでBlue Capital Managementって書いてあるんですね。通常、公文書というか、普通提出書類の中に正式名称を書くかと思うんですけれども、正式名称は株式会社でしたっけ。片仮名でブルーキャピタルマネジメント、本来そういう書類が出るべきだと私は思うんですけれども、ここがアルファベット化されていて、しかも出している相手が法人じゃないような、こういった書類でも行政としては受け取れる、オーケーということでよろしいですか。

浅井森林・林業局長

会社の正式名称とちょっと違うという話だと思うんですが、会社名は明らかにブルーキャピタルマネジメントと書いてありましたので、私どもとしてはこれは正式に事業者に出された残土受入承諾書と判断いたしました。

西原委員

細かいことってわけじゃないですけれども、こういった行政に出す書類って通常は正式名称で出すと思うんですが、アルファベットになってしまっていて法人格でもありません。こういった書類で全てのものにおいて通るということでよろしいですか。

浅井森林・林業局長

行政宛てに出される文書については、当然のことながらその行為者が間違いなくその正統な行為者であることを明かすということで、発信者名が正式な名称になっている必要があると思いますが、この残土受入承諾書については事業者と第三者の間で取り交わされた契約の確からしさを証明する書類だったもんですから、ちょっと名前が違うじゃないかということでこれを差し戻しして別のものを再提出するようにという指導はそのときにはしなかったと記憶しています。

西原委員

通常私たちは行政に出すときには、必ずそういったものは統一されていないとまかり通らないと思っているんですね。これが証明書類となるとしたら、本来だったら正式にちゃんと法人格のついた片仮名のブルーキャピタルマネジメントっていう文書でないと認められないと思います。この書類は証明の書類にはならないんではないかなと思いますので、それは意見とさせていただきます。

信用に値する会社なのか?

野崎委員

じゃあ、その適としたところについて、改めて資料なり、答弁を頂くということで。

次に進みますが、追加資料の第1の一般的事項の(4)に、申請者に開発行為を行うために必要な信用及び資金力があることが明らかであることと言っていますけれども、山梨だったかどこだったか、違法行為を働いていたことも明らかになっていますよね。

それと7月26日の知事の会見ですが、記者が、先ほど知事、その地元への説明を丁寧にするようにだとか、林地開発許可を出すときに項目として定めておいたと思いますが、函南町としてはその姿勢が一向に見えていないということで昨日町長がおっしゃったんですがその点はいかがでしょうかっていう質問なんですが、知事は、これはですね、私も担当者から説明をこの間ずっと受けてきました、この業者、必ずしもですね、すばらしい会社だっていうふうな感じではないわけでと答えている。
これは信用に値する会社だっていう認識なのか、値しないっていう認識なのかどちらなんでしょうか、お伺いします。

浅井森林・林業局長

5番委員お尋ねの件は、1214ページの林地開発許可基準の中のこの申請者の信用性という判断のところです。これについては、申請者が法人として事業活動を継続的に営んでいることが適正な開発をするためには必要だということで、この条項があると理解しております。
その信用というのは、社会的な風評のようなものと、ここで書かれている信用のように事業者の確実性という観点からすると、少し我々としては捉え方を異にしておりまして、確実に事業活動を営んでいることが事業を着実に実施するための要件だと考えております。

野崎委員

この信用性については資料のどこに入っているか分かりませんけれども、どこかの時点で違法な開発行為をしたことが明らかになったと指摘している文書もたしかこの中に入っていますので、また順番を追って質問していくうちに出てくると思います。今は、ちゃんと事業をやっていればいいんですよという判断でやったということでいいですね。
ここの運用というのは、事業がちゃんとやれている会社だったら違法な行為をかつてやっていてもオーケーだよっていう判断をしたということでいいですか、確認です。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

Aファイルの1214ページに、審査項目として第3章の一般的事項の2の事業の確実性の(5)の資金力がございます。
ここで、残高証明、融資証明等により当該開発行為を行うに必要な資金力を有していることが明らかであるということ、それと資金の調達方法が会員権及び営業収入によって賄われる場合であっては、用地費及び防災工事費について資金の証明がなされていることで、この審査基準に基づいて先ほどの調書の審査のほうがされていますので、別の要件での判断はされておりません。

野崎委員

正しい判断だったということで、まず取りあえずはいいですね。運用に従った正しい判断をしているということでいいですね。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

この審査基準に基づいて正しい判断をしたと考えております。

放流先の流下能力の検討の計算式は正しいのか?

野崎委員

追加資料の8になりますけれども、第2の第10条の2、第2項第1号関係事項の3番に切土、盛土または捨土云々とありますが、周辺の土地の実態から見て必要がある場合にはのり面の崩壊防止の措置が適切に講じられることが明らかであることと書いてあります。
この周辺の土地の実態から見て必要がある場合というのが、追加資料の13ページの一番下、3番のところになりますけれども、周辺の土地利用の実態から見て必要がある場合とは人家、学校、道路等に接近し、次の(1)または(2)に該当する場合をいうと。
ただし土質試験等に基づき地盤の安定計算をした結果、のり面の安定を保つために擁壁等の設置が必要がないと認めた場合ということですけれども、この事業を行う該当地区の下にはまさに県道も通っているし軽井沢地区の集落があるわけですよ。そしてその下には小学校もある。
本当にちゃんとこの措置が講じられているのが確認できる資料はどこにあるか教えてください。

浅井森林・林業局長

Bファイルの3126ページからを御覧ください。ここで擁壁の安定性、斜面の土を安定化させるためのコンクリート構造物のようなものの安定計算をしておりまして、こちらで転倒しないとか土集めをされて滑らないとかいった要素の計算をして確認しておりまして、こちらで斜面の安定が図られると審査したということです。

野崎委員

じゃあ、この計算では正しいということでいいですね。

浅井森林・林業局長

はい、設計諸元等を照らし合わせて適正に審査しております。

野崎委員

この追加の資料が正しいかどうかは、擁壁だとか堰堤とかの構造が、何か県で今までやったことない構造になっているような記述もあったと思いますので、確認を後ほどしたいと思います。

次に、追加の8番の第2の5番。
開発行為に伴い、相当な土砂が流出し、下流地域に災害を発生させるおそれがある場合には開発行為に先行して十分な容量及び構造を有する堰堤の設置、森林、残地等の措置が適切に講ぜられていることが明らかであることということで、それがはっきり示されている資料を教えてください。確認できる資料を教えてください。堰堤はないならいいですよ。

大川井森林保全課長

この開発計画の中には堰堤はないです。

野崎委員

追加資料の15にありますけれども、この7運用基準第2の6関係事項で、これに係る計算書がどこにあって、正しく計算されているのか説明を頂きたいと思います。

浅井森林・林業局長

Bファイルの3069ページを御覧ください。調整池の容量とその断面計算で、開発区域の中に降った雨が一時に下流に流れ出ないようにするためにどれぐらいの水を流すかと、どれくらいの容量、ポケットが必要なのかを計算した資料になっております。ここで排水の関係は確認しております。

それと、今、ためておく調整池の話を先にしてしまいましたが、もう1つは、3085ページからが開発区域内に降った雨を下流に円滑に流すための水路が必要な断面を有しているかどうかを計算した書類になっています。その提出書類を基にですね、雨が降ったときに安全に水が下流に流下する、さらには一定の間それを開発区域内の調整池にためおいておくことができるかどうかをこちらで確認しております。

野崎委員

雨水の流水量とか、県の基準でも書いてありますけれども、その計算式は放流先の流下能力っていうこと。Bの3051ページの資料で正しいのかという確認です。
放流先の流下能力の検討の計算式は正しいのか、3051ページの資料は正しいかを聞いています。

大川井森林保全課長

3051ページの計算式につきましては、林地開発許可では通常使っていない計算式になります。これは都市計画の関係なんかで使っている式になりますが、この申請書が都市計画と林地開発を兼ねたような流量計算になっていまして、我々が審査するときにはこの3051ページの式を使って審査はしておりません。

3051ページの上の計算式がずっと書いてある、一番下にQイコール360分の1掛けるf掛けるA掛けるrとか書いてある下のところ。ここから上については特に審査項目として取り扱っておりませんで、ここは使っていない部分になります。

木内委員長

質問等の途中ではありますが、本日の調査査はこれで終了することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
それでは、本日調査はこれで終了します。

次回は、明日10月7日金曜日午前10時30分から再開します。

本日はこれをもって散会します。

(つづく)

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