集中審査会議録(3)

函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査
2日目(後半)

これは静岡県が公開する委員会会議録を基に当サイトが独自の編集を加えたものです。
オリジナルの会議録は静岡県公式ホームページをご覧ください。

静岡県公式ホームページ委員会会議録

令和4年9月定例会産業委員会(2022/10/07)後半

虚偽が疑われる「住民説明会」の報告書
誤った理由は「
わからない」

木内委員長

それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開します。
まず当局側から、午前中の質問内容について追加の説明がありますか。

大川井森林保全課長

午前中に改めて御回答しますと言ったことについて御説明いたします。
地元の説明会の記録、報告書につきまして、事業者のほうから誤りがあったということで修正された内容でございます。
資料の4150ページの、令和2年1月20日付で事業者から提出されている文書になります。次の4151ページに修正の理由が書いてございますけれども、誤りがあったので修正しますということで提出されたものでございまして、それ以上の経過は分かりません。ただ単に誤りがあったので提出されたということです。

うっかりミスでは書けない「住民説明会」の内容

それから2点目です。赤沢川と丹那沢の未利用地の調整池から放流される赤沢川と丹那沢の接続部の写真はどういった状況になっていますかという御質問についての回答でございます。
まず、3111ページと3860ページを御覧ください。
3860ページが未利用地の調整池、11が少し大きく表示されておりますので、少し分かりやすくなっておりますが、まず左側の調整池A-1についてですけれども赤沢川に放流する計画になっております。その赤沢川の拡大図が3111ページになります。
まず、A-1の調整池からの放流先は、この図面の右下60番、61番という丸数字がついていますけれども、ここになります。3121ページの下の右側の写真が60番。3122ページの左上が61番の写真になります。
今度はA-2の放流先になりますけれども、3860ページで見ますと、先ほどのA-1の調整池のちょっと右側に調整池A-2がございます。先ほどの3111ページの拡大図のどこになるかと言いますと、真ん中の上の21番、22番が放流先の写真になります。
今度はB調整池ですが、3860ページに戻っていただきまして、右上に、B調整池がございます。この写真は、3124ページの⑯番の写真と記事になります。

木内委員長

それでは続けて発言を願います。


導水路の同意は得られているのか?

大石(哲)委員

それぞれの調整池から、今言われた箇所で排水するということなんですが、柿沢川等がエリアの外じゃないかなと私は見たんです。要するに調整池のすぐ横に排水口があるわけじゃなくて、そこから誘導していかなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですよ。その排出経路はどこかで示されているんですか。今言われた箇所へ水を誘導していくケースです。

大川井森林保全課長

放流先への排水経路ですが、3860ページを御覧ください。
調整池のA-1から説明しますけれども、A-1から赤い点々が入っている赤沢川へつながっているものがあると思います。その拡大図が、3864ページにございます。図面としましてはこのような形で、赤沢川へ放流する計画になってございます。
続きまして、A-2の調整池ですけれども、3860ページの真ん中辺りにあります。赤沢川への経路ですけれども、拡大図が3875ページにございます。あとB調整池ですけれども、3860ページのコピー、B調整池からそのまま丹那沢へ入る形になります。

大石(哲)委員

順序立てていきますと、A-1が3864ページの拡大図でいいですね。これの右側に見えているのが調整池でここから放流するわけですけれども、この水路が――暗渠かな――通る敷地は開発事業者がもう確保済みということでよろしいですか。

大川井森林保全課長

はい。この排水の経路につきましては、確保済みということでよいと思います。

大石(哲)委員

もう済みですよね。
その次に説明があったA-2はどうでしょう。同じ質問です。

大川井森林保全課長

A-2の調整池につきましては、函南町の青線以外は確保済みということなんですけれども、ここの位置関係とか、それ以外についてちょっと今分かりません。

大石(哲)委員

3875ページの図で言う青線はどこになるの。

大川井森林保全課長

3807ページの図面でもよく分からないんですが、事業費全体として函南町の赤線以外は確保しているということですけれども、町の赤線との調整池エリアについては、今分かりません。。

木内委員長

後で整理して報告していただけますか。8番委員、よろしいでしょうか。

大石(哲)委員

Bの調整池は河川とどういう位置関係になるの

大川井森林保全課長

Bの調整池につきましては、調整池からそのまま流す形になっております。

大石(哲)委員

そのままということは、Bは河川に横づけということですか。

大川井森林保全課長

そのまま、Bの調整池から放流する形になっております。

大石(哲)委員

図で見たいのですが、あまり名前が出てこない名賀田川という川に排水するように聞いていますが、そうではないですか。

大川井森林保全課長

B調整池からの放流先につきましては、函南町が管理している河川区間を名賀田川と言っていまして、ここの河川全体につきましては通称で丹那川という名称で呼ばれていると認識しております。

大石(哲)委員

同一河川が、2つの名前を持っているということですか。

大川井森林保全課長

当区域には、砂防指定地があるんですけれども、図面がすぐ見つからないのですが、この下流部分が名賀田川ということで、それは町が管理している河川区間になっていると。その名賀田川の上流も含めて、通称で丹那川と呼んでいると認識しております。

大石(哲)委員

Bの調整池と河川の関係と、A-2の関係もこの後改めて御説明願えますか。よろしくお願いします。

木内委員長

じゃあ、後ほど正確にということで。
関連でよろしいですか。

野崎委員

A-1の調整池の導水路ですが、私も現場を見に行ったんですけれども、これはまず県道をまたぎますよね。導水路の確保はできているということですが、県は占用の許可を出すのか出しているのか。
県道から下へ行ったところは軽井沢地区の集落があるところだと思いますけれども、そこの地区の同意を得ているというのはにわかに信じがたいんですが、同意は得られているということですか。それを証明するものはありますか。

大川井森林保全課長

道路の関係は別法令なので、そちらで扱われると認識しておりますが、お示しできるものはありません。

野崎委員

道路は別法令というか、確保できてるって言ったじゃないですか。確保できていないんですね。確保できていない調整池の計画において許可を出しているということは、調整池そのものが機能するかどうかも分からないという証言になっているじゃないですか。

その辺について、河川は別法って言うけど、民地なのか町道なのか分かりませんけれども、導水路を這わせるところは、民家のところも通ると思いますけれども、その許可が得れていないという解釈でいいんですか。得られているとすれば、それを示す書類をいま一度しっかり説明していただきたいと思います。

大川井森林保全課長

調整池が完成しないということなんですが、確かにその道路占用許可とかを取らなければ防災施設としては完成しないと思います。

野崎委員

完成しないのは分かりましたけど、確保できていると言った答弁はうそなんですか。

大川井森林保全課長

説明がうまくなくて申し訳ありません。
事業地の敷地の現場については確保されていますが、そういった道路ですとか別法令の許認可関係につきましては、許可の基準の中にないといいますか、赤線以外は確保されているということでございます。

野崎委員

聞いてるのは、別法令がどうのという話ではなくて、確保できていると言ったでしょう。確保できてないわけじゃないですか。
確保できてるって言い切るなら、軽井沢地区の町道なのか民地なのかどちらをかすめてるのか分かりませんけど、その同意を示す、確保を証明できる書類はどこにあるかを聞いているんです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

3808ページに公図があって、赤い印がしてあるんですが、そこの流末の位置が正しいのか、それと3006ページから土地の承諾関係が一覧になっていますので、この公図の番地と承諾関係を確認して後ほどお答えをさせていただきます。

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河川協議が終了していると認識することのほうが不自然

阿部委員

排水施設のお話が出てるので、関連で1つ確認します。
3026ページに調整池が2つあるんですけれども、B調整池で、水路が専用排水路から丹那沢、柿沢川、狩野川とありますけど、Bから丹那沢の最上部まで民地が存在しているので、排水路を引く必要があると思うんですが、この計画の記載に排水路はありますか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

B調整池から――事業区域から下の民地の部分についての排水計画は今ありません。

野崎委員

排水路の話が出ているので、B資料の3888ページで、先ほど来、赤沢川の流量チェック箇所という話も出ておりましたけれども、3888ページのチェック箇所って、そもそも河川協議が云々という話もあるんで、これが正しいのかどうかというのも変な話になりますが、この書類でいくと、この排水路は赤沢川に入ります。
でも、チェック箇所の①と②は排水路より上にあるんですね。
雨が降ったとき、調整池にたまりきれない部分を排水するわけじゃないですか。そこが水が多くなるわけじゃないですか。そこよりも上で流量のチェックして、何の意味があるのかなと思いますけれども、これはチェック箇所の選定としては正しいという認識で、今回の書類審査を行ったということでよろしいですか。

浅井森林・林業局長

3088ページのチェック箇所4か所との関係について、お答えいたします。
こちらにあります4か所については、それぞれ断面等を計算しまして、流れる量がどれくらいかを比較、計算してございます。3051ページを御覧ください。

結論になりますが、数字のアルファベットのQというところで、15.2583という数字が出たところが②番については15.08、③番については16.0979という数字がありまして、こういった数字を比較検討した中で一番小さい、よって②を採用、②番が一番流れにくいという結論を出しております。

もう一度3888ページを見ていただきますが、5番委員御指摘のとおり、A-1からの右手側が上流側になります。それから左手側に向かって下流になりますので、この区間においては、②が一番狭いことになりますので、一番右手――上手側からの流入についても、この②番が一番狭いということで、ここを流し切れるということで設計しておりますので、安全な設計かと考えております。

野崎委員

にわかに信じがたい答弁なんですけれども、ここを調整池から水が流れてくるわけですよね。
その上と下で、どっちが水量が多いかなんですから、水量は、狭い位置でもそうですけれども、流量計算するのは狭くて一番流れにくいところの判断なわけですよ。それがその上でいいという根拠をもう1回だけ教えていただけますか。

浅井森林・林業局長

もう一度、3888ページでチェック箇所と流入箇所の関係について御説明いたします。
チェックした箇所は、右手側から言いますと③番と書いたところです。こちらがA-1からの排水が流れ込むところになります。それから左のほうに行きまして、これが下流につながっていきますが②番、①番、④番とありますので、A-1が流れ込む地点も含めた形で4点選定してその中で比較検討しておりますので、その中で一番流れにくい②番のところで計算したことについては合理的であると考えております。

阿部委員

この件、私なりに注釈しますね。
1206ページ、森林法第10条の2の河川管理者との調整という部門がありますが、この一連を読んでいくと今の5番委員の指摘、それから先ほど私も確認した専用排水路がないですという中で、このピーク流量を流下させることができない地点の選定、以下、だーっと書いてありますが、これ全部きちんとできていないような感覚を受けます。

やっぱり河川管理者と事業者の協議がしっかり完了していないと地元の皆さんは不安を感じると思う。事業者も不都合な資料を出してないところがあると思いますし、きちんとやり直さないと厳しいかなと思いますが、もう1回所見を伺います。

浅井森林・林業局長

町河川の負荷につきましては、今お話ししたような区間の中で現状の断面、河川の勾配といったものを基に流れる量を比較検討しておりますので、その中で適正に事業計画がなされており、それに対して審査をしていると考えております。

良知(駿)委員

関連及び午前中しり切れトンボになったところがありますので、改めまして意見をさせていただきたいと思います。
先ほど来、赤沢川、丹那沢の件で私は粗度係数の視点で質問させていただきました。県のほうで、この値からこの値という範囲の中で指定している、判断しているというところですけれども、事業者サイドから出てきた値については、この状況だったらこの値と、本当に値の範囲の中に入るのかというところで、言ってみれば恣意的な運用をしているようなことが見受けられると思うんですね。排水先の選定というのは、やっぱり住民の生命、財産に直結するところだと思いますので昨今の気象条件とかもありますけれども、これが実際そのケースに関わってくるかは別としまして、私も道路の専門家じゃないのでこの値がいいとは言えないんですが、県のほうでこういう状況のときはこういう値を使ってくださいと明確な基準に基づいて判断してほしいので、もう一度見直すべきなんじゃないかなと私は考えます。

中田委員

河川協議でいろいろ議論が続いていますけれども、我々は十分どころか、その時点で町との河川協議が終了していると認識することのほうが不自然に感じているわけです。河川協議が終了していたという認識が間違っていると私は思っております。

一方で、県との河川協議もあるわけですよね。6月の清水経済産業部理事の答弁の中で、県の河川管理につきましては調査が十分ではありませんでした、そういう中で事業者から計画内容の集水区域の取り方に一部誤りがありましたという申出がありましたので、県としては云々かんぬんとあるわけです。

集水区域に誤りがあったということですけれども、私は専門家じゃなくて分からないので、この誤りが具体的にどの程度の誤りなのか。誤りが出てきたのは許可をした後だと思いますけれども、どの時点で誤りの申請があったのか。

また誤っている内容自体が、許認可に対して大きく影響する誤りであったのかどうなのか。それと業者の故意、過失ではなくて故意にそういう申請がなされたと思う節はなかったのか。

何でこんなことを言うかというと、私は伊豆高原のメガソーラーのときを思い出すんですね。あれは事業者が、わざと数値を変えて計算をやってきたんですよ。非常に悪質だということで、本来ならそういう申請があれば許認可は取消し対象になるわけです。

そういう意味で、どの程度の間違いがどの時点で表明されたのか、1点お聞きしておきたいと思っております。よろしくお願いします。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

まず、集水区域の誤りの程度ですが、今、事業者に、この区域が間違った場合の影響とかを含めた資料を出させてますので、そこできっちりと判断をしていきたいと考えております。
それと、過失か故意かですが、これまで担当が事業者とやっている中では、悪質性とか故意とかではなくて、単なる過失と捉えております。


何が正しいかは県もわからない
修正が許認可に影響するかもわからない

中田委員

私が聞いているのは、まず、いつの時点での申出があったのかということが1つ。
それと、その誤りがあったから指導しているんだと思うんですが、どういう誤りなのか、県が把握していないのはおかしいじゃないですか。それを今、事業者に任せていて、誤りがあるんなら言ってきなさいよなんて言っていること自体おかしいんじゃないですか。

どういう誤りの申出があって、どういう誤りを認識したから県が指導したのかきちんと連絡してくださいよと言っているんです。何でこんなことが答えられない。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

緑色の資料の上から2枚目の資料を御覧ください。この右側に、県が事業者にいろいろ指導したやり取りは一覧で経緯を示してあります。
そもそも、今言った集水区域の誤りが見つかったのは、林地開発の許可をしたのが平成元年の7月で、秋に事業者が地元に環境影響評価の関係で説明をしたときの資料と県の林地開発許可の申請書の図面がちょっと違っているじゃないかと疑義が出てですね、それ以降確認を進めている状況で、経緯としましてはAのファイルの4164ページに日付が入っています。令和2年11月19日です。令和2年11月19日に提出になった住民説明会で説明した資料と林地開発の申請書と内容が違うことが分かったので、実際どちらが正しいのか確認をして報告してくださいと指導しております。

その結果、4206ページにこういう状況でしたという報告がありましたが、内容が正しいか疑問がありましたので、再度話をしていく中で、4209ページが事業者が出してきた資料になります。集水区域の関係も踏まえまして、幾つか誤りがありましたと、事業者が報告をしてきました。Aファイルの4205ページ、令和4年3月31日の日に先ほどの事業者から報告を受けたことを受けて誤りが認められたので、訂正してくださいと指導したところ、緑色のファイルの追加資料の187ページに、事業者から、私たちは協議とかはしているんですが、誤りがあれば資料は訂正しますという報告を受けておりますので、今事業者からの修正資料の確認を行っている途中であります。

中田委員

私がこれ確認したいのは何かというと、事業者が修正を申し出た。県がそれを審査、指導してまだ答えが返ってきてないと。

修正される内容は、許認可に影響するのかどうかを確認したいわけです。まだ答えが出てきていないわけでしょう。指導して訂正が出てくる範囲であれば、そちらが言うには許認可は指導して調整したという内容になるのかもしれないですよね。

そちらの考えで言えば。でも、例えば開発の許認可に影響するような問題であれば、本来ならば許可できてないものが許可として残っていて、今指導を待っている状態に陥るわけじゃないですか。これは許認可に影響するものではないんですか。それとも、許認可に影響するものなんですか。その認識を聞きたいんです。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

概要から見る限り修正はきくんじゃないかと考えておりますが、今はっきりと申し上げられません。
ただ、そういう状態でもし事業に取りかかってしまうと大きな影響があるということで、確認ができるまで事業に着手しないようにしてくださいと指導しております。4205ページの令和4年3月31日の指導文書の下から7行目になりますが、貴社が訂正を完了し、県が林地開発審査基準に適合していることを確認するまで、開発行為に着手しないように指導をしております。

中田委員

ということは、まだ出てきていないわけですから、出てくる内容によっては審査基準に適合しない可能性がある。許認可を出したものであっても、審査基準に適合しないものが出てくる可能性があるということでしょう、今の答弁は。どうなんですか。そこ大事だよ。しっかり答弁したほうがいいよ。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

そこはまだ、今、確認の途中ですのでお答えができません。

野崎委員

4205ページが指導内容だということですけれども、よく見ていただくと、真ん中から下辺りから、以上のとおり、貴社から林地開発許可申請書類を訂正したい旨の回答があってから、1年が経過した令和4年3月31日に至っても訂正が完了していません、また、洪水調整池の設計に用いる狭窄部を見直す必要があるとすれば、林地開発許可申請時に柿沢川の河川管理者と十分な協議がなされたとは認められないことから、県としましては、林地開発審査基準に適合しているとは確認できませんって書いてあるんですね。

基準に合ってないって言っているんですよ、事業者に対して。自分たちが合ってないって言っていて、その上で指導しているわけですよ。昨日からずっと集中調査をやっていますけど、この審査基準に適合していて正しいというのはどこから出てくるのか全く理解ができない。どういうことなのか説明頂けますか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

4205ページの指導ですが、林地開発許可基準に適合しているとは確認できませんということで、林地開発許可基準に不適合という話もまだはっきりしていませんので、そこは今考えております。

野崎委員

審査基準に適合していると確認できるから許可を下ろすんじゃないんですか。
どうなんですか。審査基準に適合しているか分からんけれども、許可は出せるんですか。どういうことなんですか。もう1回説明頂きたいと思います。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

4205ページの指導の下から11行目になりますが、洪水調整池の設計に用いる狭窄部を見直す必要があるとすればということで、今そこの確認はできておりませんので、今の時点で不適合という話ではございません。

野崎委員

また繰り返しになるけど、柿沢川の河川管理者と河川協議はできているんですか。
できているとすれば、できていることを証明する書類がどこにあるのかお答え頂きたいと思います。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

柿沢川は県の管理河川で、十分な協議がなされたとは認められていません。
県の河川管理者との調整は、認識のずれがあってできておりません。町の河川管理者の調整については、私たちは行っていたという認識でおります。


必要な協議が終わっていない

野崎委員

調整池に関わる河川協議の柿沢川の管理者は県ですよね。県との河川協議が済んでいない。その河川協議はこの許可に必要ないということでいいですか。

浅井森林・林業局長

令和元年7月に許可した時点のお話をさせていただきたいと思います。
その時点では、事業者とそれから県河川管理者である県土木事務所との協議記録簿等を確認しまして、河川管理者との協議が県管理河川も含めて整っていたという認識で判断いたしました。
その後、事実関係の中で両者に行き違いがあったことが判明したため、現時点では河川協議が整ったとは言いがたい状態であると認識しています。

木内委員長

5番委員の質問は、県との河川協議は許可を下ろす上で必要かどうかということですのでお答えください。

浅井森林・林業局長

失礼しました。
当然のことながら、河川管理者である県土木事務所との協議は許可においては必要な要件であると認識しています。

野崎委員

許可に必要な協議が終わっていなくて何で許可が出ちゃうのか不思議でなりません。なぜ許可が出たのか理由をお答えください。

浅井森林・林業局長

許可をした時点、令和元年7月においては、協議記録簿で事業者と県河川管理者である土木事務所との協議はなされていることが確認できましたので、その時点においては河川管理者との協議は終わっているという認識で、それに基づいた事業計画に対して許可をしたものであります。

野崎委員

河川協議が終わった。それを証明するものはあるんですか。
認識と言うけど、誰がどういうふうに認識しているのかね。河川管理者といえば、函南町で言えば町長、県で言えば知事となると思いますけど、その書類があるなら出してくださいよ。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

資料の3048ページを御覧ください。
3048ページから3050ページが、事業者が作成しました事業者と土木事務所の協議記録になります。
まず、県の森林部局としましては、事業者が作成しました河川管理者との協議簿を基に、土木事務所にこの内容が合っているのかどうかを直接確認しております。その確認の結果が、またメモでしかありませんが、3050ページの右下に当時の担当が土木事務所に確認した結果が記載してあります。

こういったことで調整が整ったと判断して、法令に基づいて許可をしております。手続は適切に行われたと認識しております。
しかし許可後に、事業者と県の河川管理者の間で協議内容の認識の相違があったことが判明しましたので、県として再度調整が必要であると判断したところであります。


“当時は”適正に処理されたと認識

野崎委員

必要な河川協議ができていないまま許可を出したということじゃないですか。それは瑕疵じゃないですか。
この3050ページには、県管理河川については協議不要なんてメモ書きで書いてあって、これは認識も全く間違っている。要するに、必要だと言われる県との河川協議が終わっていないまま、許可を出したことは正しいことなのか正しくないのか、どちらなんですか。

大川井森林保全課長

許可当時は、今、記録簿があるとおり、県の河川管理者にも我々としては確認しておりまして、その当時は適正に処理されたと認識して許可しております。

野崎委員

適正じゃないから直してるんでしょう。当時はって言うけど、当時が間違ってるからこうなっちゃってるんじゃないですか。
その当時の判断、審査基準、手続についておかしいからこうやって特別に集中調査してるわけじゃないですか。当時はよかったなら、当時はよかったという証明をしてくださいよ。

浅井森林・林業局長

重ねての答弁になりますが、当時の判断としては協議記録簿などで河川協議者と事業者の協議をしたことを客観的に確認したので、それに基づいて判断したことについては手続としては適正に行われたと考えています。

鈴木(澄)委員

確認します。今、集水地域の見直しの部分から話は始まって、当初の許可のところまで戻った話が少し混乱しているので整理したいと思います。

まず、函南町から要望とかが出ているのは、この見直しに関して申入れがあってからかなり時間がかかっていることに対して疑義があると。
それは、とりもなおさず、今回の定例会の本会議場で答弁された中に、事業者が不正な手段により許可を受けようとした意図は認められないとかあるんですけれども、函南町は私たちよりももっと専門家が入って議論をしているわけで、そこに対する疑義がずっと積み重なってきていることと、それに対して県がどのような対応を取ってきたかが、非常にポイントだと思っています。

それが、今この直近の皆さんがお話しされているように、例えば追加資料の187ページの一番下段を見ると、中段辺りからなぜこうなったかの事情が書いてあって、最下段には、先ほどから言っているように、県が認められないと言っておきながら、事業者からも、河川管理者との協議は、貴町の当初担当者も御存じのように適切に手続を行った上で許可時の狭窄部を選定しておりますという話があって、非常に矛盾ばっかりなんですね。

だからもともとこの時点でどのようなチェックをやって、話合いが行われてそれを許可をしたのかは、今回の問題の中では非常に重視していかなきゃいけないと思うんですが、ここをどのように対応したのかについて資料があれば資料で説明を受けたいし、また資料がなければ、後で出せるものなら出していただきたいと思います。


許可取り消し、または許可の効力を一旦中段すべきだ

中田委員

関連質問です。
3番委員の言われたことにちょっと重なりますが、最初の書類はよかったから許可をしたという話。
その後事業者から誤りがあったという申出が出て、どこがどうなのか早く書類を持ってきてみたいな話に今なっているわけじゃないですか。

でも誤りの内容が、そもそも許可の時点で県側が本来気づかなければいけないものだったのか、それとも言われるまで分からないような、だけど大事なことだから直してきなさいよというものなのか、どういう性質のものだったのかが私はすごく気になるわけです。

言ってること分かりますか。
本来気がついていなきゃいけないことに気がつかないで、とろいことをやっていたというんであれば駄目だし、県が気がつかなかったのはまあまあ百歩譲ってしようがないけれども、でもそれって大事なこと、許認可に関わることじゃないのということであれば、今、許可が宙に浮いてること自体がおかしな話になっちゃうわけですよ。
しかも指導してから2年も3年も返ってこないわけでしょう。まだやり取りはしてるのかもしれないけれども。

許可を持っているって、物すごい業者にアドバンテージを与えているんですよ。
なぜかというと、不動産物件で言えば売買ができるんですよ、
許認可があると。事業をやらなくたって売買するんですよ。
林地開発の許可がついてるっていうことで商品になっちゃうわけですね。

そういう意味では、一旦許可に疑義が出るようであれば、許可を取り消すとか、許可の効力を一時中断するという行政の判断があったっていいんじゃないですかって私は思うわけ。

昨日8番委員からも、許可の取消しについていろんな話があったけど、私は今、個人的にそう思っていますよ。それについての見解も含めて、御答弁頂ければと思いますよ。

浅井森林・林業局長

まず、3番委員から何をもって町と協議がなされたと判断したかについて説明をというお話だったので、それについて、まずお答えしたいと思います。

町管理河川については、町と事業者が協議をしておりまして、その記録を県に提出頂いております。
Bファイル3043ページから3047ページまでが町と事業者との記録になります。
この中で河川の断面であるとか勾配を計算したものを示した上で協議をしておりますので、県としては、そういった客観的な図面をもって町と事業者が打合せをした結果を我々が協議簿という形で報告を頂きまして、それによって協議がなされたと判断したところでございます。

それから4001ページを御覧ください。
知事から町長宛ての意見照会の中でも、そのような記録簿について念には念をということで、県の森林部局の担当者が町の担当者に確認したのが4001ページの付箋のところになっております。
電話で聞いた内容についてメモ書きではありますが、当時の森林部局の担当者が、確かに町の担当者に直接確認をした事実もございます。

実際の公文書としてのやり取りについては、4118ページ、4119ページが町長からの意見書ですが、そもそもこの意見書を出していただくに当たって、森林法の林地開発に係る意見を伺ったところですけれども、この意見書の中では、そういった河川の協議がなされていないことについては触れられておりません。

また、令和元年6月の町議会の中でも、技術基準は満たしている排水計画になっているという答弁もされていると承知しております。
このようなところをもちまして、県としては町と事業者の協議がなされたと判断しているところでございます。

続きまして、6番委員の集水面積の違いは、県でそれが見抜けなかったのかどうなのかでございます。

当初出てきた図面の中では、事業区域の一番上流側になりますが、地形図だけでは水がどちらに流れるかなかなか分からないような比較的平坦なところだと聞いております。ということで地形図上では事業区域に流入してくるということは即座に確認できなかったということで、事業者の説明に基づきまして、そこは集水区域には入らないと判断したところです。

ですがその後、事業者が現地を再調査した結果、その部分も含めて集水区域として洪水の計算をするべきという判断があったということでそれに倣って今、図面の訂正、現地調査の結果を取りまとめをお願いしております。

そのことに基づいて、事業計画の変更がなされたならば、場合によっては許可したこと自体、中止の判断もあるのではということですが、今の段階でどのような形でその集水面積の共有ができるのか、まだ私どもに届いておりませんので、今のところできかねます。


当時の情報では判断できなかった。
だから県の瑕疵ではない?

鈴木(澄)委員

先ほどの説明で、町と事業者が協議をやった資料は示されましたが、詳細についてこれだけで納得しろというのはちょっと難しいかと思っています。

今回そういう協議をやって、結局、事業者は、県も何も言わなかったからそれはそのままよしとしたという話なんですけれども、見直しをかけていると。
この時点で何かしらの問題が生じていたはずなのに、県側はそれに気がつかず後から指摘したんじゃないか。

私たちはやることやりましたよ、町とはちゃんと協議をやりましたよというふうにも捉えられないかなと私は考えるんですね。
ここの部分はむしろ、事業者云々よりも県の瑕疵といいますか、県の取組の中でそこの部分が十分に配慮されていないから、今回の集水地域の見直しをかけなきゃいけなくなったんじゃないかなと、私はこの資料を見ながら感じたんです。

そこの部分については、当事者である県としてはなかなか言葉としては表されていないと思いますが、説明を聞いた範囲内ではそんなふうに感じました。そこはいかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

集水区域の誤りについてということでよろしいでしょうか。
提出された図面等を見た中で、そこが一義的に区域に含めるべきであるという判断は、当時の情報等ではなかなかできなかったと考えておりますので、そのとき、そのことについて県に何か瑕疵があったとは考えておりません。

鈴木(澄)委員

当時の状況といっても、先にもう許可は出したわけで、その時点で十分な配慮をしなきゃいけなかったということにもつながるんじゃないかと思うんですね。
そういう意味では、今回許可は出したとしても、もう一度そこの見直しをかけるところに立ち止まって考えるのは、私は必要だと思うんです。

既に許可は出した、そしてそれを取り下げることはないという結論でいいのか。
あるいは状況が変わってきたので、そこは柔軟に対応しなきゃいけないというところは、県がもう少し踏み込んで考えるべき内容だと思いますけれども、いかがですか。

浅井森林・林業局長

集水区域の誤りにつきましては、事業者も、やはり集水区域に含めるべきであったという認識の下、今その調査をしているところであります。
それに基づいてもう一度事業計画――場合によっては調整池なども含めた排水系統の設計ほかを見直すことを意向として話しておりますので、県としてはその計画が出てきた段階で基準にしっかり合致していることを確認する必要があると考えております。

鈴木(澄)委員

例えば軽微な修正ならば、何でそんな時間がかかるんだって普通は考えますよね。
函南町が言っているように、申出があってから1年以上もたっていながらちゃんとした形になって出てこないならば、重大な瑕疵になるんじゃないかと考えますけれども、そこはいかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

訂正に時間がかかっていることについては私どものほうでも、具体的にそれがなぜか説明する根拠を特に持っていないので、今御説明はできませんが、いずれにしても事業者は修正すると申し出ておりますので、県としてはそれに基づいた審査を適正にやっていく考えでございます。

鈴木(澄)委員

ならばいつまで待つんですか。
そういうことを含めて、事業者とある程度の下話は必要だと思いますけれども、そこらに対しての対応も、答弁としては何も聞こえてこない。

業者が自分たちの都合で、その資料をまとめて出すまでにいつまで待つかについては、やはり問題ではないかなと思います。
そういうことを含めて、事業者の真摯でない態度と受け止められても仕方ないんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

これは審査に関わることではございませんが、事業者も実際の設計をする担当が少し替わって、一からそこら辺の情報の整理とかもやっているということで少し時間がかかっていると聞いております。
新しい担当が順次図面等も上げてきてくれる状況になっていますので、訂正作業は始まっていると認識しております。


林地開発許可付き物件として転売さえる恐れがある

鈴木(澄)委員

ここの問題は、一番根幹に関わるのは、防災の視点の中でどうあるべきかという話なんですね。
本当にここ一、二年で県内で起きている土砂災害も含めた大きな課題は刻々と状況が変わっているので、例えば出てきた資料がまた新しい法律とか新しい仕組みの中で見直しをかけなきゃいけなくなったら、またそこで見直しをかけるんですか。

そういうことも含めて、一旦はどこかで線を引かなきゃいけない。
だとすると、許可をしたことが本当によかったのか、そういうことを少し状況が安定した段階でちゃんと審査をして許可をするのが、私は必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

許可から3年たっているわけでございますけれども、そういう中で状況の変化等もあります。その中で設計の中に反映させるべき事項も増えてきているのかなと思っていますので、それについては事業計画の審査の中でも適正にしていく考えでございます。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

今、事業者は現場に着手しておりません。
それで林地開発の申請図書も修正の作業を始めております。ということで、その修正の資料が出てきたら、法令にのっとって適切に対応してまいりたいと考えております。

西原委員

関連質問です。
今、御答弁頂きましたけれども、先ほどから3番委員が出していること、追加資料の追加187ページの中段のところ、あくまで函南町軽井沢地区の太陽光発電施設の設置につきましては、林地開発申請内容について、貴町の審査及び協議を得て、許可を得た事業でありということで、逆手に取られているじゃないですか。

これ、事業の許可を取ったんですよって、立ち位置変わってるんですよね。
県がいろんな指示を出しても正式に受領できるものではありませんとかね。ちゃんとした業者だったら、きちんと許可頂いたことに対して対応していくと思うんですよね。

このやり取り見てると、多分県から修正を出してくださいよと出したのが4205ページ。これに対しての回答が日を空けて5月24日に来てるってことですよね。
町と県庁とのやり取りが、そのまま県と事業者と同じような、言ったじゃないですか、やったじゃないですかのやり取りになっているんですよ。

挟まっているのは県なんですよね。誰が言っているのが正しいのか私分かりませんけれども、6番委員もおっしゃっていましたけれども、本当に県が申請書類に基づいてちゃんと審査をしていればこんなことにはならなかった。

今、書類を出してるから待っています、いいでしょうではなくて、私も3番委員のおっしゃるとおり、この許可に対して一旦停止なり、取消しなりといった作業をしないと、このもの自体はずっと引きずりますよ。

しかも相手は、もう許可取った話ですよねという文書を起こしてるんですよ。それに対してどう思ってますか。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

追加資料の187ページに、協議をしていると、業者は主張しているというお話があったんですが、
188ページに、弊社は今後も貴町の指示及び協議内容に基づき修正をしますと言っておりますので、県としましては修正の資料を審査して対応してまいります。

中田委員

許可が一旦出たと。何度も言いますが、申請の誤りがあったという申出に基づいて、今指導をしていると。
誤りは、県はなかなかそのときには気がつかない内容だったと。しかし修正されて出てくるものによっては、それは審査に適合しているかどうかは見てみないと分からない、こういう答弁ですよね。

ということは、出した許可がそのまま継続される保障は100%あるわけじゃないわけですよね、今の段階では。そういうことでしょう。さっきから何度もやり取りしていますけれども、100%かどうかということを確認しておきたい。

大川井森林保全課長

先ほどから答弁しているとおりですけれども、今事業者が行っている修正で、今許可している状態の計画がそのままでいいかどうかは、今の段階では分かりません。

中田委員

でも、今許可が与えられている状況になっていますね。
ということは、そのことが確認されるまで許可の効力を本来一時停止するべきだと思いますよ。

当たり前の話でしょう。
何でかっていうと、実際不動産の世界ではね、太陽光の売買とかいろいろあるんだけれども、ブルーキャピタルマネジメントの函南の物件って流通しているんですよ。
ただ、詳しく知っている人は、あれ林地開発っていってもいろいろごちゃごちゃあるみたいだからってことで手を出さないけれども、普通は民間の中ですぐに流通するわけですよ。知らないで買っちゃった人がいてという話にもどんどんなっちゃうでしょう。

でも、きちんと行政が、事業者の出した書類に不備があったことを事業者も認めて、今補正しているわけじゃないですか。
だから、そういう意味では、出てくる内容によっては許可が継続できるかどうか分からない状態なんだから、許可の効力は一時中断しますと、きっちりすることが行政としての責任なんじゃないですか。

出てくるまで分からないと言いながら、許可だけが独り歩きしている状態を行政がつくっているってことですよ。これは何らかの対応ができるんじゃないですか。いかがですか。

大川井森林保全課長

Aファイルの4205ページですけれども、今年の3月31日に出した文書になります。
この下から2段落目の、つきましてはのところ、貴社が訂正を完了し、県が林地開発許可基準に適合していることを確認するまで、開発行為に着手しないよう指導していますということで、分からない状態で現場着手することはいいことではないので、しっかりここで行政指導している状況でございます。

中田委員

もう何度も言ってもしようがないんですが、私の意見を言います。
許可の効力を一時中断すればいいだけの話ですよ。本来は取り消してほしいんだよね。それでやり直すのが筋。だけど最悪譲っても、許可の効力を一時中断する。しっかりしたものが出て適合が確認されるまで、と私は思う。そのことについて、最後に答弁もらいましょうかね。


「静岡県さえ林地開発許可の取り消しの意思を表明してくれれば、林野庁としては全面的に協力する」

浅井森林・林業局長

森林法を管轄する国の機関であります林野庁にも、こういった関係についてのケースを私どもも少し確認をしたことがございます。

その中では、一般論で言うとやはり取消しは非常に重い不利益処分になることと、申請書類に重大な瑕疵があるか否かを慎重に判断する必要があるというお話がありました。
それから、いきなり取消しをするのかどうかについては、相当悪質な場合にはそういった取消しといった判断もできるかもしれないが、通常は行政指導などを行ってその誤りを正していく手順を踏むものであるというお話を、全国的なケースということで頂きました。

ですので、先ほどお話ししたとおり、4205ページで、県も行政指導という形で、そういった訂正を速やかに行うよう今やっているところでございます。
それに対して事業者も、その指導に従うということで書類の訂正等の準備を今やっておりますので、県としてはこの指導の形で進めることについては妥当であると考えております。

参考記事
林野庁「河川協議は重要な要件」

中田委員

私が聞いたのは、許可の効力を一時中断することはできないかですよ。
何度も言うように、私たちは許可を取り消してやり直すのが筋だと思う。
でも、いろいろ手順があるでしょうと。それも分かりますよ。だけど今この状態を放っておくと、許可がついている状況だけが独り歩きしていて、でもそれは許可の内容にふさわしい事業計画かどうか明確になってないわけでしょう。

しかもそれは事業者のミスで起こったことですよ。それを行政は指導して待っているわけでしょう。

その間にどんどん許可だけが独り歩きするんですよ。
こういったことを行政がとろとろやっている、ぐらぐらしていることによって社会的に言えば、例えば不動産の世界ではそういうものを買おうとしている人だって迷うだろうし、いろんなことが行政の判断によってふらふらしちゃうじゃないですか。
そういう意味では、分かりやすいのは一旦許可の効力を中断するという行政の行使というか権限はないものなのか。
今まで例があるとかないとかではなくて、そういう考え方はできないのかを聞いているわけですよ。

木内委員長

先に答弁を聞いてからにしていいですか。

浅井森林・林業局長

4205ページの文書指導の中でもございますが、そういった訂正が完了して、それを県の確認を受けるまでは事業の着手をしてはならないと文書指導をしておりますので、事実上、そういう意味では事業者は事業に着手できないと考えております。


取消し要件に合致する瑕疵あり

森委員

資料Aの4130と4131ページに、令和元年7月8日の許可、そして許可の取消しについての説明が書いてあるわけですよね。
昨日と今日のこれまでの調査の中で、許可に至る過程の中でのいろんな論議――皆さん方と函南町の役場、住民の皆さんとのいろんな考えの違いも分かってきたし、何よりも町民の皆さんの代表の町長さん、もう一方の町議会の皆さんも反対の意見書が出てくる。
町長さんからは、必死の要望が出てきている。しかし一方では、皆さんは申請者の書類関係、手続上許可条件にかなっているから許可しましたと、平成元年7月8日に許可された。

しかし、その後いろんな手続上の矛盾やら、経済産業部以外の交通基盤部――組織は違いますけれども同じ県庁だと。河川占用の問題、道路の問題、あるいはくらし・環境部に関わる環境の問題。許可してしまったけれども、その後いろんな論議が出てきた。許可の取消しの基準も4131ページに書いてある。

特に、私がこれを見て1番目の(3)とか2番目の(1)とか、非常にこの取消しの要件に合致するようないろんな瑕疵も出てきている。
6番委員は中断すべきだと言う。しかしこういう許可条件の取消し条件に触れるようないろんな新しい事実も分かってきている。

さらに一方では、法令等もできてきたり熱海の大変な災害も発生してきたり、いろんな事情が変わってきている。
この問題について、先ほど浅井森林・林業局長からは、業者は工事に入ることができないでしょうという説明がありましたけれども、皆さん方として、この問題に対する新たな観点から、やっぱり新たな姿勢をもって取り組むべき問題ではないのかなと思いますけれども、皆さん方のお考えを伺いたいと思います。

浅井森林・林業局長

ただいま、事業者はこの集水面積の修正ですとか、河川管理者との調整、協議のほうを進めているわけでございますけれども、そういった中で、変更した書類が出てくることになります。
それについては、2番委員おっしゃったような中で、県民の皆さんがですね、こういった大規模な開発行為に対する、非常に高い関心をお持ちだということも、十分我々は承知しております。
そういう中で、これから出される書類については、今まで以上にですね、厳正な審査を行いまして、林地開発許可の基準に適合した計画であるということを、しっかりと審査のほうでしてまいりたいと思っております。

木内委員長

ここで休憩といたします。
再開は15時5分とします。

( 休 憩 )

木内委員長

休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
質問を継続します。

大川井森林保全課長

先ほど御質問がありました用地の関係について御説明いたします。
資料ファイルBの3006ページを御覧ください。
3808ページに公図の写しがついてございますが、この中に函南町の赤道が通っています。
この赤道の揚水の関係でございますけれども、先ほどお話しした3006ページの、左から2列目に登記事項証明書、地目がありまして、上から5つ目と7つ目で、これ以降、同じ表がついているところに公衆用道路と書いてあるものがございます。
そこの右を見ていっていただきますと、同意書の有無という欄がございましてなしと書いてございます。これにつきましては、道路は許可後に議会承認するので、許可当時は、ここはなしということで町と話ができていると話を聞いてございます。

 

河川協議が正確に行われているか否かの確認を怠った重大な瑕疵がある

木内委員長

それではここで、委員長を交代します。

西原副委員長

委員長を交代いたしました。
では、発言を求めます。

木内委員

数点伺いたいと思います。
そもそも、資料Aの4205ページの中段に、また、令和4年2月24日の県と貴社との打合せにおいて、貴社から県に対し、洪水調整池の設計に用いる開発行為による影響を最も受ける地点(林地開発審査基準第2水害の防止3洪水調整池等の設置(1)容量の基準に規定、以下「狭窄部」という。)について、現在、赤沢川内や丹那沢内の地点を用いているところ、柿沢川内の地点の再検証を進めており、これに伴い、洪水調整池の設計の変更等が生じる可能性がある旨の説明がありました。こういうことです。

そしてこれはどういうことか、まず私の認識を確認したいのですが、調整池の設計のためには、この林地開発によって最も影響を受ける地点を特定して、その地点を河川協議者と同意をして、その地点の流下能力に応じて調整池を設計する必要があるためこのような手続が必要だという理解ですが、まずその認識を伺います。

大川井森林保全課長

委員の御認識でよいと思います。

木内委員

そうするとその手順がどのように進められるかについてお伺いしたいのですが一般的事項の1206ページから1207ページにかけてですが、洪水調整池等の設置、容量の基準の中で、洪水調整池の設計のためには、まず下流狭窄部の調査を行い、その上で地点を決定するとあります。
地点を決定する場合には、調査結果に基づき、当該開発行為による影響を最も強く受ける地点、もう1回言います、最も強く受ける地点(以下「当該地点」という。)を決定し、当該地点における許容放流量により洪水調整池を設計することとあります。
今回の開発行為における、最も影響を強く受ける地点はどこですか。

大川井森林保全課長

ファイルBの3052ページを御覧ください。
3052ページは、赤沢川の狭窄部の選定を検討しているところですけれども、①から④の数字を比べていきまして、②番の数字が一番小さいということで、赤沢川については②番の位置を選定してあります。
それから、丹那沢のほうですけれども、3062ページを御覧ください。
丹那沢については、①から③番が提示されていまして、この中でQの値が一番小さい②番の箇所が一番影響を受けやすいということで、許可当時は、この申請書に基づいて審査してそれでいいと。また両方とも②番ですが、そういうことになってございます。

木内委員

それでは、丹那沢の②番の場所が分かる図面の場所を教えていただけますか。

大川井森林保全課長

Bファイルの3897ページ。この3897ページの左側の②番の位置でございます。

木内委員

この図面にある丹那沢流量地区箇所②番は函南町の管轄ですか。静岡県の管轄ですか。

大川井森林保全課長

丹那沢の②番の位置につきましては、どちらの管轄でもないとの認識です。

木内委員

どちらの管轄でもないということは、どういうことか御解説願えますでしょうか。

大川井森林保全課長

みょうがだ川がもっと下流側にあるんですけれども、そちらが町の管理河川区域になっておりまして、今見ています3897ページの砂防ダムよりも下流側になります。ここは県管理でも町管理でもない。砂防ダムがありますので、この位置は砂防指定地になっております。

木内委員

とすると、県の管轄ではないのでしょうか。

浅井森林・林業局長

今御覧になっている3897ページについては、県の管理している河川ではございません。

木内委員

ここは河川ではないため、河川管理者が存在しないという理解でよろしいでしょうか。

浅井森林・林業局長

はい、そのような考え方で結構です。

木内委員

それでは、最初の箇所に戻ります。
最も影響を受ける地点が、赤沢川、丹那沢それぞれで②に当たるところということですが、最も影響を受ける地点の調査方法が、洪水調整池等の設置の(4)の調査をする範囲は、(4)の(イ)調査をする範囲はその地点における開発中及び開発後の30年確率雨量により想定される無調整のピーク流量が開発前の30年確率雨量により想定される無調整のピーク流量に比較して、1%以上増加する範囲とすることとあります。この範囲を図示してください。

清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)

1%の範囲内については、県の管理河川になりますので、この中には図はございません。

木内委員

この範囲から最も影響を受ける場所を決定しなさいという手順です。手引ですね。そうすると、その要領に従った審査を行っていないということで間違いないでしょうか。

浅井森林・林業局長

町が管理している河川、それからその上の丹那沢がありまして、その下に県河川があるという関係になっております。

まず手順としては、町管理河川の中及び丹那沢上流のところで一番影響を受けるところを選定して、それは役場で協議をいたしました。
その後、その結果を基に県管理河川の管理者であります土木事務所に、町の結果も踏まえて協議に行ったところ、町でそこをもう絞るということなので、県管理河川については今以上に流量が増えるわけではないので大丈夫ですよというお言葉を頂いたので、県として、県管理河川についてはそこの協議が不要と、協議、調整をしなくてもよいということでこの事業は進めております。

木内委員

4205ページで、開発行為の影響を最も受ける地点について、現在赤沢川内や丹那沢内の地点を用いているところ、柿沢川内の地点の再検証を進めており、これに伴い洪水調整池の設計の変更等が生じる可能性がある旨の説明がありましたとあります。
つまり、今変更が必要になる手続の根拠として、最も影響を受ける地点を赤沢川及び丹那沢内に設けることにした根拠は、町の判断と土木事務所の判断に基づいて、その2地点を最も影響を受ける地点と決めたということですね。
今の浅井局長の説明だとそうなりますが、それでよろしいですね。

浅井森林・林業局長

当時の町と事業者、それから県土木事務所と事業者の協議記録からそのように判断いたしました。

木内委員

土木事務所の協議記録の中で、県管理河川については必要がないと言ったのは土木事務所側の発言でよろしいですよね。協議簿の手書きのメモです。

大川井森林保全課長

そのとおりでございます。

木内委員

つまり、函南町がこの2地点でよいと言った、土木事務所が県管理河川は含めなくていいと言った、あなた方はそれを検証も再計算も、現場も見たかどうか分からないですけれども、そういうことも一切関係なくうのみにして、所管課でもない何の権限もない人たちの意見をうのみにして調整池の設計のために最も必要な最狭窄部の地点の選定を行い許可を出したということですね。

浅井森林・林業局長

1207ページの県の林地開発許可審査基準でありますが、先ほど1番委員からもお話がありました、イ地点の決定のところで、影響を最も受ける地点の選定については河川等の管理者の同意を得ることとなっておりますので、森林部局が決めたということではなくて、一定の根拠を持った流量計算などを示したものを町河川管理者、さらには県河川管理者に協議をして同意を求めたところ、事業者が説明して同意が得られたという事実をもって、森林部局としてはこの基準にあります河川等の管理者の同意を得た上で、狭窄部の影響を最も受ける地点の選定がなされたと認識しております。

木内委員

地点の決定を行う権限及び責任は、どこに存在しますか。

浅井森林・林業局長

この技術基準が、林地開発行為を行うに当たって事業者が行うべきことを県の審査の立場から記載したものになっております。
ですので、ここで影響を最も受ける地点を決定して設計することの主語は事業者になっております。
それからその下の、なお管理者の同意を得ることの主語も事業者と認識しております。

木内委員

では聞き方を変えます。
その地点が正しいかどうかを判断し、許可を出すのはどなたですか。

浅井森林・林業局長

それは、審査者であります県森林部局であります。

木内委員

そして、河川管理者の同意を得るために必要な静岡県との河川協議は行われておりましたか。

浅井森林・林業局長

協議については、事業者と県の土木事務所の協議記録簿を基に協議がなされたことを確認しております。

木内委員

もう一度聞きます。
河川協議は行われていましたか。

浅井森林・林業局長

当時はそのように認識しておりましたが、その後、認識の違いが発覚しましたので、今の時点では必要な調整がなされているとは言えない状況です。

木内委員

河川協議が適切に行われているかどうかを確認する責任は誰にありますか。

浅井森林・林業局長

河川協議は当然、審査をするに当たっての重要な要素ですので、その協議がなされていることを客観的に確認するのは審査者の責任としてあると思います。

木内委員

今回の審査に関しては、調整池の設計に最も必要な、影響を最も受ける地点の選定に際し、審査当局は町の判断と県の土木事務所の判断に対して検証を加えることなく、そして先ほど言いましたピーク流量に対し1%増加する範囲の図示もできない状態ですよね。

そのような状況の中で、許可権限者でもない者たちの意見をうのみにして決定をした挙げ句に、今の修正が必要な状態になっていると認識しております。

そして、そこに必要な河川協議が正確に行われているか否かの確認を怠ったと言わざるを得ない点は、重大な瑕疵だと思っております。

さらに、認識の違いをもって河川協議が行われていないと認めるのであれば、函南町との間だって認識が違うんだから、河川協議は行われていないと言われても皆さんには抗弁の余地がないんじゃないかなと思います。


事業者は土地利用事前協議で「不同意」を報告していない

西原副委員長

委員長を交代します。

阿部委員

林地開発許可に関する意見書が函南町から出てますが、これをもう一度整理させてもらいたいと思います。
3020ページで、事業者は函南町に林地開発許可申請の添付書類として土地利用事業事前協議書を提出をされていますけれども、この事前協議の回答は添付書類としてファイルから確認できなかったです。町は出したということですけど、県はこれを確認されているか確認したいと思います。

大川井森林保全課長

当時、事業者から事前協議の回答の書類は受けておりません。
町に直接確認いたしました。Aファイルの4020ページに土地利用事業の委員会の審議結果、それから土地利用事業の事前協議に与える影響等記載されてございます。
それから4027ページは、県の職員が函南町に行って確認した図面です。その後ろの4028ページ、確認事項の(2)町指導要綱の事前協議を不同意とした理由ということで、こちらで町の意見を確認してございます。

阿部委員

分かりました。
ちょっと角度を変えますが、承認以前、事前協議には同意しないという町の回答が、この協議結果より適切な判断ができるんではないかと考えます。
これは記載要領による判断ですけど、それについてはどういう認識でおられるか1回確認しておきたいと思います。

これをもらうか、もしくは記載要領で、または市長、土地利用要綱上の承認書の写しとあるんですけど、承認書の写しをもらうよりも承認以前のこの事前協議に同意しないという町の回答のほうが適切な判断じゃないのか。
それに関して、県としてはどういう認識でいるのか確認をしておきます。

浅井森林・林業局長

森林法に基づく林地開発許可に係る意見照会では、4080ページの法律に基づいた手続で、県知事から函南町長宛てに意見照会等を4082ページでしております。

それに基づいた答えとして、土地利用事業は不同意とすることをお伝えするという回答があるのも分かったわけですけれども、県としては林地開発の4項目、災害のおそれ、水害のおそれ等の定められたものについて意見を求めたところですが、それについては触れておられず、慎重な審査をお願いしますということであったので、県の林地開発許可に与える影響を基に許可しないという判断はないと認識しております。

阿部委員

もう少し違う角度で聞きますけど、函南町が申請者――事業者に対して事前協議に同意しないと回答したはずなんですけど、事業者は申請時に添付資料としてそれを提出していませんね。県に対しても提出していませんね。

先ほどから指摘しているように、この事業者がいわゆる不都合な真実を隠そうとしているふうに見えてしようがありません。こういう行為1つ取ってみても、先ほど10番委員が指摘した、数字を自分たちの都合のいいように使っていると。こういうところで、この事業者が信用があると言えないと私は思っています。

ここでお聞きしたいのは、先ほど来、各委員への答弁を聞いていて思うんですが、悪質な事業者に対しては、県として法律のいろんな縛りの中で性善説を取らざるを得ないと、信用しなきゃいけないということで、まるで事業者をかばっているような答弁に聞こえるときがあります。これは静岡県にとっても、静岡県の信用という意味でも誤解を与えてしまう、あまりよろしくないことかなと思います。

今まさに国も、この再エネの導入管理の在り方について見直し作業を経産省、国交省、農水省、環境省、今年の春からずっとやってきて多分もう今日あたりその取りまとめが出てくると思うんです。

その中に多分入るだろうというのは、今皆さんが置かれているような厳しい状況、法の縛りの中で自治体がいわゆる不要な責任を、悪徳業者がその自治体の弱み――例えば今回であれば、函南町と静岡県の弱みにつけ込んでいわゆる責任逃れをしているということこそ表に出さなきゃいけないということです。

書面上は、事実はちゃんと述べてもらわなきゃいけないですけれども、書面上は通りましたけど、これはおかしいなと思っていた部分とか今後これは駄目だよとか、再審査をやっぱりしなきゃいけないんだというところがあれば、それはそう思いますとはっきり言っておかないと皆さんの御労苦が無になると思います。
なので、それに関しての所見も併せて求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

浅井森林・林業局長

県としては、県の林地開発許可の審査基準に照らし合わせて出してきているか否かで審査をしておりますので、事業者の特性のようなものをこの審査の中で加味することはない、あくまでもこの基準に照らして林地開発許可が適正か否かを判断していく。その基準に合致しているか否かを厳正にやっていくことが、唯一の道かなと考えております。


瑕疵はあった、なぜ認めないのか?

阿部委員

浅井さん、担当者からすればそういう答弁をせざるを得ませんが、このやり取りをずっと聞いておられた増田経済産業部長ないしは櫻井農林水産担当部長、所見があればお聞きしておきたいと思います。

櫻井農林水産担当部長

昨日と今日にわたって、細部にわたって御審議頂いていると認識しております。
これまでの審議内容、あるいはこれまでの状況も踏まえて考えてみたときに県側の、開発許可の審査者としての審査手続については、やはり丁寧さを欠いていた部分については認識しております。

当然、今回議論が出ましたように、協議記録内容についても書面化されたものがない。あるいは残土処分のところについても細部の運用ルールについて明文化されたものがないとか、そういった点についてはやはり県としても非常に慎重な部分が足りなかったという認識を持っております。

ただ、県の手続上の問題だけではなくて、やはり法律上の考え方がどうしてもありますので、審査する側の対応といたしましては、どうしても法律の範囲内での運用が、対事業者との間においては非常に大きく出てきます。

昨日もちょっと議論がありましたけれども、申請書が出てきて、期限があるものですからという話もあったかと思います。これも行政手続法の中で、いわゆる形式上の書類が整っていれば県として受理というか収受をせざるを得ない。収受をした時点から時計が回ってしまう状況があります。

あと、今日もいろいろ御議論があって、県としてもう少ししっかり、厳しい措置を取ったらという御意見も頂いています。
我々も、昨今の災害の状況等を見ますと、やっぱりそういう部分は必要かなと思うんですが、先ほどのお話のようにいわゆる法律の範囲内での話、それを超えた行政指導等を行った場合は違法だという過去の判例もあります。

ですから、我々も非常にこうしなければならない、こうあるべきだというのもあるんですけれども、法律上の解釈とかも総合的に考えながら対応せざるを得ない、非常に厳しい状況があると認識しております。

今回、協議の問題とか他機関との調整の部分、いろいろとその辺が不十分だと、特に県の森林部局が昨日から非常につらい、針のむしろ状態にあるんですけれども、うちが打合せの記録等を書面で残すことができなかった、残していなかったがゆえに当時、実際にあった打合せの状況等をつまびらかに書類をもって提示できない状況にあるのは非常につらいんですけれども、いろんな状況の中で、それぞれの見識が時点時点でいろいろと動いてきているところも散見されたという認識を持っています。

いずれにしましても、あくまでも法律上の考え方にのっとって、県としてそれに即して厳正に対処していくスタンスは一番重要な部分ですので、それはしっかりやりつつも、今後対応するものについてはしっかりとルール化もするし、職員の意識改革も行って徹底した対応を行ってまいりたいと考えております。

阿部委員

ありがとうございます。
ちょっと難しい答弁だったかもしれませんけど、思い切って心境を吐露していただいてよかったと思います。

ただ、各委員が指摘されたように、やはり誤りを認める部分は認め、それからまた、今おっしゃったように法的に縛られていて、例えばできないことはできないできることはできる、だけど法的に縛られているのは、ちょっとこういう部分はおかしいですよって地方が、現場を持っていて現場で苦しんでいる地方が声を上げないと、国全体で、また同じ苦しみを起こしてしまうことになります。

それで、我々もそうですし、皆さんも、こういう事業が企画された場合にその事業地にお住まいの皆様の御心中やその後の生活のこと、それから環境のことを第一に考えて、当該市町ときちんと連携して、やっていっていただかなきゃいけないと思うので、今までの前例主義にとらわれずに、少し厳しい指摘を我々、特に5番委員、6番委員、委員長もされておられますが、しっかり受け止めていただいてよりよい方向に向けていただきたいと思います。意見、要望とします。

野崎委員

今、櫻井農林水産担当部長から御答弁頂きました。法律上、厳正に、のっとってやってきたというお話がありましたけれども、法律上の手続で瑕疵はあったと思うんですね。認識が違いだとか、いろんなことを言いますけれども、瑕疵はあったんですよ。あったことをなぜ認めないのかって、私は思いますね。

今後は、文書をちゃんと残したり、いろんなことをしていきますって言うけれども、この函南は現在進行形なんです。現在進行形の函南のやり方について、どうだって検証作業をしているわけじゃないですか。それについて、何となくみんなが納得できちゃうみたいな、認識が甘かったから今後はこういうふうに直していきますじゃ済まないんですよ。この下にみんな住んでいるんですよ。伊豆の国市もいつも水があふれているじゃないですか。

ということも含めて、我々もこの委員会の中で当局に対して申し上げたいことを協議しながらまとめていく方向で考えますが、ぜひこの委員会で協議した内容について真剣に捉えていただいて、やっぱりおかしなことはおかしいとちゃんと認めていかないと、もっともっと後々おかしくなると思います。

今の時点でそれ以上の答弁ができないのであれば、また同じことの繰り返しが2日も3日も続くのでこれ以上言いませんけれども、いずれにしても我々は、私は瑕疵があったと思っていますので、瑕疵がなかったという答弁に関しては、今後またいろんな立場で指摘させていただきたいと思いますので、気にとめておいていただければと思います。
そういった意見を申し述べておきたいと思います。

木内委員長

その他、御質問ございますでしょうか。

西原委員

関連です。
ただいま、櫻井農林水産担当部長が今後も含めた思いをおっしゃっていただきましたけれども、今回の審査の中で静岡県がやっている方法と、他県がやっている方法と手法が違っている点があったかと思います。例えば、河川協議を事前の協議事項として明文化していて、なおかつ河川協議の完了を証明する文書の提出を義務づけている県もあるそうです。そういった意味では、法律の中でしっかりとやってきたというお言葉だけでは済まない部分があるかと思います。
熱海の土砂災害の事件においても、県の許可が甘かったから他県から入ってきた。静岡県のやっている林地開発許可が、甘いんではないか。ほかと比べて。そんなことも感じましたので、申し述べさせていただきます。

木内委員長

その他、御発言ございますでしょうか。

(「なし」と言う者あり)

それでは、質問等も出尽くしたようですので、このあたりで函南太陽光発電事業計画の林地開発の許可関係の集中調査を終了することに御異議ありませんか。

(「異議なし」と言う者あり)

異議なしと認め、函南太陽光発電事業計画の林地開発許可関係の集中調査を終わります。
今後の進め方について、私より皆様に御提案、お諮り申し上げます。
今回の集中調査で出た意見等を取りまとめ、今後適宜委員間協議などを行いながら統一見解としてまとめ決議をするべきかと思いますが、そのような進め方について御意見ございますでしょうか。

(「なし」と言う者あり)

では、今後委員間での協議等を行いながら統一見解を作成していくということで、進めさせていただきたいと思います。

集中審査会議録(1)
集中審査会議録(2)
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