集中審査会議録(2)

函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査
2日目(前半)

これは静岡県が公開する委員会会議録を基に当サイトが独自の編集を加えたものです。
オリジナルの会議録は静岡県公式ホームページをご覧ください。

静岡県公式ホームページ委員会会議録

令和4年9月定例会産業委員会(2022/10/07)前半

木内委員長

ただいまから委員会を再開します。
傍聴人の方に申し上げます。
傍聴証の裏面の記載事項をよく守って、静粛に傍聴されるようお願いします。

昨日に引き続き函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査を行います。
質問等を継続します。
当局より、昨日の内容について説明がありますので、先に指名します。

大川井森林保全課長

昨日、改めて御答弁しますとお話ししました4項目について御説明いたします。
まず1点目です。

林地開発調書に、当該事業区域内に直接水源を依存する区域はないと書かれているが、どのように確認したのか、それを示す書類はと御質問がございました。
それにつきまして当時の担当者に確認したところ、グーグルマップ、登記簿の権利欄、現地確認等により事業区域内に取水施設やため池等がないことを確認したとのことです。一般的には、取水施設等がある場合は記録を作成しますが、取水施設等がない場合は記録を作成しておりません。また許可当時、地域の実情に詳しい町長への意見照会や町の職員の聞き取りにおいて水の確保に関する懸念が示されなかったこともあり、県が水の確保に支障がないと判断いたしました。

当時、函南町に対し町長の意見の内容を確認した復命書に森林法の4要件について支障がないことを確認したことが記載されています。そのページが資料のAファイルの4029ページになります。
これは、2ページ前の4027ページの復命書についている資料になります。4029ページの4番、確認事項まとめの、1つ目の丸のところ、今回お聞きした内容からは4要件に該当する具体的な内容は見当たらなかった、一番下の、以上の内容についてという、具体的な、県から町に伝達して町からは異論はなかったということです。
一応、以上の記録から町に確認した記録が確認できます。

続きまして、2点目、林地開発調書に地元区(軽井沢地区)合意書取得済みと書かれているが、書き方は適正かでございます。

事業者から提出された文書の表題が合意書と書かれていたため、そのまま林地開発調書に記載しましたが、森林審議会において県は、事業者からは地元区長と今後協定を締結するに当たり協議することに合意した旨の合意書が提出されているが、地区内に反対している方がいることから区の総意として同意を得ることができていない状況にあるとの説明をしており、委員には正しい情報が伝わっており問題ないと考えてございます。Aファイルの1285ページになります。

昨日も御説明いたしましたが、1285ページの一番下の欄、事務局松野班長の説明のちょうど真ん中辺りに書いてあり、事業者からは地元区長と今後協定を締結するに当たり協議することに合意した。合意書が提出されておりますが、区域内に反対している方がいることから区の総意として同意を得ることはできていない状況ですと説明しております。

それから3点目、森林審議会において残土処分場が1,000立方メートルしか確保されていないことを委員に説明したのかということです。

当時の説明者に確認したところ、森林審議会において、残土が発生するため三島市にある残土処分場などへ10万立米以上搬出を行うことを説明したとのことです。事業の工程では、当初切土により発生した残土は事業区域内において盛土を行うことで当面は1,000立米の残土処分場で足りるものと認識しておりました。なおその後は、残土処分場は事業の進捗とともに確保されると考えていたということです。

それから4点目、雨水の流出量の増加等の懸念について林地開発では問題なしとして許可となっているが、環境影響評価ではおそれがあるとしている。同じ場所なのに何が違うのかという御質問です。

環境環境影響評価でのおそれについて昨日改めて生活環境課に確認したところ、県環境影響評価技術指針に規定する河川の変化、地下水の変化、土壌・、土砂の流出・堆積等の項目について調査、予測及び評価を行うことを決めたものであり、森林法上の4要件についての評価や意見を述べたものではないとの返答がありました。Aのファイルの4050ページの3番、7月要望書についてのですね、一番下から2ポツ目、この上から3の7月要望書についてに書かれている内容と同じということでした。

知事の意見書は、住民の皆様の不安が多く寄せられる中で開発による環境への影響に関する調査について意見したものであると捉えております。林地開発許可は、具体的に審査基準に照らし合わせ、防災施設の設置により災害を発生させるおそれがないことを確認しているものでございます。

木内委員長

まず先に、ただいまの説明に関連した御質問、御意見はございますでしょうか。

森林審議会で残土処分の説明はどのようにされたのか?

中田委員

私は、昨日残土の搬出について質問しているので1点お伺いします。今の御答弁ですと、申請している業者さんが三島へ10万立米の搬出をされると報告を受けていますが、処分場が確保されているのは1,000立米です。残りの99%も三島に行きます、全部で10万立米行きますと説明しているというんですが、その説明を裏づけるものは何かあったんですか。

例えばその業者さんが全体で10万立米をうちで引き取りますという内諾書みたいなものがあって、出されたものがたまたま最初の1,000だけだったと。確認をどういうふうにされたのか。1,000は取れているけれども残りは口頭で、どうなるか分からない状態で本当に10万立米そこで引き受けられるんだろうかと普通の人は考えるわけです。その辺はどういう御判断をされたのか確認をしておきたいと思います。

大川井森林保全課長

森林審議会においては、先ほど御説明したとおり、残土が10万立米出るので三島市に搬出を行うと説明しているんですけれども、10万立米全てを引き受けてくれるかどうかの根拠資料はございません。

中田委員

根拠がないものを審議会で説明できるわけないじゃないですか。根拠がないのに、1,000立米の搬出はここで受け入れますというものが出てるから。
ただし、この計画は11万立米あるので残りの99%はまだ未定ですとか、そういう説明が正確なんじゃないですか。
根拠がないのになぜ10万立米が三島に搬出される予定ですという説明になるんでしょうか。なぜそういう説明をしたんですか。

大川井森林保全課長

実際、開発の申請書についていた1,000立米の搬出についてのみ確認できたわけですけれども、そこは正確な説明を欠いていたと思います。

中田委員

正確な説明を欠いていたではなくて、虚偽の説明をしたという話になっちゃうんですよね、虚偽の説明。私はそう感じてしまいます。
私が委員だったら、そういう御説明があれば今は1,000で出ているけれども、10万立米は三島へ行くんだな、もしくはほかの事業者の協力を得て三島市内に10万立米搬出されるんだと認識しますよね。
そうであれば、昨日議論があった是という――これは大丈夫ですという印がついて、なるほどということになるんですが、根拠のない説明をそこでしていると虚偽の説明ということになるんじゃないですか、虚偽。
根拠がないのに何でそういう説明ができるんですか。今の答弁では私としてもそれを是とするわけにはいかないですね。最後にきちんと答弁をしていただけますか。これ以上議論が進まないですよ本当に。

浅井森林・林業局長

当時の審議会での説明は、切土量がこれぐらいあって、これくらい盛るので、その余った残り、差引きが10万立方メートル以上あるのでそれは場外へ搬出することを念頭に説明したものと推察しております。
その中で残土処分場のそれをどこにどのように持っていくということを視点に置いて、当時そこを含めて説明をしていたときにはこちらからは読み取れなかったものですから、今のような説明をさせていただきました。

中田委員

私は自分の質問であまり時間を取ろうと思っていないんですけれども、そんな答弁を聞くと何言ってるか分からないね、今のところ。
これは、議事録があるんですか。

大川井森林保全課長

議事録につきましては、1285ページからつけております。

中田委員

1285ページのどの部分ですか。

大川井森林保全課長

事業概要の説明の部分、説明した内容まではこちらには記載してございません。

中田委員

そうすると今御報告頂いた説明そのものが駄目だと思っていますが、議事録もなくてどうやってそういう説明をしたと確認してるんですか。

大川井森林保全課長

先ほど御説明したとおりですけれども、当時の説明者に確認したところでございます。

森林審議会の説明の在り方は正しかったのか?

中田委員

分かりました。
議事録はないけれども、当時の説明者はそう説明しましたと。
三島市へ持っていくと言っても、出ている資料の内容は、1,000立米しかないわけじゃないですか。
根拠はないけれども10万立米、三島市に搬出する予定ですと、その時点で不確実な説明を森林審議会でしたということだと思うんですが、こんな説明を森林審議会でするのは説明の在り方として正しいんですか。

大川井森林保全課長

先ほど、残土が発生するため三島市にある残土処分場などへ10万立米以上の搬出を行うと説明をしたんですけれども、これはどこへ運ぶかということではなく、搬出量が多いことを説明したものでございます。

中田委員

何度も言いますけれども、残土の排出って事業を進めていく上で大事な審査の基準になると思っておりますけれども、その中の一部、100分の1ですよ。
昨日も言いましたが、半分は既に受入れが決まっているって書類が出ているなら、残りの半分もどこかで引き受けてくれるのかなと思いますが、100あるうちの1しか、受入れの証明が取れてない。残りの99はどうなるんだろうって私だったら思います。
それはどういう説明をしたんですかという質問の答えが、三島などに搬出する予定ですということですよね。じゃあ残りの99を受け入れるという確認は、どうやって取ったんですかと言ったらそれは取ってないという話で、根拠がないということでしょう。それは説明の在り方として正しいと思ってるんですかと聞いてるんですよ。

大川井森林保全課長

先ほど御説明しましたとおり、正確な説明を欠いていたと考えます。

中田委員

正確な説明を欠いているのは当たり前の話で、それが正式な森林審議会で重要な案件を審議する場での説明として正しかったんですかと聞いているんですよ。
正しくなきゃ正しくないって言ってくれればいいんですよ。

浅井森林・林業局長

今、残土の在り方が問題化されていて、適正な場所を確保しなければならないというところからの御質問と理解しております。
当時は我々当局側もそれを搬出して適正なところへ持っていくという意識はもちろん持っていたわけですけれども、事業の基準が全てについて確保しなければならないとなっていなかったものですから、審議会の中ではそういった視点では説明しておりません。

中田委員

堂々巡りの質問はしたくない。正しい説明だったのかどうだったのかということを聞いてるんですよ。

浅井森林・林業局長

残土処分場を適正に確保しなければならないという視点であるとするならば、そのときの説明内容は、ちょっと丁寧さを欠いていたと捉えられても、仕方ないのかと考えております。

中田委員

ごめんなさいね。
丁寧さを欠いているのは当たり前で、正しくない説明なんですよ。
そんなのすっきり認めちゃったほうがいいんだって。何でそこでそういう言い回しをするんですか。正しくないに決まってるじゃないですか。
三島などに残りの99%を持っていく根拠はないんでしょう。ないのにもかかわらずそういう説明をしたんだから、委員の皆さんは勘違いしちゃうじゃないですか。
それを私は言っているわけですよ。正しくないでしょう。
正しくない。私の意見として申し上げておきます。これ以上やってもしようがないので。

西原委員

Aの資料1199ページの林地開発許可のところの土工量というんですかね。ここの(3)に、搬出土を生じる場合には、搬出先を明記するとともに、搬出先における処理計画が分かる資料を添付することという一文があるんですけれども、この林地開発許可審査基準及び一般事項をきちんと守っているということで、今の説明はされているんでしょうか。

大川井森林保全課長

1番委員が今御指摘されました1199ページの搬出土を生じる場合にはという部分につきましては、今も答弁申し上げたとおりですけれども、開発が長期にわたるものについては一度に全ての残土処分場を確保することは困難であると考えておりまして、当面、搬出するべき1,000立米について確保されていると説明しております。

西原委員

搬出先における処理計画ですが、先ほど6番委員から出ている、100分の1の量で処理計画と言えるんでしょうか。本来処理計画が分かる資料ということであれば、ある程度のことが出てこないことには処分が見えてこないと思うんですけれども、再度伺っておきます。

大川井森林保全課長

この事業計画の工程では、当初、切土により発生した残土をその事業区域内にも盛土する計画がある中で最初は処理していく計画でございましたので、当面は1,000立米の残土処分場で足りると認識してよいことにいたしました。

住民説明会の虚偽報告

西原委員

これだけ大きな事業で、当面の間100分の1の処理だけ分かればいいというこのずさんは、今後においても問題かと思いますので指摘しておきます。

もう1点、先ほど説明頂いた件でよろしいでしょうか。
森林審議会における調書、合意ということで口頭で説明したので、審議会の皆さんは理解しているということで、軽井沢地区の合意の文書は配付されているわけです。A資料の4142ページの軽井沢地区は、今回のメガソーラーの開発において一番危険を生じる地域だと思うんですけれども、その中に開発計画説明実施報告書というものがあります。

次の4143ページに、2019年1月10日に軽井沢地区住民説明会、44名という表記があるんですね。その後に4145ページには、上記役員会の決定事項を区の皆様にお知らせするために開催となったが本来目的とした論点とは違う流れとなってしまい、行政区の中で反対派と賛成派が対立してしまう状況になったと事細かに詳細が書いてあるんですね。
ところがこの資料が、4149ページで削除になっているんです。削除の理由が、当時、1月10日も参加予定だったため担当者が混同してしまい、ほかの記載につながってしまった。

一番大切な軽井沢地区から44名も参加している。その前の説明会で44名なんかないですよね。一番大きな説明会に出てもいないのに、当初の書類には、説明会に出て、なおかつこんな内容になったという文書があって、その後に日が違っていたという理由でそれが削除された。

申請書類を見ていくと非常に作為的なものを感じるんですね。職員の方も口頭でこの合意は合意ではないと説明している。そんな審議会への提出資料をずっと見ていて違和感を感じるんですけれども、その点をどのようにお考えですか。
軽井沢地区は、今回の案件で大切なところですよね。伺っておきたいと思います。

大川井森林保全課長

今の御質問につきましては、事実関係を確認して回答したいと思います。

野崎委員

関連してですけれども、その説明会の当初からいくと、4143ページからこの住民説明会の経過が載っていて、1月10日に44名で軽井沢地区で説明会をやっているという説明になっていて、4145ページでもやっているという記述になっているんです。その後、さっき言われたように、4147ページで削除されます。この日の会合がないと指摘されて、削除することになっているんですね。

4149ページで削除されるんですが、その後4153ページでは、この部分を削除して、また置き換えでやったことになっているんですね。この経過も併せて調べて説明を頂きたいと思いますのでお願いします。

浅井森林・林業局長

先ほどの件と併せて報告いたします。

木内委員長

それでは、冒頭の答弁に対する関連の質問はよろしいでしょうか。

なぜ環境影響評価の前に林地開発許可をしたのか?

森委員

先ほど話題が出ました許可をする以前の平成31年3月13日の森林審議会は松野班長さんが事務局のようですけれども、Aファイルの1285ページに事務局の挨拶とか報告が出ています。
これを読むと、やっぱり事業者から、地元区長と協定を締結するに当たり協議をすることに合意した合意書が提出されております。
しかしながら、地元には反対している人がいるから区の総意として同意を得ることができていない状況ですと、松野班長の挨拶もある。
そしてその下に、この林地開発許可申請も環境影響評価の改正後の事項の対象となりますと。

そしてここが大事なところ、林地開発の許可を得ても環境影響評価を行う必要がありますと。
このように大きな事業計画であるならば、やはり昨日も概要を少し尋ねたんですが、森林保全課当局とすると、先に2年、3年かかろうとも環境影響評価の手続を取ってくれ、それが終わった後に受け付けようというようにやったほうがよかったじゃないんですか。

許可以前の審議会では、やはり皆さん方のこの手続上のことについても触れているわけですよ。
どうして先に環境影響評価をする指導をしなかったのか、先に林地開発の許可を下ろしてしまったのか、その辺のお考えをお尋ねしたいと思います。
要するに、森林審議会の審議、あるいは内容について皆さんあまり重要視をしていないんじゃないかと思って見解をお尋ねします。

大川井森林保全課長

森林審議会の議事録、1289ページを御覧ください。
1289ページの上から3段目になります。森林審議会でも環境環境影響評価の結果が反映された申請書で御審議頂くのが本来ですが、申請書は事前に提出されており、審査は終了しました。それが林地開発です。

事業者側には環境影響評価の結果を反映した申請書の提出を要請しましたが受け入れられず、法律上、個別に判断せざるを得ません。
事業計画に大きな変更があればまた森林審議会に諮る予定ですと説明しておりまして、2番委員の御指摘のとおり、環境環境影響評価をやって林地開発と同時並行でやっていくのが本来かもしれませんが、要請しましたけれども受け入れられなかった状況で許可したところです。

森委員

参考になるかどうか少しお話しします。私自身が見解を述べてもしようがないけれども、今、伊豆半島で伊豆縦貫自動車道路という大変大きな道路計画を持っています。
天城峠区間20キロについて地元の私どもとすれば早く事業着手してもらいたい、工事に入ってもらいたい気持ちはあるんですけれども、国交省も県の皆さんも慎重に慎重を期して環境影響評価の手続を2年余りやっているところです。都市計画の審議についても慎重にやっているところです。天城の自然景観がすばらしいということ。同じように函南の自然景観も守らなきゃいかん。

同じ静岡県の中でも、大規模なこの道路計画などについては環境影響評価の手続も都市計画の手続も慎重にやっている。こっちは逆に先に許可して、後から環境影響評価はもう理解できない。見解の相違だからやむを得ないかもしれないけれども、私のほうからは以上です。

事業者が勝手に決めた狭隘きょうあい箇所を受け入れた県当局

野崎委員

昨日時間が来てしまって質問できなかった点ですけれども、Bファイルの3051ページに放流先の流下能力の検討といういろんな計算式が載っていますけれども、これは何を求める計算式で、どういう基準に基づいて提出を求められているのか、まず説明を頂きたいと思います。

大川井森林保全課長

3051ページの資料につきましては、昨日も少し御説明したんですけれども、都市計画法の関係の町の土地指導要綱に基づく河川改修の検討について記載されています。
函南町の土地利用指導要綱も、林地開発の河川改修の件とミックスされたような申請書になっていまして、3051ページにつきましては林地開発許可の審査基準にはないところになります。なので、その次の3052ページにつきましては河川の中で一番狭くて放流に対して一番弱いところを事業者が4か所ほど選定しているんですけれども、こちらを算出して妥当性を検証するに当たりましては、林地開発許可ではAの資料の1207ページの上のほうを御覧ください。(ウ)ですけれども、ピーク流量、林地開発許可ではピーク流量の算出は式により算出するということで、Q=(1/3.6)・frAの式でやりますので、今回の審査に当たりましては3051ページの一番下に、Q=(1/360)×0.幾つ、0.6とか0.9という数字があって、それ掛ける10.12、17.97、144.22、7.47、これが各集水面積になるわけですけれども、これらの数字を使って1207ページの式に当てはめて降雨強度を逆算して求めて、この河川の中で弱い部分の確からしさを審査したということでございます。

野崎委員

ここは重要なので、しっかり答えていただきたいと思います。
まず、3051ページの計算式は都市計画法からという説明でありましたけれども、県が出している林地開発許可の審査基準及び一般事項というAの1199ページからの資料では、審査基準の中の1206ページ、第2の水害防止の適用の範囲ですけれども、都市計画法に基づく準用ができないと書いているんですね。
それを違う基準をもって計算しているのはそもそもおかしいし、正しいのか正しくないのかを教えていただきたいと思います。

そして、今の御説明でB資料の3052ページで、狭隘箇所を4か所選んだと言いますけれども、一番弱いところは1か所になると思うんですが、4か所をどういう選び方をしたのか。事業者が決めたのか県が決めたのか、誰が決めたのか、どういう過程で決まったのか、教えていただきたいと思います。

大川井森林保全課長

この申請書は事業者が作成するので、事業者が調査して作成してきたものです。
結果、3052ページにあるように4か所選定されていまして、その中で一番弱いというか一番狭いところは②番を採用しているということで、我々はここが一番弱いというか狭いところだと確認するために先ほど御説明しました審査を行っております。

野崎委員

もう一遍確認しますけど、この弱いところの決定は事業者が自分で決めてきたということでいいですか。

大川井森林保全課長

はい、そうです。

資料3051ページ
資料3052ページ


「同意を得ていない」と書かれていないから同意を得た?

野崎委員

1206ページになりますが、県の審査基準の中で、2番に河川管理者の調整があるんです。ここで一番弱いところの想定を書いているんですけれども、その選定に際しては河川管理者の同意を得ることって書いてあるんですけれども、この同意が得られない、いわゆる河川協議がなされていない状況を知りながらこの資料を採用して許可したということでよろしいですか。

大川井森林保全課長

先ほどの説明が少し不足しておりまして、申し訳ありません。
5番委員の御指摘のとおり、この狭窄部、狭いところを決定するに当たっては河川管理者との調整を行って進めるものでございます。それで同意を得るものでございます。
許可当時、事業者と函南町ではしっかりと河川協議の調整をされていたものと認識しております。

野崎委員

河川協議は行われた、それを立証する資料はどこにあるんですか。

大川井森林保全課長

Bのファイルの3042ページから3043ページを見ていただきますと、函南町の建設課と事業者が赤沢川への排水について協議している記録、3044ページにつきましては、函南町の建設課と協議している記録。3045ページにつきましてはこれも建設課と協議している記録、3046ページもA-2調整池からの終流末水路のルートですので河川協議している記録、3047ページも都市計画課と協議していた記録。このような形で函南町とは協議をしているということです。事業者と函南町が協議している記録がこちらになります。

それから、事業者は河川管理者の函南町から同意を得ていると県が判断した理由ですけれども、今お話ししたその記録のほか、この記録の確認のために県から町の担当者に電話確認した結果、放流オーケーと回答がありました。その記録が、Aファイルの4001ページに、メモ書きではありますが、函南町の建設課に確認して放流はオーケーということで、県からも函南町に確認してございます。
それと、町長の意見書には、事業者は河川管理者の同意を得ていない等の意見は付されておりませんでした。資料の4118ページ、4119ページを見ますと、特にそのような意見は記載がありませんでした。

それから、町から土地利用事前協議については不同意とすることが決定しましたとの報告を受けておりまして、4120ページに記載してありますが、その詳細を町に聞き取った結果、それが4029ページに函南町土地利用事業の設定化に関する指導要綱の基準は満たしているという回答があります。
あと、令和元年6月の町議会で、技術基準は満たしている排水計画となっているとの答弁がございました。しかしその後、函南町は河川協議は行っていないと主張しているんですけれども、現時点においても、我々としては当時の判断は妥当と考えております。

狭隘部分は河川管理者と協議して決めなければならない

野崎委員

まず、一番冒頭から言った、Bの3042ページからの報告というか協議簿と書いてあるんですけど、申請者は事業者ですよね。事業者が作って町に確認したのが、Aファイルの4001ページですよね。付箋が貼ってある。協議簿を見れば、河川に水を流してはいけないという人はいないと思うんですよ。
河川協議は、一番狭隘部分を河川管理者と協議して決めなければならないんですよね。そこをまず確認します。

大川井森林保全課長

それにつきましては、先ほど。

野崎委員

そうか、そうでないかでいいです。

大川井森林保全課長

はい、そうです。

野崎委員

県としては、河川協議が整ったと思っているから許可したんですよね。ですが、確認した資料がAファイルの4001ページの付箋。付箋で町の意思が確認できたというのはいかにもお粗末だと思いますよ。

河川協議が整ったというのであれば、少なくとも函南町長の公印が押してある文書でしっかりと確認が取れる内容でなければおかしいと思いますけれども、これで協議が整ったと判断できる理由を教えてください。

大川井森林保全課長

林地開発許可の審査に当たりましては、事業者から提出された許可申請書、それに添付されている資料につきまして審査を行っています。確認は念のために行ったものでありますけれども、確認結果は付箋メモではなく口頭記録といったものでしっかりと残したほうがよかったとは思っております。

野崎委員

ということは、不備があったということでよろしいですか。

大川井森林保全課長

これは、当時の担当者が確認して付箋にメモをして残したものでありまして、特に不備だとは思いません。

河川管理者の函南町が河川協議はやっていないと言い切っているにも関わらず、県は「函南町は河川協議をやったはずだ」?!

野崎委員

不備だと思っていないということですか。
これが不備じゃないとするならば、提出する事業者がうそを書いたとする。それで町に確認したら、こんな付箋のメモで確認が取れた。
これで不備じゃないって、どうしてそんなことが言えるのか。
ほかの県でもそうなんですか。全国、こんな感じなんですか。お答え頂きたいと思います。そうであるのか、ないのかでいいです。

県の付箋メモ

浅井森林・林業局長

当時、町と事業者で河川についての協議が整っていたかどうかですが、これについては適切に協議がされていたと県としては確認しております。
今5番委員のほうから、その書類ということでお話がありました。重ねてになりますが、事業者との記録。協議簿という形で3043ページにあります。それから町長印をというお話もありましたが、町の意見については、事業者と町との協議がなされたことを、担当レベルで確認したものについて、
4082ページにありますけれども、最終的に平成31年3月1日に県知事名で町長に意見照会をしております。
町長から頂いた意見の最後の、4118ページから4119ページ、4120ページには、町長から県知事宛ての照会に対する回答と理解しておりますけれども、これがいわゆる公文書と言われるものであります。ここに河川協議が整っていないという意見は付されていないので、私どもとしては協議は適正になされたと理解しております。

野崎委員

今回の請願の内容を読んでいるでしょう。町と県の見解が違っていると言っているんですよ。それを検証してくれと言っているのに、その時点で書いてないからそうじゃなかった。でも町は同意していないって。何でそんなかたくなに協議したと認識しているとかね。
しかもさっき言ったように、こんな付箋の内容が証拠の書類ですって、よくもまあ答弁できるなと思うんですけれども、おかしくないですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

河川管理者との調整につきましては、資料のAファイルの1206ページを御覧ください。
第2水害の防止の2番、河川管理者との調整の(1)に、河川管理者の同意を得ることという定めがありまして、基準の中では今これしか定めておりません。この同意を署名をもって行うとかいうルールがこれまでありませんでしたので、当時は、先ほど言いましたけれども、協議記録を残してあればというところは実際あったと思いますが、ルールとしてそこまで定めておりませんでしたので、そういう対応をしてまいりました。

西原委員

今の御答弁にお返ししたいんですけれども、河川管理者というのは誰を指しているんですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

今の話は、町の河川管理者である函南町になります。

西原委員

町であるということは、誰の同意が必要ですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

最終的には町長になると思います。

西原委員

町長になるとおっしゃっている中で、この赤い付箋のメモが町長とのやり取りでしたか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

町の中でどこまで確認を取るのか私も承知をしておりません。

西原委員

大体、県においても、県知事の許可といったら一担当者との会話のメモで知事が許可した、同意したということにはならないと思うんです。その点をどうお考えですか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

これだけで確認しているわけではなくて、函南町長の意見も求めて、森林法に基づいた、判断をしております。最終的には、函南町長からの意見の中には協議は整っていないという指摘は一切ございませんでしたので、協議は問題なかったと考えております。

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町と県で一緒になって事業をやっていこうという姿勢が見えない

野崎委員

林地開発許可というのは県の許可制なんですよね。県が許可するんですよ。許可内容に不備があるのかないのか確認するのは県の役割じゃないですか。
書いていないとかあるとか。今、意見の見解の相違も出ているんですし、結局許可してしまったから許可した理由を引っ張り出してへ理屈のように言っているようにしか聞こえないですよね。
例えば今の説明、ここではペーパーで出せと書いていないからいいだなんて、県の審査というのはそんな判断でいいんですか。
これからもそういう審査をするんですか。この林地開発において、同じような申請のされ方に対して許可を出すんですか出さないんですか。これからどうするんですか。

阿部委員

今の質問ですが、答弁をさせるときにこれからと5番委員は言いました。当時とこれからとちゃんと切り分けてやらないと分かりづらいので、そこを分かりやすくお願いします。

浅井森林・林業局長

当時としては、事業者の協議簿によらず念には念をという思いで当時の担当者が町に直接電話で確認したところでございますが、その記録の残し方としては、我々が通常業務の中で行っている記録用紙がありますので、そういった形で残すべきであったとは考えております。

今後については、そういった協議の在り方といいますか、記録の残し方は改定して、どのような形で問われても、それが説明できるものにしていく必要があると考えております。

大石(哲)委員

昨日に引き続いて、5番委員が手続の話をいろいろされていますが、もちろん聞いていて当局に不備があるというのは感じます。それは少し置いとかせてもらっても、町と県で一緒になって事業をやっていこうという姿勢が見えないんですね。

これだけ大規模な開発行為で、先ほど6番委員が一生懸命説明してくれた残土の話。これだけの開発行為をやろうとしたら残土、それから排水ですよ。排水の手続は5番委員が詰めてくれていますが、まず河川の弱い狭窄部が4か所あると。そこも含めてこの65ヘクタールのパネルの上に降った雨が調整池で一旦受けて流れるわけですが、その調整池から流れるルートを一度おさらいしたいと思うんですが、どうでしょう。

それで、先ほど説明の中で見た河川、雨量の計算が、昨今の豪雨もありますが30年に一度の雨を想定してこの許可をするということですがそこらも含めて、この写真帳を見るととても寂しい河川なんですよね。この河川に30年に一度の雨まで計算した雨水が排水可能かどうか。そしてどう流れていくか、ルートも教えていただけますか。

大川井森林保全課長

Bのファイルの3856ページをお開きください。それと併せてその次の3857ページを見ていただきたいと思います。
3857ページを見ていただきますと、この事業区域の中には調整池が3つ計画してございます。調整池の位置が見にくくて申し訳ありませんが、左の上のほうに調整池A-1がございます。それと、そこからもう少し下のほうに調整池のA-2がございます。この2つの調整池から排出される水につきましては、3856ページを見ていただきますと色が緑色で示してあります町管理河川の赤沢川に排出される計画となっております。
それからもう1つ、また3857ページに戻っていただきまして真ん中の下のほうがオレンジっぽくなっていると思いますが、ここがB調整池になります。ここの水は、3856ページに戻っていただきまして丹那沢に排出される計画でございます。

大石(哲)委員

赤沢川及び丹那沢が町管理の河川ということでよろしいですか。

大川井森林保全課長

そのとおりです。

大石(哲)委員

この写真帳でいくと3112ページに現況写真が掲載されていますが、例えばこれのどの辺りに、今最初に説明してくれた調整池から流入予定かが分かるようにお示しください。

木内委員長

3112ページですよ。

大石(哲)委員

こちらの写真帳でもいいです。私が見つけた写真帳はここです。

大川井森林保全課長

位置につきましては、改めて御回答させていただきたいと思います。

「同意を得ていない」と書いていないから、同意だと判断した?

大石(哲)委員

どこに排水するか分かりませんが、この写真帳を見る限り、この65ヘクタールの雨が、幾ら調整池で調整して放流するとしてもとても地元の人たちが納得できないということで請願が出されているわけです。
昨今の雨、それから熱海を例に出しちゃ申し訳ないですけど、県の中で大きな災害が起こったときに、これは函南町が判断したこととかで済む話じゃないと思う。当然技術者は町よりも県のほうが優秀な方がいらっしゃると思いますので、これじゃ駄目だよという、アドバイスがあってしかるべきだと思うの。

それがあきれちゃうのがございまして、4046ページの町の誤解を解く回答書という中に、同意を得ていない旨の意見がついていないから同意だと思ったとか、そういうのがしきりに出てくるんですよ。これは本当に聞いてて寂しい。

私は県が一緒になって、とてもいい事業かどうかはまた別にして、許可を出すなら憂いのない、後悔しない許可で出してほしかったのですが、町に対する県の姿勢を問うね。関係がかみ合っていない。それについて御意見はどうですか。

浅井森林・林業局長

町との関係についてお答えしたいと思います。
町との関係や協議ということで、もう一度繰り返しになりますが3043ページを御覧ください。
これが、町と事業者の協議簿でありますけれども右側の協議結果のところで実測河川について、これは町の河川担当者も入った協議になっておりますが、そこを読み上げますと、実測して最小断面、勾配を計算しているのであれば問題ないと考えておりますというような話があって、測量図面を町に提出してくださいという協議結果になっております。こういった協議については、当然図面等も示した中で町の方に御理解を得ていると認識しております。

具体的な事例として、今、8番委員のほうから、この川は大丈夫なのかというお話がございましたので3052ページを御覧ください。
町管理河川の赤沢川のどこが一番あふれやすいかを計算した表になっています。英語のQで、1個目の箇所が15.25とか2個目の箇所が15.0846という数字が書いてございます。この数字が一番小さいところが雨が降ったときに一番弱くなる場所で、3052ページから判断しますと②番が一番あふれやすいところと説明しております。

この一番あふれやすいところがどういうところか、3058ページに状況写真がついてございます。字が小さくて恐縮ですが、3メートル40ぐらいの幅について実際どうなのか、3064ページを御覧ください。
実際現地で測量して、ここの一番弱いところについて数字などもお示しした上で町に説明をして、御理解を頂いている形で協議をしたところでございます。

野崎委員

今、資料の説明をしていただきましたが、全く意味のない答弁だと思います。
要するに、この計算式でここですよというのが、どういう判断でここですよというのをよしとしたかが大事であって、計算書があるからよいとかじゃないんですよ。

この計算書を出すには、狭隘部分を河川管理者と協議で決定しなきゃいけないじゃないですか。その決定が、さっき言った付箋とか、事業者が出した協議簿によって判断されたことが正しいのか正しくないのかについて先ほどから聞いているわけなんですが、資料をあっち見ろこっち見ろと言った間に質問した人が忘れるような手法をもって答弁してるようにしか思えないんですが、もう1回確認しますよ。

河川協議が整ったというのは、さっきの付箋と事業者が出してきた町との協議簿で判断できるということでいいんですか。それは正しいことなんですか。正しいとしたら、正しいという根拠を示していただきたいと思います。

浅井森林・林業局長

町との協議は整っていると認識しております。
その根拠については、具体的に今申し上げたような図面を町の河川担当者に示した上で、そのときの町の担当者のコメントも協議簿の中で確認できますので、客観的にそういったことが整っていることを、我々としては事実を確認しております。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

資料の3043ページ、町と事業者の協議記録をまず御覧ください。
事業者が町に行って、まず相談を最初にかけています。そのときに、町からは、町に河川に関する資料がないので測量図面とかを出してくださいというところが協議結果として出ております。
次の3044ページを見ていただきますと、事業者がそういった資料を作ってルートについて説明した記載がございます。先ほどの排水に関する一式の資料を示して説明をしていると思います。その結果をもって、町としてはこのルートでいいですよという返事が、協議結果が出ておりますので、一番河川の狭いところを事業者が示して、町もそれでいいということで協議自体は十分行われていると私は認識しております。

野崎委員

同じ質問になっちゃいますけど、河川協議が整ったのかという判断を、この協議簿から見てそれは正しいのか正しくないのかって聞いているんです。間違っていないとするなら、その根拠を示してくださいって聞いているんです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

協議記録から判断して、正しいと考えております。

都合のいい数値の捉え方をするのはいけないんじゃないか

良知(駿)委員

ただいま、赤沢川、丹那沢の排水先の計算の話も出ましたけれども、3057ページから3060ページに赤沢川の写真が掲載されておりまして、3066から3068に丹那沢の現場写真が掲載されております。
このうち3059ページ赤沢川の③、3066、丹那沢の①、67ページの②は、3057、3058の①、②のようなコンクリートで整備されている状態ではないですけれども、これを排出先として指定するケースは、林地開発において珍しいケースなのか、通常一般的なケースなのかをお聞かせください。

大川井森林保全課長

水の排出先の状況につきましては、3058ページのような両岸を人工的に整備された場所であるとか、3066ページのように自然の野渓になっているかにつきましては、開発する地域の状況によりますので、どちらが一般的かという回答はできません。

良知(駿)委員

はい、分かりました。
それでは、3053から3056ページに先ほど話された赤沢川の流量の計算の詳細な内容が載っておりまして、3063ページから3065ページに丹那沢の計算式が載っております。

この基になっているのが、何度も出てきますけれども、1204ページの審査の基準の一般的事項。ここに計算式が載っているわけですね。1203ページから9排水施設が始まっていて、次のページに行って、(イ)計画流量の算定は、原則として次によることと、これ公式が載っていますね。

Q=VA等となっていて、これはマニングの公式を基にしていると思われるわけですけれども、この中にnというのがあります。Vの流速の算定の右の段の一番上の粗度係数。粗度係数というのは、河川の底や岸などの抵抗を表し、値が大きいほど流れにくいという値なんですね。

先ほど写真でお示ししたとおり、赤沢川①②④、3057ページから写真が載っておりますけれども、これはちゃんと整備されたところですね。それと本当に自然の水道のような赤沢川、丹那沢①②が同じ値で計算されているんですけれども、ここにちょっと違和感を覚えるわけです。それについて見解があれば伺いたいと思います。

大川井森林保全課長

計算書は、事業者が写真を撮ってこの狭隘部の状況を確認して、粗度係数を決めて計算式に入れてきていると思います。

我々のほうで審査するに当たりまして、これが妥当かどうかにつきましては、一応自然渓流を扱う治山の技術基準を確認したところ、自然渓流で底面に砂利、玉石といったところで見ますと0.03から0.05という値になります。ですので、その平均値の0.04につきましては妥当ではないかと考えております。

良知(駿)委員

はい、ありがとうございます。
皆様に分かりやすく御説明しますと、3052ページに一覧が載っているんですけれども、ここに、一番右側にn=0.04という数字がありまして、この値が大きいほど、結局は流れにくい形なんですね。3052が赤沢川で、3062が丹那沢なんですね。写真で見る限り状況が全然違うのに0.04という値がずらっと並んでいるところに違和感があるのではないかというのが今の質問でございます。

次の質問に移ります。
個人的に調査したところ、この粗度係数ははっきりとした基準がないケースがあるわけでございます。
例えばこれを使えというわけじゃないんですけど、国土交通省の近畿地方整備局が公開している道路設計便覧においては、この赤沢川③、丹那沢①②、つまりちゃんと整備されていない状態は、非常に不整正な断面、雑木、立木多しというような文言が最も近い条件だと考えられて、その値って0.1だそうです。だから0.04からすると倍以上になってくるわけですね。

それで、その0.1という値を各チェックポイントの流量の計算結果及び、一番下に結論として区域流出量との比較はあるわけですけれども、これを比較したところ、0.1という値を入れたところ、赤沢川においては②が一番その流れにくい場所、これを入れると、流量、Q=約6.439とすると、下の区域流出量を下回ってこれはNGになるわけです。

3062ページの丹那沢においても同じようなことをやると、②のチェックポイントが一番流れにくいわけですけれども、0.1の値を入れると流量Q=1.162という値が出てもう全然流れないと。逆にキャパシティオーバーという状態になってNGになるわけなんですが、この辺の見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

大川井森林保全課長

今、御指摘のありました近畿地方整備局の基準に書かれているものにつきましては、多分、最下段に0.1という数字が書かれているのみであって、そのもう1つ上のところの数字ですともう大分小さい数値が書かれていて、そこの幅は非常にあると思います。

先ほど私が説明した、通常治山事業をやるときに使っている治山技術基準解説を見たところでは、先ほど御説明したとおり0.03から0.05。ほかにも確認してみたんですが、土地改良事業の計画設計基準の運用解説、あともう1つ、建設省の河川砂防技術基準も確認してみました。

そちらのほうは河川の状況によってもっと細かく指標となる数値が示されておりまして、そちらを確認しますと、どれも0.03から0.05程度で、そんなにおかしくない数字ではないかと思います。

良知(駿)委員

確認なんですけれども、このn=0.04と採択した根拠の表が恐らく事業者なりにあると思うんですけれども、そこの確認はしているんでしょうか。

大川井森林保全課長

今、持ち合わせていないので、また御回答したいと思います。

良知(駿)委員

すると、この粗度係数に関しては日本語で、こういう状態の河川はこの値を使うとなっていて明確、人によってそれぞれ捉え方が違ってくるんですね。
そうすると、いろんな表があって、この条件のときにはこっちの表のこの値を取ってきた、こっちの条件のときにはこっちの表のこの値を取ってきたっておかしいと思うんですね。

ベンチマークとしては、やっぱり1つの表のここの基準を使いました、この値を使いましたというのが普通だと思うんですね。なので、その辺はちゃんと県のほうでやるなり、何かの参考資料を準拠するなり、分かりませんけれども明確な値でやったほうがいいんじゃないかなと思っております。

丹那沢に関しては、コンクリートのパイプの部分が0.013という値を使っております。ということは、条件に応じて値を使い分けていると想定されるんですけれども、ここにおいても0.04なんですね。それは何でなんでしょう。
事業者の出したことっていうと推測になっちゃうかもしれないですけど、その辺も分かれば御回答頂ければと思います。

大川井森林保全課長

マニングの粗度係数は、そこの場所の水の流れやすさを示している指標になります。水が流れるに当たって、コンクリートのように平滑な部分を流れるときは値が小さくなります。自然渓流のようなところについては、砂利とか石とかありますので粗度係数は上がります。
そういったことで、それらは先ほど来お話ししていますように、治山の技術基準解説なんかにも表が示されておりますので、そういったものを参考に計算するものだと思います。

良知(駿)委員

値自体の問題というか、都合のいい数値の捉え方をするのはいけないんじゃないかと言っているんですね。
この条件のときには平均で取りました。この条件のときには限界値で取りましたというのは、やっぱりおかしいと思うんですね。だから平均値なら平均値、下限なら下限というふうに統一して取らないと、普通はベンチマークとしてはおかしいですね。と指摘します。
県も、町からそういったことが提出されているまま追認したという形でいいですか。

大川井森林保全課長

事業者が出してきたものをそのまま追認した、ただいいよではなく、審査の中で、写真とか見たり現地を確認したりということで、これぐらいで妥当だろうと、審査した結果よいとしたものでございます。

良知(駿)委員

はい、分かりました。
つまり、その値自体は県の考える範囲の中で収まっているから、その値が平均に近い部分なのか限界値に近い部分なのかそれは置いといても、範囲内に収まってるからいいだろうという解釈をしたということでいいんですか。

大川井森林保全課長

はい、そのとおりでございます。

良知(駿)委員

はい、分かりました。
最後に説明したいんですけれども、丹那沢の②、一番流れにくいところとして、0.04という値が使われていて、これ0.041になるとアウトなんですよ。もう本当にぎりぎりのところで、皆さん言われていますけれども、昨今の気象状況を考えると、そこのぎりぎりの値を採択していいのかというところは非常に疑問に思いますので、そこをもう一度検討していただいたほうがいいのかなと思います。

これから、河川協議等をされると思うんですよ。その中にあって、この部分は当然議論になってくると思うんですけど、そのとき、その係数の取り方とかはちゃんと明確にしてやるんでしょうか。

大川井森林保全課長

これからのお話ということでよろしいんでしょうか。
昨日もちょっとお話ししたんですが、今、事業者は資料を修正している状況にありまして、これが整ったときにはもう一度、河川管理者とこの資料を用いて調整していくことになると思います。
そのときに、河川管理者がそれでいいかどうかというところもあると思いますけれども、我々としても先ほどの粗度係数が載っている基準等を参考にしながら審査していくことになります。

木内委員長

それでは、ここで休憩といたします。
再開は13時15分といたします。よろしくお願いします。

(つづく)

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