「議会だより」の間違いを指摘する

函南町12月議会の内容を伝える議会だよりNo176が発行されました。
ここでは、軽井沢メガソーラー問題に関する意見、答弁に多くの間違いがあることを指摘し解説します。

軽井沢のメガソーラー計画について
条例は適用できない※1

古村高

質問
条例9条1項のみならず同項の町長による不同意伝達は可能であると考えるが、なぜ条例適用に踏み切れないのか。
函南町の条例は他の市町と異なり、事業者有利にならぬように町は修正したが、結果として業者有利になったのでは。
「住民が反対し議員も条例適用に賛成し町長が条例適用と言えば行政もついていく」との発言もあったがいかがか。

答弁
法の不遡及の一般原則に反している。※2条例条を文言どおりには適用できない。
県のモデルガイドラインに合わせた。着手時期に関しては書類の受付日を事業着手と考えている。※3
発言は意見を述べただけで、町の方針ではない。

議会だよりNo176、P10「一般質問Q&A」より。

 

※1 条例は適用できます。

※2 不遡及の原則には反しません。
根拠
・森林法、環境アセス条例を含め関係法令の規定により、工事着手していない以上、適用できます。
・遡及問題が起こらないことは裁判( 判例 ) で明らかになっています。

※3 県のモデルガイドラインは届出時期を示しただけ
県の責任者から「モデルガイドラインは、届出時期を示しただけで事業着手と定義はしていません」との回答を得ています。
函南町のように、受付日を事業の着手と考えている市町は、全国に存在しません。

条例への遡及適用はできない
杉村 清

請願第3号については9月定例会で不採択になった請願第2号「条例施行と同時にメガソーラー事業者に対し条例適用を求める」という内容は同様であり、また特別委員会での不採択の理由は、事業着手後施行した条例を遡っての適用はできないというものです。
この事業着手の時期の考え方が、相互の解釈の違いとなり請願採択に至らないところです。函南町議会は9月定例会でメガソーラー反対を決議しており、私自身も函南町民として設置計画には断固反対です。
ただ請願第2号が不採択となり、今日までの間に事業着手の時期に対する考えを覆す理論に至らないことから※4前回の請願と同様、条例適用を町に求めることはできないとの結論に至りました。

議会だよりNo176、P4より。

 

※4 法令をしっかり勉強して頂ければ、条例が法的に何の問題も無く、適用が出来ることをご理解されるものと期待しています。
議員は、防災の専門家ですから、住民の命が掛かった問題であることは認識されていると思いますので、是非、その知見を活かし、頑張って頂きたいと思います。

条例適用は適切ではない
長澤 務

本条例第9条第1項で規定されている届け出なければならない時期は、「事業に係る法令の規定に基づく許認可等の申請又は届出の前までに」とあり、令和元年10月1日の条例施行時において、本案件は、県に事業開始を条例で意味する許認可等の申請がなされていることから、届け出なければならない時期を既に過ぎており、本条例の適用は事業者に物理的に無理であることを強いることになる。※5
今後は環境評価に対しての町の意見書の提出※6や、その後の町に対して事業者からの個別申請など設置に対して不同意に基づく手立てがある。※7
以上のことから本請願については、条例適用は適切ではないとして、反対討論とする。

議会だよりNo176、P4より。

 

※5 無理であるなら、伊東市は、なぜ、適用出来たのでしょう。他の市町も同じ考えです。(函南町だけが異質な考えです。)

※6 意見書の採用・不採用は業者の判断(法的拘束力なし。)

※7 根拠と手段・方法を是非、知りたいものです。

函南町議会だよりNo176
議会だより No176(解説)