加藤議員の一般質問(令和1年6月定例会)

町議会で質問する加藤議員

以下は、函南町議会(令和1年6月定例会)の会議録から、加藤常夫議員の軽井沢メガソーラー関連部分を抜粋したものです。

加藤常夫君
 軽井沢地区のメガソーラー事業計画について。
 2011年3月の福島第一原子力発電所の事故以降、国は自然エネルギーの利用を推進しています。経済産業省が推進する新エネルギー開発において、メガソーラーによる大規模開発事業が伊豆地域でもふえてきています。函南町においても軽井沢地区に大規模太陽光発電事業が計画され、地元区や下流域において、説明会の開催や事業概要が記載されたパンフレットの配布などが事業者により実施されていると伺っています。太陽光発電事業は、原子力発電にかわる安全なエネルギーとして推進されるべきですが、メガソーラーのように大規模な事業となると、環境や防災、景観などに多大な影響を与えることが想定されるため、町の土地利用等の事務手続には慎重な対応が必要と考えます。
 そこで伺います。
 (1)メガソーラーの事業計画概要は。
 (2)大規模な森林伐採や造成による河川や治水への影響はどうか。
 (3)現在、町の土地利用の手続はどのようになっているか。
 (4)今後のメガソーラー事業に対する町の対応は。
 (5)町の土地利用申請において関係区の位置づけは。

建設経済部長(前川修君)
 軽井沢地区のメガソーラー事業計画についての(1)メガソーラーの事業計画概要はについてお答えします。
 事業者より提出されました土地利用事前協議書によりますと、軽井沢地区に計画されている大規模太陽光発電施設の事業概要は、事業区域面積が約65ヘクタールで、そのうち約39ヘクタールの区域において、30.13ヘクタールの部分に太陽光パネルを10万200枚設置し、その他として3カ所の調整池0.99ヘクタール、通路3.2ヘクタール、緑地5.15ヘクタールを設置する計画であり、残りの約26ヘクタールは既存の樹木等を残す残置森林となっております。
 工事の期間は、着手から約14カ月で完了する予定となっており、施設完成後については20年間の売電を行い、施設を終了する場合は、法令に基づき事業者が責任をもって施設を撤去する計画となっております。
 また、附帯施設として、道路計画については管理用通路及び仮設通路を設置し、機材等を搬入出する計画となっており、工事車両は主要地方道熱海函南線及び町道軽井沢27号線を利用する計画となっております。排水計画については、雨水処理は区域内に新設する3カ所の調整池にて調整後、赤沢川及び丹那沢に放流する計画となっております。防災計画については、区域外周及び調整池の工事を優先的に進め、土砂及び雨水の流出を防止する計画となっており、河川改修は流下能力を検討した結果、実施しない計画となっております。公害防止計画については、工事中の土砂運搬車両等の騒音及び運搬車両からの土砂、砕石等が道路または側溝等の公共施設に悪影響を及ぼすことがないよう、専用責任者1名を配置するなどして公害防止に努める計画となっております。廃棄物処理計画につきましては、工事中に発生する廃棄物はごみコンテナを設置し、事業者が責任もって回収、処理する計画となっており、伐採した樹木は工事期間中現地に仮設する自走式破砕機で破砕し、造成緑地用の肥料として現地に散布し、残った分は場外へ搬出する計画となっております。
 本事業に関係する各種法令につきましては、森林法における林地開発許可が必要であり、申請書を平成30年10月31日付で県が受理しております。また、町の土地利用につきましても平成30年12月25日付で土地利用事業事前協議書を受理しております。
 続きまして、質問2の(2)大規模な森林伐採や造成による河川や治水への影響はどうかについてお答えします。
 大規模な森林伐採や造成による河川や治水への影響につきましては、事業区域面積約65ヘクタールのうち太陽光パネル10万200枚等や調整池などを設置する約39ヘクタールにおいて森林伐採を行う計画であり、調整池築造のために約15万立方メートルの切土やのり面形成のために約8万2,000立方メートルの盛り土を行う計画となっております。なお、盛り土材は切土を場内流用する予定であり、残土につきましては場外へ搬出する計画となっております。
 治水対策につきましては、雨水の処理を区域内に築造する3カ所の調整池で調整し、赤沢川及び丹那沢に放流する計画となっております。なお、赤沢川及び丹那沢につきましては、柿沢川に合流する普通河川となっております。
 調整池計画容量の算定方法については、都市計画法による開発行為の技術基準である、50年確率の短時間降雨強度104mm/hrを採用して調整池容量を決定しており、技術基準は満たしている排水計画となっております。しかしながら、近年、地球温暖化による異常気象やゲリラ豪雨等の発生が多発していることから、災害発生の危険性が全くないものとは考えておりません。
 続きまして、質問2の(3)現在、町の土地利用の手続はどのようになっているかについてお答えいたします。
 町の土地利用の手続の状況につきましては、平成30年12月25日付で土地利用事業事前協議書を受理しており、平成30年12月28日に1回目の土地利用対策部会を開催し、以降、平成31年1月29日、平成31年4月25日、令和元年5月24日と計4回の土地利用対策部会を開催し、審議をしております。
 また、本事業の規模が非常に大きく、環境に影響を与える事業であることから、令和元年5月21日には土地利用調査委員会に事業計画について諮問しており、審議の結果、今回の事業は防災、環境、景観等の観点から、不安な部分が見受けられるとの意見があり、地元の合意形成については必須で尊重しなければならないことなど、当該事業に対して慎重に対応すべきとの答申をいただいております。
 なお、土地利用の審議機関である土地利用対策部会では、地元自治会や下流域自治会の合意形成の確認が取れていないことや土地利用調査委員会の答申内容の尊重、町内における治水状況、景観まちづくり条例の施行等を踏まえ、今回の事業に対して同意しないという審議結果を出しており、令和元年5月30日付で事業者に通知をしております。
 また、森林法による林地開発許可申請については、県より当該事業に対する町の意見を求められており、平成31年4月17日付及び令和元年5月16日付で県の意見照会に対する回答を報告し、令和元年5月30日付で同意しないとした旨の報告もしております。
 続きまして、質問2の(4)今後のメガソーラー事業に対する町の対応はについてお答えいたします。
 今回の軽井沢地区における大規模太陽光発電事業につきましては、既に関係法令による手続が進んでいるところであり、全てにおいて条例等が適用されるものではございませんが、今後の大規模太陽光発電事業に対する町の対応につきましては、森林法や農地法などの各種法令の手続に加え、土地利用事業の適正化に関する指導要綱や土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例、景観まちづくり条例で、当該事業が適正であるかを審査することになりますけれども、平成30年12月4日に県が公表しました太陽光発電設備の適正導入に向けたモデルガイドラインが公表されたことから、伊東市・伊豆市・伊豆の国市などの近隣市町も新たな条例を制定していることから、6月定例会において、災害の発生を防ぎ、町民の安心・安全で生活しやすい環境を保全することを目的とした、再生可能エネルギー発電事業に関する新規条例を提出しており、可決後は3つの条例と要綱で、当該事業が適正であるかを審査することになります。
 続きまして、質問2の(5)町の土地利用申請において関係区の位置づけはについてお答えします。
 町の土地利用申請における関係区の位置づけにつきましては、土地利用事業の適正化に関する指導要綱別表個別基準の太陽光発電施設の中で、治水面や防災上の観点から、施行区域の下流域を含めた関係区長、周辺住民等利害関係者に対し、事業内容について十分な説明を行い、理解を得るよう努めることとなっております。
 なお、同意書につきましては、土地所有者の提出は求めておりますが、地元区や下流域などの関係区については、要綱上提出を求めていない状況にあります。
 しかし、町の方針としましては、土地利用などの審査において地元区や下流域などの関係区に対し説明会を開催し、事業のご理解を得ていただくものと考えております。
 以上でございます。

加藤常夫君
 まず最初に、すみません、(2)からの答弁、質問2というふうな言われ方しましたけれども、質問1ですので、質問1の(2)(3)(4)(5)ですので、ご理解いただきたいと思います。
 最初にまず、私、メガソーラーってどの程度の規模のものがメガソーラーなんですかという疑問を持ったんですが、メガソーラー、発電規模で決まるということらしいんです。1,000キロワット以上、これを発電するに3ヘクタール程度の面積が必要だということを伺いました。
 これは、私が今手に持っているのは、昨年の平成30年6月と12月に我々の同僚の大庭議員がこのメガソーラーについて質問されたときの記録、それをいただきました。その中で、大分細かく調べて質問されています。この資料をいただいたのが私が質問書を書いて出した後にいただいたもので、大分聞かなくてもよかったのかなという部分もありますが、いずれにしても、これを大庭さんの質問を読ませていただいた中で再質問させていただきます。
 まずは、最初に確認をさせていただきますが、今の計画ですと65ヘクタールの事業区域面積、そしてそのうちの約39ヘクタールの区域が実質的な計画ではないかというお話でした。約30ヘクタールに10万200枚のパネルを設置、10万200枚なんて想像つきませんよね。そして、調整池自体が約1ヘクタール、ここの部分で40メガワットの発電をして1万2,000戸分の電力を賄うことができるというような計画のようです。自分がちょっと想像してみた中で65ヘクタールの規模、そしてその中で、さらに39ヘクタールの区域のところに実質的にいろんな施設ができるということを考えますと、丹那盆地がすっかりと入ってしまう、あの丹那盆地がすっかりこの計画の中に入ってしまうのではないかと思われる面積なんです。ちょっと普通では考えられない、これメガソーラーではなくてウルトラメガソーラーですよ。
 我々が考えるに、いろんなことを考えますと、その地域の住民、下流域の住民が、当然こういうものについて不安や恐怖心を抱くのは当たり前の話だと思うんですが、二山越えた桑原の私でさえ、この計画って何だろうと考えるんです。こういうものが中山間地の山の中にできるということが下流域に及ぼす影響、それから地域の環境とか、もろもろの、後で再質問しますが、そういうものに与える影響ってどうなんだということを考えます。
 ここの場所は、ちょっと伺いたいんですが、たしか昭和の時代だと思いますけれども、平成ではないと思いましたが、一番最初リゾートか何かの関係で買収された土地ではありませんでしたか。その後、何回か転売されて今回のこの事業者に渡ったということではないんでしょうか。昭和ではない、平成ですか。しかし、この何回か転売された中で、当然土地は登記しなければなりませんから、町のほうでは登記されるたびに把握はしますよね。把握しませんでしたか。その辺をまず聞かせてください。

都市計画課長(江田朝夫君)
 土地の所有権につきましては、こちら規模が非常に大きいものですので、土地取引に関しまして、国土法の届け出というものが必要になっております。国土法の届け出がこれ町のほうに上がってきますので、町といたしましても、こちらにつきましては権利の移動があったということは把握のほうはしてございます。
 以上でございます。

加藤常夫君
 当然ですよね。これだけの広範囲の面積が売買されると、転売されてきているということについては当然町のほうも所有者がかわるわけですから、そういうところは把握していると思うんです。最終的にここの事業者、今回の事業者に何年ごろ買収されたのかわかりませんが、そのときに国土利用計画法については森林買収時に提出済みですというような形で計画書には載っておりますけれども、こういうときにこの事業者がどういう事業をやるかということは、町は把握していますよね、当然。そうしたら、私が思うには将来どういうことが起き得るかということを考えたら、もっと早く本来でしたらば、このメガソーラーに対する条例の制定というものに動くべきではなかったのかなと。この事業者から申請が出された後、県のモデルガイドラインですか、それが打ち出されて、いろんな期間を経て、町も今回新規条例が上程されます。新規条例上程のときにちょっと伺いましたけれども、事前にこういうものをつくっておけば、今回のこの事業にも当てはめられたはずだと。そうすれば町としたら、もう少し町の態度というか進むべき道がはっきりしていたのではないかなと思うんです。
 仁科町長にかわって、町長はよく現場主義、それからスピード感を持ってということを前提に動かれております。僕はそういうところは大いに期待していきたいと思っていますし、実際それなりの動きはしていただいていると思います。ただ、こういうものについても、もう職員の皆さんが早くに察知したものについては事前にいろんなものを協議して、早く条例なりその手当てをするということが必要ではないかなと考えています。ぜひその辺は、これから先もいろんなことが起きると思いますけれども、町内の事業といいますか、町外からのそういうものに対しては、なるべく早くスピード感を持って対処していただきたいなと考えております。
 それでは再質問に入ります。
 あらかたのことは、今までこのメガソーラーについては大庭議員が聞いておりますので、その後のものについて私がちょっと聞かせていただきたいと思います。
 一番最初のこの再質問の中で、平成30年10月31日にこの事業者が林地開発の許可申請を県に提出しています。事業計画の中にもありますが、そして見込みとしたら、平成31年2月28日に許可見込みというふうな形でうたっております。そのときに、その許可の見込みを出しているときに、函南町の土地利用につきましても、土地利用事業事前協議書提出済みですと、林地開発許可と同時に承認見込みという書き方をしておりますけれども、林地開発の許可申請、その後は県のほうどうなっているかちょっと伺います。

都市計画課長(江田朝夫君)
 県の林地開発の許可申請でございますけれども、こちらにつきましては平成30年10月31日に県の東部農林事務所において受理のほうをされております。その後、平成31年3月13日には県の静岡県森林審議会が開催され、4月4日には審議会から県知事に対して答申があったとこのように伺っております。
 町では、当該林地開発許可に係る意見書を4月17日付及び令和元年5月16日付にて県のほうに回答のほうをしてございます。4月17日付では、土地利用対策部会で現在審議中であるということを回答いたしまして、5月16日付では、当該の申請につきましては非常に規模が大きく、環境、防災、景観への影響が大きく懸念されるため、慎重な審議をお願いしたいということで回答のほうをしてあります。
 また、5月30日には、町の土地利用対策部会での審議結果について同意しないということを県に報告をしてございます。県では、現在、県の森林審議会の答申や町の意見書等を参考にして、現在審議しているということで伺っております。
 以上でございます。

加藤常夫君
 わかりました。けさの朝礼でもありましたが、これ公表してしまっていいのかな、まだまずい、いいんですか。朝の朝礼で我々議員のほうに町のほうから、軽井沢地区における大規模太陽光発電事業の土地利用事前協議結果についてという形で報告を受けました。それには、事前協議の結果、同意しないというような話を聞かされました。これだけのものをやっぱり計画する中で、なかなか周辺地域の皆さん、それから下流域、そして一番は町民の皆さんの同意というのも、同意といいますか、合意形成がなされないやつはなかなか難しいのではないかなと思います。
 経済産業省が自然エネルギーを打ち出しているというのはよくわかりますし、そういうものも必要だと僕も考えております。原子力発電よりもこういうもののほうがいいのではないのかなという気はいたしますけれども、ただ、それも大庭さんが言っているように規模の問題ですよ。やっぱりこれだけの規模になると、おいそれとなかなか同意というのは難しいのではないかなと思いますが、その中でこの事業者についてちょっと伺いたいんですけれども、今回、軽井沢地区での計画ではありますけれども、ほかの県内、県外での発電事業も行っているかどうか、当然函南町でこういうふうな事業計画を起こそうという場合には、ほかのところも行われているのではないかなと思いますけれども、その辺は調べてみたかどうか。
 そして、もう一つ、当然こういう会社が事業計画を打ち出してくるには、少なくともその会社の財務、要は企業内容についても、町はある程度は調べられるのではないかなと思うんですが、その辺の経過を教えていただきたいと思います。

都市計画課長(江田朝夫君)
 同事業者による発電事業の実績につきましては、同事業者のホームページで確認できたものとしまして、16件で20市町村に大規模なものから小規模なものまで35件ほどの事例が紹介をされております。当町と今軽井沢で計画中のもの、同規模、同程度の約40メガワットのものの稼働の施設といたしましては、大分県の大分市で28メガワットのもの、栃木県那須烏山市で48メガワットのものが挙げられております。
 事業者が、事業を実際稼働しているところの各市町村に電話でちょっと連絡をとりまして、状況についてお伺いをしたところ、地域住民から苦情や反対の署名活動があったという市町村というのもございました。また、苦情等が全くなかったという市町村というのもこれございました。群馬県内のある自治体では、これは1.6メガワットとちょっと小さい太陽光なんですが、近隣の方が反対いたしまして、事業者が説明会を開催いたしましたが、理解が得られなかったと。その自治体の土地利用では不同意、同意をしなかったということですが、県の林地開発許可が得られたため、現在は稼働している、こういうようなところもございました。
 こちらの事業者の財務、資金計画等につきましては、今現在は事前協議という段階で資金計画のほうは求めていないというところが現状でございまして、本申請の段階では資金計画、それとか、もし融資を受けるのであれば金融機関の証明等を添付させる、このような指導をするものでございます。
 以上でございます。

加藤常夫君
 今の説明ですと、当然その1.6メガという中でのその行政区、地域住民は反対したけれども、県の林地承諾は得ていると、許可がおりているということの中で、今進められているというお話を伺いましたけれども、函南町の場合も今回同意しませんよというような返事をいただいていると、まずその話先にさせてもらいますが、そうすると県のほうにそういう旨を伝えてあっても、それから事業者にそういう旨を伝えてあっても、書類上不備がなければ事業は続行といいますか、計画が進められるということもあり得るわけですよね。その辺はどうなんでしょう。

都市計画課長(江田朝夫君)
 県の林地開発につきましては、これ法令に基づく許認可でございまして、県といたしましては法の基準に適合しているものであるものであれば、こちらにつきましては許可のほうは出さざるを得ないということは県のほうからは伺ってはおります。
 以上でございます。

加藤常夫君
 函南町で今回新規条例、それから今までの要綱だとか、先ほどのちょっと答弁の中にありましたけれども、3つの条例、今回の新規条例が可決した場合ですけれども、それを含めた中で3つの条例と1つの要綱で、ある程度規制をかけられる、全部が全部ソーラーがだめだというわけではないんでしょうけれども、設置場所、要はそういうものについて規制がかけられるというようなお話も伺いましたけれども、その函南町の条例や要綱の上位法である県の林地開発の許可がおりれば、どうなんですか。町のこの条例とか要綱は効力を発揮するんですか。その辺をちょっとお伺いしてください。

建設経済部長(前川修君)
 今回の事業計画ですけれども、原則まだ県のほうの許認可、いわゆる許可がおりているとか、そういったものについては一切まだ通知がされていませんので、何とも言えませんけれども、今、議員がおっしゃられたとおりに、町は不同意、同意しないというような審議結果を通知してあります。
 あとは、県がどういう判断をするかということになると思いますけれども、そのときに当然県のほうが法の中で許可をもしした場合については、あとは当然業者さんの出方なんですけれども、町はあくまでも土地利用の事前協議で、町は同意しませんということですから、この計画は認めませんよということで、やめてくださいという意思通知でありますので、それにしっかりと従っていただければ事業はやらないということになりますけれども、そうではなくて基本的に許認可、法の許認可はとったんだと、あくまでも町は指導要綱ということで行政指導になりますので、そういったものでそこを無視してくれば、実際に現場のほうへ着手する可能性は十分にあるものと考えております。
 以上です。

加藤常夫君
 なかなか難しい問題だと思うんですけれども、確かに自然エネルギーの推進といいますか、推奨ということについては、僕は原子力よりもいいと考えております。今の科学では原子力発電をしたものについての燃料棒につきましても何しても、とても分解もできないし処理もできない、自然の形の中で埋めるしかない、そういうことを考えますと、この自然エネルギーというような形を考えるとこちらのほうのがよっぽど安全ではないかなと考えますけれども。ただ、やっぱりこれだけの面積の二山越えた僕のところの部落にも、そういう不安感といいますか、恐怖心のようなものを植えつけられるといいますか、計画どおりにいけば何もないというような計画書を出していますけれども、何が起きるかわからない、正直なところ。広島や四国の昨年、一昨年ですか、ああいう自然災害を視察もしてきて見てきた中で目の当たりに見た中で、起きてしまったらどうにもならないというのがあるわけですよ。いろんな事業の開発とか、瞬間的な豪雨の関係で堤防が破堤したとか越水したとかということもあるし、山林の開発、そういうものも影響している部分があると思いますけれども、被害に遭った人たちについては、それから先を考えると自分の生活が一変してしまうと、今回のこういうものが全くなくて、災害がなくて当たり前、だけれども、確約できないでしょう。
 これは難しい問題だと僕は捉えますけれども、ただ、町が先ほど言ったように新規条例だとか、ほかの条例、そして要綱を出されても、きょう説明も受けましたが、そういうものの上位法にある県のほうの林地開発許可証、書類が整備されれば県は許可せざるを得ないという中で、どうなんだろうという思いを持っているんですけれども、これは町に頑張っていただくしかないと思うんですけれども。

町長(仁科喜世志君)
 お答えします。
 法と、住民生活に直結した安心・安全の町民を守るということのせめぎ合いになるわけですけれども、この条例には直接かかわらないメガソーラーですけれども、スピード感を持って、この場でおくれているというまずそこからお話させてもらいます。
 今まで函南町は、ヒューマンヒルズの中にもメガソーラーとは言いませんけれども、太陽光の施設がありました。そこにおいては、町は指導要綱の中で対応していきますというふうに言い切ってきましたし、またそれによって、いろんな経緯がありますけれども、断念した結果があります。
 そして、その間、今度は伊東市、伊豆市、あるいは富士宮、それぞれの違った中でメガソーラーの進出の事業に対するいろんな情報が入りました。伊東でもご案内のとおり、伊豆市でもご案内のとおり、富士宮の場合は富士山、文化遺産ということで景観というものが先にしていましたから、自然災害的なものがあっての条例ではなかった。
 昨年の4月以降、35の自治体に県が中心になって、このメガソーラーに対する考え方を、県中心として考えていただきたいと、規制を中心としたり、あるいは日本のエネルギーの供給率が6%という経済産業省からの数値も出ておりますけれども、私自身はエネルギーは多種多様、多岐にわたるもので、特に再生可能エネルギーというのはこれから重要視していかなければならないという立場も認識はしております。
 そして、今までの伊東市、伊豆市の既存の条例では事業者が、企業者ですね、行政訴訟、あるいは当事者同士の訴訟まで発展をしてしまっているという、いわゆるしっかりした規制ととめるだけのものが備われない。私自身は、12月4日に県のガイドラインが出てきたときに、それでは少し他の事例からいくと甘いという考え方に達しまして、ペナルティーなり、それなりの強いものをもう少し載せてもらいたいと、それをずっと顧問弁護士さんと事務方と協議をさせていました。
 しかしながら、結果的には個人の例えば家の放置も、それについて撤去だとか代執行だとか、そういうものもできない課題が条例のペナルティーになることはいかがかという結論に達して、勧告とか、それから撤去についても比較していただくと、うちのほうのが重いには重いんですけれども、歯どめに欠けるというところまではどうしても条例上の弱さといいますか、法令の既存の民法上の法律とかそういうものと照らし合わせると、なかなか条例がそれよりも先にいかないという現実に当たりまして、今回は新規条例を提供しているわけですけれども、このメガソーラーにつきましては、法で机上の計算の中で、県が仮に法に照らして許認可でおりてきたとしても、私どもは住民の生活、特に安心・安全の不安の払拭がない限りは、町の姿勢としては貫いていきたいと思いますし、また、法令が押し寄せてきた結果と住民とのせめぎ合いの中には、場合によっては住民パワーもあるかもわかりませんし、署名もあるかもわかりませんし、そういう町と地域住民と一体となった活動とか行動が必要になってくるのかなと。
 それから加えまして、平成10年の8月大災害には、この地域の事業地の最終流末は柿沢川になります。柿沢川につきましては、4名の亡くなった方と負傷した人がいます。そして圧倒的に流域の畑毛や新田や伊豆の国市の長崎、奈古谷、それから大仙区、そういう方々のところにも柿沢川治水組合といって、水の治水上の組合が住民の自発的に50年以上の歴史をもって、今も国や県へ河川整備や治水上の要望を上げているのも議員がご承知のとおりだと思います。なかなかそういう方々から合意とか水の恐怖、水害、払拭はできませんし、そういうものを前面に立って不同意としたわけでございますので、力関係で及ばない部分もあるかもわかりませんけれども、住民の生活を守るということを前面に出して、私どもは進んでいきたいというふうに考えております。ぜひともご理解をいただき、また皆様方のご理解とご協力と、またご指導いただきたいと思います。
 以上でございます。

加藤常夫君
 先に町長にご返事をいただいて、途中で町長のお考え聞こうかと思っていたんですけれども、今のお話を聞く中で函南町としてもきちっと対処いただけると、僕も平成10年の函南町の大災害、記憶に残っています。うちのほうは大したことなかったんですけれども、農協に出荷に行くときに下へ下ってきたら一面水浸し、どこの道路も通れない、こういう中での10年のあの大災害の復旧・復興といいますか、それについては莫大な費用と人力が費やされたというのはよく承知しております。
 函南町は、昔からこの水の問題については当然いろんな形の中で敏感になる、狩野川もそうですし、それから大場川も函南の中で合流するわけですから、そういう面ではなかなか他市町とちょっと違ったところもあると思いますが、そういう水の被害というものについては皆さん、なかなか払拭できない部分もあると思います。
 今回、先ほど町長が言われたヒューマンヒルズ区の問題もありますけれども、たまたま自分がそのとき議長をやらせていただいておりまして、あの当時、ヒューマンヒルズ区から出られた議員の方が、当初の約束と企業との間との交わしたものが違うという形の中で、太陽光発電の計画が起きたわけです。それについても、桑村小学校の南側斜面ということもありまして、学区の問題として捉えて、学区の中で署名運動を起こしたというような記憶が残っております。当時、ヒューマンヒルズ区の皆さんも随分反対をされて、そのときに町もそれなりの対処の仕方もしたんですが、そのときに僕は将来こういう問題も起きるなというので、条例の制定とか罰則とかそういうものも将来を見据えて制定したらどうだというような話を、たしか自分としたら町に提言したような記憶が残っています。その当時は、たしか町長は県会議員の立場におられて、県のほうでもこういう話を聞かれたと思うんですが、その太陽光の問題につきまして。
 今回、町長として執政をとり行うわけですけれども、いろんな形でやっぱりここに住んでいる町民の安全・安心といいますか、そういうものに配慮していただいた中での執行ですか、そういうものを心がけてというよりも、とり行っていただけるというようなお話も出ていますので、今回これについての質問は、町の姿勢を見させていただいた中で終わりといたします。ぜひこういう問題については、いろんな形の中で対処しなければなりませんかもしれませんけれども、よろしく私たちの生活の安全が守られますようにお願いしたいと思います。