2022年12月8日、函南町議会において古村高議員による「軽井沢メガソーラーの最新状況について」の一般質問が行われました。
古村議員
函南町軽井沢メガソーラー計画に関してお聞きします。
10月28日に公表されたように、函南町は事業者の名称を公表し、全面的にこのメガソーラー建設阻止に向け立ち向かっていますが、このような状況で以下をお聞
(1)10月28日の町の公表内容を教えてください。
(2)今後、国の認定済みID失効制度においてどのような対応になりますか。
(3)環境アセスも継続して重要になると思われますが、それはどのようにかかわってきますか。
(4)同様に認定済みID失効制度において林地開発許可の取り消しも重要ですが、それはどのような状況ですか。
建設経済部長
古村議員のご質問の「1.軽井沢メガソーラーの最新状況について」の「(1)10月28日の町の公表内容を教えてください。」についてお答えいたします。
町は令和4年10月28日に「函南町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例」第十六条第一項の規定に基づく事業者の氏名等の公表をいたしました。
町は事業者に令和3年10月27日の事業変更に対して条例に基づく不同意を通知し、その後事業を継続する場合は町長の同意を得るよう条例に基づき指導、助言、勧告をいたしましたが、町長の同意取得の動きが見受けられないことから、事業者の氏名及び所在地、公表の理由、勧告内容を公表したもので、公表した事業者は株式会社トーエネックと株式会社ブルーキャピタルマネジメントの2社であります。
その公表理由としましては、条例第十五条第二項の規定による勧告を受けたこれらの事業者が当該勧告に従わなかったことによるものです。
勧告内容につきましては、事業者から提出のありました条例第九条第二項の届出に対して町は不同意を通知し、不同意の事業を継続する場合は同条例第九条第三項の規定に基づき、町長の同意を取得するよう指導いたしましたが、その後、事業地において地盤調査を実施するなど、当該事業を継続することが確認されたため、直ちに町長の同意を取得するよう勧告を行ったものです。
公表は告示、町ホームページへの掲載、報道機関への投げ込みを行い、同日、経済産業省へ情報提供を行いました。
続きまして、ご質問1の「(2)今後、国の認定済みID失効制度においてどのような対応になりますか」についてお答えいたします。
国の対応といたしまして、資源エネルギー庁からの情報では令和4年11月4日のホームページに令和4年4月の「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」の改正により、認定後、一定期間内に運転を開始しない場合に、太陽光発電事業の認定が失効する失効認定制度が導入され、運転開始に向けた進捗状況に応じた執行期限日が定められ、執行期限日の猶予に必要な手続きにかんする案内がされております。
その内容によりますと、令和4年3月30日以前に運転開始期限を迎え、平成31年3月以前に認定を受けた太陽光発電事業は、令和5年3月31日までに系統連系工事着工申込書が一般送配電事業者に受領されない場合、その日が失効期限となり、令和5年3月31日までに系統連系工事着工申込書が受領された場合の失効期日は令和7年3月31日となります。
また、平成24年度から平成28年度に認定され、平成28年7月31日までに接続契約をした未稼働太陽光措置の対象となる事業につきましては、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に系統連携工事着工申込書が受領された場合は、当該受領日から4年が経過した日が失効期限となります。
また、令和5年3月31日までに系統連系工事着工申込書が受領され、かつ工事計画届出の受領、あるいは環境影響評価準備書に対する手続等が経済産業大臣によって確認された場合は、調達期間の終了まで失効を猶予するというものです。
町といたしましては、引き続き軽井沢地区における大規模太陽光発電事業についての情報を収集に努めてまいります。
続きまして、ご質問1の「(3)環境アセスの継続して重要となると思いますが、それはどのようにかかわっていきますか」についてお答えいたします。
資源エネルギー庁からの情報によりますと、系統連携工事着工申込書が提出時点において、発電設備を設置する土地の使用権限が得られていること、農振除外及び農地転用許可の取得または届け出の受理ができていること、林地開発許可の取得ができていること、いずれも必要な場合に限りますが、これらが系統連携工事着工申込書の提出要件となり、未稼働太陽光措置対象についてはこれらの要件に加え、提出時において環境影響評価法または条例に基づく環境影響評価に係る評価書の公告及び縦覧が終了していることが要件となることが案内されております。
軽井沢地区における大規模太陽光発電事業につきましては、接続契約が民間での契約行為であることから未稼働太陽光措置対象に該当するかは不明であります。
続きまして、ご質問1の「(4)同様に認定済みID失効制度において林地開発許可の取り消しも重要ですが、それはどのような状況ですか」についてお答えいたします。
町は、令和4年5月6日及び6月28日付で、県に対し林地開発行為許可の再考を求める要望書を提出し、許可の取り消しも含めた再審査等を改めて強く要望いたしました。
その中で、防災施設の設計変更が許可後の訂正という軽微な手続で足りるとは考えられないこと。送電線等の区域について町が持っている林地開発行為許可申請書の副本では確認できないが、いつどのような手続で当該区域の図面が県に提出されたのかなど、県として町として疑義が生じている点の回答を求めるほか、河川管理者として事業者と河川協議を行った事実はないことを改めて主張いたしました。
また、県議会におきまして「丹那の自然といのちを守る会」から提出された「(仮称)函南太陽光発電事業計画の林地開発行為の許可について、県議会での検証を求める請願」を全会一致で採択していただき、令和4年10月6日〜7日に静岡県議会産業委員会において、県が林地開発許可をした経緯を検証する集中審査が行われました。
この集中審査の中で、県の主張と町の見解に相違があることから、町は11月29日に県議会へ要望書を提出しており、今後の県議会での動きを注視していきたいと考えております。
町は条例違反の事業者トーエネック、ブルーキャピタルマネジメントの社名を公表
古村議員
詳しい回答ありがとうございます。
町は法的な部分も弁護士に確認しながら、事業者にしっかり対応してくれているわけであり、大変頼もしく思います。
町が町民を守る覚悟があらわれています。大変ありがとうございます。
質問(1)の要点を確認させてください。
先ほど報告がありましたように、令和3年10月27日に事業の変更に対して条例に基づく不同意を、このときは14の理由をつけて通知していただきましたね。その後、事業を継続する場合は町長の同意を得るように、これは令和3年11月5日に指導、助言、勧告を行ったわけですね。
この点、もう一度確認させてください。
都市計画課長
事業者から提出のありました、条例第九条第二項の届出に対しましては、令和3年10月27日に不同意を通知し、その後、同年11月5日には条例第十五条第一項の規定により指導助言を行っております。
古村議員
その後、本年に入り町は5月に無許可で事業に関わる事業者のボーリング調査が行われていること。6月には再度事業継続や町の同意を得るように勧告を実施したわけですね。再度確認します。
都市計画課長
ご質問のとおり、本年5月に事業者が町長の同意を得ないまま事業を継続していることが現地で確認できましたことから、6月30日に条例第十五条第二項の規定により勧告を実施いたしました。
古村議員
その後、何度か事業者と町との文書でのやりとりがあり、町も弁護士との協議も続ける中、町長の同意を得る動きがないことから、事業者の氏名公表に踏み切ったわけですね。この点も確認します。
都市計画課長
ご質問のとおり、本年10月28日付で条例第十六条第一項の規定に基づきまして、条例に違反する事業者の氏名等を公表し、また同日付で違反事案について経済産業省への情報提供を実施いたしました。
古村議員
このような中、事業者であるトーエネックはこの10月28日の公表に合わせたかのように、114億円の特損を発表しましたが、これは軽井沢メガの事業をこの事業者は諦めるということになるのとなるのでしょうか確認します。
都市計画課長
特別損失の発表につきましては、事業者の判断となりますので、町として言及はできませんが、引き続き事業の状況を注視し、できる限りの対応を続けていきたいと考えております。
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認定ID失効の可能性について
古村議員
社会的に信用のある大企業であるトーエネックは徐々に手を引くのでしょうが、実際に事業を運営しているブルーキャピタル社はまだ諦めていませんね。
今後の対応が非常に重要になると思います。
では、質問(2)認定ずみ失効制度に移りますが、この認定済みID失効制度はちょうど10年前の2012年から始まったFIT法、いわゆる固定買い取り制度を大きく改め、10年経って本年4月からFIP(フィードインプレミアム)法として、それまでの開発事業者優遇の制度から開発済みの太陽光発電施設の維持管理に重きを置き、今後50年100年先まで施設を安全に管理維持し、補修し、運用できるところに重きを置いた形になっているわけですが、その反面危険な山間地を伐採、危険な盛土を行い、近隣地域住民の安全安心を脅かすような太陽光開発事業の認定済みID、既に認定されたIDを強制的に失効させることができるようになった点が大きく評価できますが、この理解でよろしいでしょうか、確認します。
都市計画課長
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に改正が生じたことは把握しておりますが、町といたしましては当該法律について評価する立場ではないという認識でおります。
古村議員
ありがとうございます。
先ほどの部長の回答は、(2)の部分ですが、事業者の最初の届け出、登録時期により非常に複雑になっており、先の部長の回答のようにですね、この11月4日に特にわかりにくいこの制度を確かめる文書がわざわざ経産省資源エネルギー庁から出ているわけですね。
軽井沢メガがどのような期間の届け出、登録であったかを今一度確認し、どのようにこの認定済みID失効制度にかかわるか確認したいと思います。
平成28年7月31日までに接続契約をした未稼働太陽光措置の対象となる事業については、令和5年3月31日までの間に系統連系工事着工申込書が受領されない場合は、認定済みIDが失効するという理解でよろしいですね。
都市計画課長
ご質問の未稼働太陽光措置の対象となる事業に係る認定IDの失効につきましては、系統連携工事着工申込書を一般配送電事業者が令和5年3月31日までに受領されない場合は、令和5年3月31日を執行期限日とすると資源エネルギー庁のホームページに案内がされていることを確認しております。
古村議員
つまり系統連系工事着工申込書の要件に林地開発許可に加え、環境アセスも入るという理解でよろしいですですか。回答をお願いします。
都市計画課長
先ほどの建設経済部長の答弁のとおり、未稼働太陽光措置の対象案件に該当する場合には、系統連系工事着工申込書の提出要件として土地の使用権限が得られていること、農振除外及び農地転用許可の取得又は届け出の受理ができていること、林地開発許可の取得ができていること。
これらはいずれも必要な場合に限りますが、そしてこれらの要件に加えて環境影響評価に係る評価書の公告及び縦覧が終了していることが、資源エネルギー庁のホームページに案内されていることを確認しております。
古村議員
このような形になるためには、平成28年7月31日までに接続契約、一番最初に業者が電力会社と締結する契約接続契約ですね。これをしているかどうかによるわけですが、当然ながら2014年、平成26年ですかね、届け出をしIDを取得した、今回のはそういう案件ですから、接続契約を完了していると思われますがいかがでしょう。
都市計画課長
先ほどの建設経済部長の答弁にもありましたが、接続契約が民間での契約行為でありまして、契約締結日が不明なことから、未稼働太陽光措置の対象案件になるかどうかは不明です。
環境影響評価への対応は引き続き重要
古村議員
そうですね残念ながら、この点は民民の契約、つまり民間業者ブルーキャピタルと、民間業者東京電力のとの間の契約で、いまだもってこの部分の最初の部分の接続契約がなされているかどうかがわかっていません。
現時点で、この一年間ですね、経済産業省と資源エネルギー庁と何度か直接Web会議で確認してまいりましたが、丹那の皆さんと一緒にですね、経産省に情報公開請求をしており、近日中にこの点がやっとわかるはずです。
ですので、もし平成28年7月31日までに接続完了していない場合は、環境アセスが要件から外れるので系統連携工事着工申し込みを今の時点でも事業者は出せるわけなんですよね。
令和5年、来年3月31日までに系統連系工事着工申込者が譲渡されていた場合の執行期限は、令和7年3月31日となります。事業者はこのときまでに環境アセスを終えれば工事着手に至る可能性が残るわけです。
ですので、建設反対派である我々には、まだまだ環境アセスが非常に重要であることを再認識し認識し、今後の準備書、評価書への対応も、以前の方法書千件以上の準備意見を出していただきましたが、これと同じくしっかりやる必要があるわけです。
この理解でよろしいですね。
都市計画課長
平成28年7月31日までに接続契約を締結していない場合は、未稼働太陽光措置の対象案件には該当しないことから、系統連携工事着工申込書の提出に当たり、環境影響評価に関する手続は除外されることとなりますので、ご質問のとおり、環境影響評価への対応は引き続き重要なものであるという認識でおります。
古村議員
ありがとうございます。
さて、最後に(4)の林地開発許可の取り消しにかかわる件ですが、11月26日夕刻に丹那の農村環境改善センターで県議連からの報告会が開催されましたが、その内容で林地開発許可取り消しにつながる可能性が高まったと思います。
丹那の守る会の皆さんと連携し、町議会として林地開発許可取り消しの請願を出すべきだと思いますが、これも最新の状況では我々議会がしっかり対応していかないといけないわけで、既に議員15名全員の署名も一昨日ですかね、関連の区長さん、それから関連の方々の署名もなされ、林地開発許可取り消しの新たな請願が出されました。
また、一昨日、12月6日の県議会で「林地開発許可の許可要件を満たしていない計画を許可しているという現状が問題である」と、県のプロジェクトチームの県議が代表質問し、県の農林水産担当部長さんが「特に計画内容が審査基準に適合することを確認できるまで、工事を着工しないように指導を徹底している」また「事業者が管理者から書面で同意を得るように徹底している」との回答であり、取り消しにつながるかどうかわかりませんが、県の厳しい対応の状況がうかがえる状況です。
この辺は、ダイヤランドのホームページに詳しく動画も含めて掲載されているので、ぜひ皆さんご覧いただきたいと思います。
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→ 函南太陽光発電事業計画における“不適切な”林地開発許可手続について
ID取り消しになってもならなくても、その先で事業者か第三者に今回の事業地が売却されると状況はさらに複雑になりますが、その場合、町の太陽光条例、現行の太陽光条例は新たな事業者に適用されると考えてよろしいです
都市計画課長
古村議員が懸念されますとおり、事業に関する権利等が売却されることも十分考えられますが、その際には「函南町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例」の規定により、事業の変更に関する町長の同意を取得する必要があるものと考えております。
古村議員
ありがとうございます。
林地開発許可の不備は明確になり、河川協議も実施されていないことが明確になり、そのことの報告会も県議のプロジェクトチームにより10月26日に行われ、さらに三日前に県議会の代表質問もありました。
あとは林地開発許可の取り消しがなされるように、新たな請願も出しましたし、何とか県議会で議決され、静岡県としてこの林地開発許可が取り消されることを祈るわけですが、まだ予断は許しません。
繰り返しますが、最後まで建設阻止の活動を継続し、住民運動を継続し、林発が取り消されない場合は、他の事業者への土地及びID売却承継もあり、令和7年3月末までは気を抜けないわけです。
しっかりこの点を確認したいと思います。