伊東市の「実質的勝訴」と函南町

静岡新聞(2021年5月2日版)

重要なのはメガソーガー事業者が撤退するか否か

この判決で「条例違反である」と認定されたことはとても重要であり、今後、経産省がFITの認定を取り消す場合の根拠となります。
中田次城(静岡県議会議員)

伊東市では、条例施行前に工事が開始していたか否かで行政と事業者の主張が割れていました。施行日前に工事着工であれば条例が適用できないからです。
今回の判決は条例が適用されていることを認めた上で条例違反が認定されるかたちとなりました。

同市で同規模のメガソーラーを計画していたブルーキャピタル社も条例の適用が大きなきっかけとなり撤退しています。
実際にFIT認定が取り消されなくともその可能性が高まれば事業者は撤退せざるを得ないのです。

環境アセスで事業は止まらない
しかし、その前に条例を適用すれば事業は止まる

函南町もまた「行政権の乱用」を心配し、それを理由に条例の適用を戸惑っています。
しかし、その心配が杞憂に過ぎないことがこの判決により証明されました。
あとは仁科町長が英断を下すだけです。

財産権より生存権の方が優先する